【日経平均株価】利上げへの警戒感から国内外の株式市場は軟調


■米株安につられ、日経平均株価は再び軟調な展開へ

2022年9月2日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比10円63銭安の2万7650円84銭となりました。3日続落で、2022年8月2日以来1カ月ぶりの安値です。

ただし、2022年9月2日の日本時間夜に8月の米雇用統計の公表を控えていることなどから下げ幅は限定的でした。

今週の動きはどうなるでしょうか。

2022年9月2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は、前日比337ドル98セント安の3万1318ドル44セントで終えています。

朝方に発表された雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比31.5万人増と市場予想(31.8万人増)並みとなりましたが、7月からは減速しました。

発表当初は、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを加速するほどではないと、広がり買いが先行しました。

ただし、その後は金融引き締めの長期化により景気が低迷するとの見方から、売りが優勢になりました。週初から、日本株も連れ安になる可能性があります。

米利上げへの警戒感から世界の市場への下値圧力が強くなっています。

足元での大きなきっかけとなったのが、米国で開かれた経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でFRBのパウエル議長が、インフレを抑えるために金融引き締めを継続すると強く語ったことです。

その後はFRBの他の高官からもタカ派の発言が相次いでいます。

日本企業にとって心配なのが、それにともない、円安・ドル高傾向になっていることです。

円相場は先週、24年ぶりに、1ドル=140円の大台に乗せました。円安は、自動車・機械など輸出関連銘柄には追い風となる一方で、内需型企業にとっては原材料などの高騰にもつながります。

国内では実際に、価格への転嫁の動きも進みつつあります。それにより消費者の買い控えするようになると業績にも影響が出ます。

2022年9月8日には、欧州中央銀行(ECB)の政策金利理事会が行われます。7月の会合では11年ぶりに利上げが行われました。

ユーロ圏では、ロシアのウクライナ侵攻などにともないエネルギー価格が高騰するなど、インフレ率が上昇しています。そのため、今回の会合でも大幅な利上げが行われると見られています。

■日経平均株価は、5日線を割り込み軟調な展開へ

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。

足元では、過去に売買が積みあがっている2万8300円~2万8400円付近が下値サポートになっていることから、このあたりを維持できるかどうかがポイントでした。

しかし、先週は週初2022年8月29日に、大きく窓をあけて下落して寄り付くと、そのまま長い陰線となって、このあたりを一気に突破し下落してしまいます。

5日移動平均線も割り込みました。その後は5日線に上値を抑えられるような形で下落し、終値ベースで2万8000円台を回復することができませんでした。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。

直近のチャートの形は悪くありませんでした。長い間、上値を抑えられていた6月9日の高値(2万8389円)および、3月25日の高値(2万8338円)付近を突破し、さらに下値サポートラインになっていました。

そこを先週に再度割り込んでしまったことから仕切り直しといったところです。

今週まずは心理的節目となる2万8000円、さらには2万3000円~2万4000円の節を再び突破できるかどうかが注目されます。

逆に現在下げ止まっている25日線付近を割るようであれば注意が必要です。

心配なのは、すでに、2022年6月20日~8月17日までの上昇の半値である2万7370円付近まで近づいていることです。「半値戻しは全値戻し」が警戒されます。

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