なぜ「応援消費」で幸せになれるのか?「共感できるものにお金を使いたい」人が約6割


みなさんは幸せをお金で買うことができると思いますか?

現在、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響が続く中で、医療機関などに寄付したり、経営が厳しい飲食店や生産者から直接商品を購入しているという方もいるのではないでしょうか。もしかしたら、そういったお金の使い方は、社会や他の誰かのためになるだけではなく、自分自身の幸福度にも影響を及ぼしているのかもしれません。

そこで今回は「幸せになるためのお金の使い方」を、「応援消費」に関する調査と心理学の視点からご紹介していきたいと思います。

■今注目の「応援消費」とは?

2020年2月にジャパンネット銀行は、20〜60代の男女1000人を対象とした「応援消費」に関する意識・実態調査の結果を公表しました。ここで言う「応援消費」とは、人や商品、お店、企業、地域などを応援するためにお金を使うことを指しており、たとえば「ふるさと納税」や「好きなアイドルへの消費」などが当たります。

調査からは、「応援したい」「後押しをしたい」「支持したい」というような気持ちで、お金を使う「応援消費」への関心が高まっている傾向が明らかになりました。

●約6割の人が「共感できるものにお金を使いたい」

調査では、全体の57%の人が「共感できるものにお金を使いたい」と回答し、67%の人が「救われたり喜んだりする人がいる消費は嬉しい」と答えています。

また、約半数が「モノより体験・思い出を重視したい」と回答しており、消費者のニーズが従来の商品やサービスを消費する「モノ消費」よりも「コト消費」に向いていることがわかります。

●「実際に応援消費をしたことがある人」は約3人に1人

一方で「実際に応援消費を行ったことのある人」は34%に留まっており、実際の経験者はまだまだ少数派のようです。しかし、経験者の94%の人が「応援消費をしたことに満足」しており、消費の満足度の高さが伺えます。

そして、応援消費をしたことがない人の2人に1人が「応援消費は魅力的なお金の使い方だと思う」と回答していることから、今後ますます「応援消費」というお金の使い方は広がっていきそうです。

■他人のためにお金を使うと幸福度が上がる

なぜ、このように応援消費に興味を持つ人が増えているのでしょうか?

そのヒントは私たちの「幸せ」の感じ方にあるかもしれません。「お金の使い方」と「幸福度」の関係性を明らかにしている心理学の研究を紹介していきましょう。

●「収入の多さ」よりも「お金の使い方」が重要

ブリティッシュコロンビア大学の心理学者エリザベス・ダン氏らの研究は、「自分の収入に関係なく、他人のためにお金を使うと幸福度が上がる」ということを明らかにしています。

実験では、大学生を集め20ドルまたは5ドルを渡し、そのうちの半数の人に「自分のための消費」をするように指示し、残ったもう半数の人には「他人のための消費」を指示しました。

その結果、面白いことが2つ明らかになりました。

1つ目は「収入の多さは幸福度に関係ない」ということです。研究対象の学生はランダムに20ドルと5ドルを貰う人がいたのですが、どちらの金額を受け取っても幸福度に差はありませんでした。

私たちの日常生活の中では「もっと年収が高かったら…」を思う場面は多々ありますが、もしかしたら年収を上げることは、幸福度を上げることにはそれほど繋がらないのかもしれません。

2つ目は「他人のための消費」を指示された学生の方が、「自分のための消費」を指示された学生に比べて幸福度が高かったということです。つまり、他人を応援するためにお金を使う「応援消費」は、消費の満足度や幸福度を上げることに繋がりそうだということがわかりますね。

従来の経済学では「自分のことを中心に考えて合理的に消費を行う」ことは良いこととされてきました。しかし今の時代、「お金」と「幸せ」の関係性を考える際には、他人のためにお金を使うという視点は重要なポイントになっているということが言えるでしょう。

■まとめ

これからますます社会に広がっていきそうな「応援消費」。一見すると、合理的ではないような消費にも見えますが、心理学の研究からも「他人のための消費(応援消費)」が自分の幸せにも繋がるということがわかりました。

外出自粛で多くの人が自宅にいる時間が増えている今、自分の「お金の使い方」を振り返ってみる良い機会かもしれません。

【参考】
・『「応援消費」に関する意識・実態を調査( https://www.japannetbank.co.jp/company/news2020/200227.html )』(ジャパンネット銀行)
・『Prosocial Spending and Happiness: Using Money to Benefit Others Pays Off( https://dash.harvard.edu/bitstream/handle/1/11189976/dunn,%20aknin,%20norton_prosocial_cdips.pdf?sequence=1 )』(Dunn, Elizabeth W., Lara B. Aknin, and Michael I. Norton)

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