1億円超の薬が保険適用に!どうしてこんなに高額なの?


お薬って高いですよね?その中でもずば抜けて高い薬である『ゾルゲンスマ』(オナセムノゲン アベパルボベク)が2020年5月20日から日本でも保険適用となりました。

そのお値段なんと1億6707万7222円!

現在、国内最高額の薬です。米国では、2億円超えする世界一高い薬といわれる薬です。このゾルゲンスマという薬は、どんな薬でなぜこんなに高いのでしょうか?

■『ゾルゲンスマ』は脊髄性筋萎縮症の治療薬

脊髄性筋萎縮症は、乳幼児期に発症する運動神経を支えるタンパク質を作る遺伝子に異常が起こることで、筋力の低下や筋委縮が起こる指定難病です。『ゾルゲンスマ』は、この遺伝子を補充するための再生医療等製品となっています。

■値段が高いのにはわけがある

値段の高さの理由ですが、まず、指定難病の治療薬ということで、開発費や製造費が高くなってしまうということが挙げられます。

また、類似薬である『スピンラザ』(ヌシネルセンナトリウム)の値段を参考にして設定されているためです。

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厚生労働省「再生医療等製品の保険償還価格の算定について」を参考に筆者作成

『スピンラザ』は、『ゾルゲンスマ』と同じ脊髄性筋萎縮症の治療薬ですが、遺伝子を増やすのではなくタンパク質が生まれる確率を増やす作用の薬です。『スピンラザ』は1回の値段は949万3024円ですが、繰り返し投与が必要なため11倍の値段である、1億422万3264円が基準と考えられました。

さらに、『ゾルゲンスマ』は、使用することで根治する可能性があるということで有用性加算T(50%)、画期的な新薬ということで先駆け審査指定加算(10%)計60%が上乗せされることにより、1億6707万7222円という日本一高い薬となったのです。

■当たり前に医療を受けられることに感謝しよう

2020年度の対象患者は25人が想定され、販売額としては42億円が見込まれています。

日本一高い薬で1億円以上しようが、日本では高額療養費制度により支払額には上限があり、望むならば誰でも使用できます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、医療崩壊が囁かれたことで、当たり前に医療を受けられていたことを噛みしめた人も少なくないのではないでしょうか。

もし機会があれば、自分が病院に行った時に領収書をじっくり見てみてください。普段の3割負担でも、元の値段を見ると「この治療にこんなにもお金がかかっていたんだ」とびっくりするかもしれませんよ。

●参考

「再生医療等製品の保険償還価格の算定について」( https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000629578.pdf )厚生労働省

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