家事・育児の手抜きで救われた…コロナ休校3カ月間で痛感したこと


在宅ワークをしている親にとって、子供が学校に行っている間は勝負の時間帯。仕事に集中できアクセル全開で作業を進められます。しかし、こうした在宅ワークの環境は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴って3月から行われた公立校の一斉休校措置と休校延長で一変したのです。

6月に入り全国で本格的な学校再開に向けて動きだしましたが、この3カ月に及ぶ経験は筆者の仕事と子育ての両方に大きな影響を与えました。

■休校突入まで3日!? いきなりの出来事に大焦り

2月26日の夕方に「3月2日の月曜日から公立学校に休校を要請する」という一報が全国を駆け巡りました。つまり、翌日の27日が年度最後の登校日となったのです。

テレビにかじりつくようにニュースを見ていた子供たちは「明日で今のクラスとお別れになる」「引っ越しをする友達とさよならしなければいけない」事態に直面しました。しかし感傷的なムードになっているかと思いきや、「もう早起きしないですむ」といった期待感も入り混じるなど、気分がころころ変わっていました。

そんな子供と違い、大人の方は焦りしかありません。子供たちが学校や幼稚園に行っている間を在宅ワークのゴールデンタイムとしている筆者にとって、あまりにも大きな知らせでした。週明けから仕事環境がガラリと変わることを意味していたからです。

「週明けからずっと子供が家にいます」というカウントダウンが突然スタートし、その準備をする余裕すらありませんでした。というより、準備をしようにも前代未聞のことなので、何をどうすればいいのか全く見えてこなかったのです。

ママ友の1人の勤務先は小学生の子を持つ母親が大半を占めており、特に低学年の子を持つお母さんたちが時短勤務の変更を求めて職場はパニックになったと後日教えてくれました。それだけ、働く親にとっては天と地がひっくり返るくらいの出来事だったのです。

■「4月になれば学校再開」という期待はすぐに消える

当初、3月と4月上旬の40日間程度の休みだと思っていた子供たちは「ちょっと長めの春休みのようだ」とまるでご褒美でも貰ったかのように楽しんでいる様子でした。長い春休みの後に新学期が始まると思っていたので当然です。

四六時中子供と一緒の状態では、手帳を広げて仕事の管理をする余裕もないと思った筆者は、手始めに机の前のカレンダーで、締め切り日に蛍光色の細いマスキングテープを貼りました。文字を書くより瞬時に見分けがつき、簡単なスケジュール管理ができます。

子供たちも当初は「1カ月ちょっとすれば学校に行ける」と信じ、生活リズムを大きく崩すこともなく、ケンカもほとんど勃発せず意外なほど穏やかな日々が過ぎていったのです。

しかし、感染拡大の勢いは収まる気配もなく、臨時休校の間に日本全国の感染者数は瞬く間に増えていきました。連日報じられる新型コロナ感染者のニュースを目にし、多くの家庭で予定通りの学校再開は難しいと思ったはずです。

4月に入ると東京都を中心に1日あたりの感染者数は増加の一途を辿り、地方でも連日感染者が出ました。この状況で新学期がスタートすることはあり得ません。結局、子供たちの願いもむなしく学校休校は延長されました。それはすなわち、在宅ワークをする筆者にとって子供と缶詰め状態で仕事をする期間が延びたということでもありました。

■イライラが増した家庭内のガス抜きのために

緊急事態宣言の対象が全国に拡大すると、子供たちの雰囲気もガラリと変わりました。ニュースで伝わる著名人の死、公園の遊具の使用禁止など、子供でも世間の緊張度が日増しに高まってきているのを感じ取ったのでしょうか、イライラすることやけんかを始める回数が格段に増えたのです。

外出を控えているなかでストレス発散することはなかなか難しく、今のままでは仕事も子育ても立ちいかなくなると感じた筆者は家庭内のガス抜きをするために敢えて手抜きを決行しました。

手抜きという言葉は悪いイメージがあります。しかし、自由に外出もできない中で子供のやることを全て管理するとお互い息が詰まります。仕事をスケジュール通りに進ませようとすると自分自身を追い込むことにもなりかねません。

まず、子供に関して朝起きる時間を20分から30分ほど遅くして「学校のある時と同じように過ごす」を強要しないように方向転換しました。自由時間と勉強時間を子供に考えさせたり、小言もなるべく控えるようにすると子供たちのケンカは減り、落ち着きを取り戻すことに成功しました。

筆者も3食しっかり作ることにこだわらず、冷凍食品やレトルトの力を借りて手抜きをすることを決意。すると、「早く料理の準備をしなければ」とか「仕事しないといけない」と焦ってイライラする回数が激減。緊急時に普段通りを求めることの難しさを痛感し、現状を打破するために楽をすることは結果として吉と出ました。

■普通を求め過ぎると疲れてしまう

普段の生活でも、完璧さを求めると自分を追い込んだり周囲に窮屈な思いをさせることがあります。今回のコロナ禍では今まで経験したことのないような事態が起きましたが、そのなかで日常生活を送ることのありがたさを痛感し、非常時にもストレスを軽減した過ごし方や仕事のやり方が必要だと痛感しました。

5月の半ばには、感染者の少ない地域で緊急事態宣言が解除されました。その頃から学校再開が見えてきたこともあり、「ゴールが見えてきたよ」と子供たちに励ましの言葉をかけるようにしたのです。

確実な目標があると人は頑張れるものです。4月中の重い空気はなくなり、「6月から普通に戻る」を合言葉に家族一丸となって生活リズムを整える準備期間に充てることができました。

今回の3カ月に及ぶ休校を振り返ると、終始同じ雰囲気が続いたのではなく波があったことが分かります。子供の立場でみると「3月は長い春休みと思っていた」「4月は予想外に休みが長くなりしかも外出も思うようにできずストレスがたまった」「5月は出口が見えて嬉しくなった」の3つに分けられます。

この期間、多くの親は仕事と子育ての両立に悩んだことでしょう。筆者自身、一本調子で仕事をすることは困難でしたが、自分を追い詰めず力を抜ける家事は思い切って楽をする大切さを学ぶことができました。

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