「タンス預金」はもう古い?キャッシュレス化が進む地方高齢者の実態


高齢者のお金の管理というと、家の戸棚や金庫から銀行の封筒に入ったお札を取り出す姿をイメージしがちです。しかし、クレジットカードやスマホ決済といった昨今のキャッスレス化の波は地方の高齢者にも届いているようです。

■地方シニアの約6割がキャッスレス派?

2020年2月、株式会社ジェイエムエスが行った「『キャッシュレス・現金の利用実態』に関するアンケート調査( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000054230.html )(キャッシュレス決済の利用経験がある関東以外在住、60歳以上男女109名を対象)によると、「キャッシュレスと現金、どちら派か」という質問に対し、61.5%もの人が「キャッスレス派・どちらかというとキャッスレス派」と回答。現金での決済よりキャッスレス決済を好んでいることがわかりました。キャッスレス決済を経験したことがある人たちはその利便性に気づき、生活の中に取り入れているようです。

■キャッスレス決済は田舎ならではの便利さも?

それでは、シニア世代はキャッスレス決済のどのようなところに魅力を感じているのでしょうか。同アンケートの「キャッスレス派の理由を教えてください」という質問によると以下のような回答が得られました。

・「ポイントが貯まるから」79.1%
・「支払いがスムーズだから」74.6%

クレジットカード会社の多くは独自のポイントシステムなどを導入しており、そういった金銭的メリットを感じたり、お金の出し入れの煩わしさから解放される自由さなどを理由に挙げている人が全体の7割を超えていました。また、「現金に関して困った経験や不満はありますか」という質問に対しては「近くにATMがなく、好きな時に引き出せない」という回答が24.3%ありました。これは地方特有の「近くに銀行がない」という点と関係があるのかもしれません。

■「なんとなく怖い」よりも「使って便利さを実感」している?

今回の調査で「キャッスレス派」と答えた人が6割を超える一方で、「現金派・どちらかというと現金派」と答えたのは19.2%と2割に満たない結果に。実際に体験したことのある人はわからない不安が払しょくされたことで、その使いやすさを実感している場合も多いのではないでしょうか。地方に両親が住むというSさんはこのような経験をしたそうです。

「うちの両親は60歳を超えているのですが、遠くのスーパーへ行くほどではないちょっとした買い物は近所のコンビニエンスストアで済ませています。昨年、お友達がスマホ決済のキャンペーンで得をしたという話を聞き、自分たちもスマホにアプリを入れたらしいんです。するとポイントがたくさん付いていることが可視化され、その便利さに気づいたようで。

私のところに電話がかかってきて『お前はもう使っているか?』なんてそのお得な話を延々としてきました(笑)。今は銀行と紐づけしないでその都度お金を入れて使用できるサービスもあるんですよね。両親は『今月はこれくらいまで』と限度額を決めて銀行からお金を移し、上手に利用しているようです。高齢だからスマホでお金なんて動かせないと思っていましたが、まさか私より先に導入するなんてびっくりしました」

シニアにはまだまだ操作が難しいスマートフォン。しかし、最近ではスマホ教室なども開催され、意欲の高いシニア層が学ぶ姿も見られます。「お金の管理が難しそう」といった悩みや不安も、自分たちでルールを作ることで賢くお得に使うことのできるキャッシュレス決済。年齢で諦めてしまうのはもったいないのかもしれません。

■使いすぎにはまだまだ注意を

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防の一環として、お金を触る機会を減らすことなども話題になっています。バーコードで読み取ったりカードを差して決済をするなどの方法は、感染対策にも役立つといわれています。

とはいえ、なかには「キャッスレスだとつい浪費してしまい、管理が難しい」と考える人もまだまだ存在します。確かに、お財布にお金がなくてもクレジットカードなどを使えば購入することが可能です。「自分には合わない」という結論がでても悪いわけではありません。

「自分はどれくらいお金を管理できるか」ということを知っていればメリットも多いキャッスレス決済。ただ「怖い」とだけ考え、情報を聞かずにシャットアウトしてしまうのはもったいない面もあります。

自分にとって、合うか合わないか。一度挑戦してそのメリットとデメリット、両方を知ることで、適度に活用していければよいのではないでしょうか。

【参考】
株式会社ジェイエムエス「キャッシュレス・現金の利用実態」に関するアンケート調査( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000054230.html )」(キャッシュレス決済の利用経験がある関東以外在住、60歳以上男女109名を対象)

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