韓国株のパフォーマンスが日本株を大きく上回っているワケ


コロナ禍で、日本の多くの問題点があぶり出されています。アベノマスク、給付金下請け問題、GOTOキャンペーン、コロナ解雇など、全ては挙げられませんが色々ありますね。諸外国も苦しんでいますが、ここまで問題あり過ぎ政策を進めている主要国はなかなかないでしょう。

政治や政策はしがらみが多々ありますし、実務上うまくいかないことはしょうがないとしましょう。でも、いの一番の経済、その中でも日本株はいったいどうなっちゃったのでしょう。もちろん、コロナショック後は反発して“高値圏”で推移はしています。しかしながら、20年、30年というスパンで見ると、日本株のパフォ−マンスは目も当てられません。

欧米株のパフォ−マンスを凌駕できないのは、悔しいですが良しとしましょう。驚異的な経済成長を遂げている中国・香港に負けてもまだ諦めもつきます。でも、かつてアジアのナンバーワン、いえ”ジャパン・アズ・ナンバーワン”だったはずの日本、そして日本株はオワコンに近い状況です。

現実的に日本株は30年前からちっとも上がっていません(泣)。他の欧米アジア各国の株価が数倍になっているというのに…。筆者がこれぞと判断して数年前に買った某メーカー株は全然反応しませんし、日経平均株価やTOPIXも同じようなところをウロウロしているばかり。個別株が上がらないのは筆者の眼力に問題があるからなのですが、株価全体が上がらないのはやっぱり腑に落ちません。

さらに、日本株のパフォーマンスは、お隣の韓国株にも負けている状況なのです。

■日韓の過去30年の株価推移

図表1は日本株(日経平均株価)と韓国株(韓国総合株価指数、以下KOSPI)の、過去30年間の推移を指数化して表したものです。

これまで韓国株をフォローしてこなかったこともあり、日本株と韓国株のパフォ−マンスは似たようなものだろうという思い込みがありました。当然日本株のリターンのほうが上回っているはずだという先入観もありました。株式投資にはこの思い込みというやつは大敵なのですが、やはり大敵でした。

実際、韓国株のパフォ−マンスの方が圧倒的に良好です。図表1は、あくまでその国における株価推移を実感してもらうため、あえて為替やインフレは調整していません。あくまで、それぞれの株価指数の推移を現地通貨建てで表したものです。そうした方が、現地での実感がわかるというものです。

日本株は30年前の株価を一度も上回ることなく、当時の約8割の水準をウロウロしていますが、韓国株は約4倍に成長しています。為替調整したとしても、この間、韓国ウォンに対し日本円は約2.3倍の円高。円ベースで換算しても、韓国株は日本株の1.6倍程度になっているわけです。

日本の不動産バブル崩壊は1990年。その直後からの比較ですから、日本は相対的に不利かもしれません。しかしながら、韓国株も94年から98年にかけてはアジア通貨危機等で株価は3分の1になっているわけですが、そこから8倍くらい上昇しているのです。

図表1:過去30年間の日経平均株価と韓国総合株価指数の推移(1990年7月を100としたもの)

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出所:各種データより筆者作成(期間:1990年7月末〜2020年7月末、月次)

■なぜ韓国株の方が上がるのか:組入上位5銘柄比較

では、なぜ韓国株の方が日本株に比べより高いパフォ−マンスとなるのでしょう。名目GDP(米ドル換算)で比較すると、日本は韓国の約3倍。日本の人口は韓国の約2.5倍で、規模の面では日本経済の方が断然大きいのです。

ところが、経済全体の伸び方である両国の経済成長率※を見ると、この30年間の日韓の年平均値はそれぞれ+1.1%、+5.1%と、韓国が5倍程度も上回っています。グローバル投資という観点から見れば、中国並みの高経済成長国に投資したほうがよいという判断が、まずあり得ます(※IMFのデータより)。

加えて、マクロの問題というよりも、個別銘柄の株価上昇率もポイントかも知れません。以下は、KOSPIに組み入れられている時価総額上位5社の過去10年間(2010年-2020年直近)の株価上昇率です(米ドル建てもしくは韓国ウォン建て)。

@ サムスン電子:約3.3倍
A SKハイニックス:約3.6倍
B 現代自動車:約0.9倍
C ネイバー:約6.8倍
D 現代モービス:約0.9倍
(平均約3倍)

同じく、日経平均株価に組み入れられている時価総額上位5社の株価上昇率はこのようになります。

(1)トヨタ:約1.7倍
(2)ソフトバンクグループ:約5.5倍
(3)ソニー:約2.5倍
(4)キーエンス:約10倍
(5)NTT:約2.1倍
(平均約4.4倍)

これを見ると、上位5社平均では日本株のパフォ−マンスの方がより高く、なんら日本株が上がらない理由はありません。ところが、株価指数では韓国株に4倍以上の差をつけられています。悔しいと言えば悔しいのですが、ここは冷静になぜ韓国株のほうが上がっているのか要因分析をしてみましょう。

  1. 投資家にとって韓国の高経済成長率は魅力的(前述)。
  2. KOSPIの株価収益率(PER)は約26倍で、日経平均株価は約18倍。市場は、韓国企業は日本企業よりも利益成長性が高いと判断している。
  3. KOSPIの株価純資産倍率(PBR)は1.0倍程度で、日経平均株価の1.1倍と大差はない。

これらをまとめると、韓国株はマクロ経済の成長期待を背景に高成長割安企業が多いイメージ、というところでしょう。また、日本企業はキャッシュばっかり溜め込んで投資しないとか、株主還元しないとかというイメージがありますので、それも日本株が買われない理由かもしれません。

“灯台もと暗し”と言いますが、投資機会は意外な近場にあるものかもしれません。ただ、日本国内で韓国株式に投資する場合、投資信託は全投資信託約6000本のうち1本のみ、東証上場ETFは2本しかありませんので、選択肢が限られているのが難点です。もっとも運用会社にしてみれば、設定しても売れないのが残念なところなのですが。

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