還暦過ぎたら知っておきたい「互助会」のこと。予算オーバーや解約トラブルを防ぐには?


「もしものとき」は突然やってきます。

終活の一環として、葬儀代などを積み立てておくことができる「互助会」に入会を検討している人も多いのではないでしょうか。

互助会保証株式会社が公開しているデータによると、2020年3月末日現在の互助会の数は全国で245社、加入契約数の総数は2,270万件と推定されています。また、その前受金額は2兆4,733億円(推定)となっています。(※1( https://www.gojokaih.co.jp/industry-of-gojokai/gojokai-data/ ))

(※1)データで知る互助会( https://www.gojokaih.co.jp/industry-of-gojokai/gojokai-data/ ) 互助会保障株式会社

■そもそも互助会って?

お葬式の際によく耳にする「互助会」。正式には「冠婚葬祭互助会」といいます。結婚式や葬儀の代金を「掛金」として、分割・前払いしていくしくみ、というとイメージしやすいでしょうか。

この分割前払いを「積み立て」などと呼ぶケースも多いため、積み立て預金のような感覚で利用している人も多いかもしれませんが、あくまでも「代金の前払い」なので、利息がつくものではない点は注意が必要かもしれませんね。(※2( http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen260.html ))

(※2)「契約内容をよく確認 冠婚葬祭互助会の積み立て( http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen260.html )」独立行政法人国民生活センター

■葬儀時・解約時のトラブルも

互助会に関するトラブルの事例も報告されています。では、その一部をご紹介しましょう。

●「積み立て分」では足らなかった葬儀費用

「父は生前、『互助会に入って積み立てているから、俺の葬式代は心配するな』と言っていました。ところが…いざ亡くなったとき、葬儀会社から『この積立額では、最小限のお葬式しかできませんよ』と言われてびっくり。

結局、積み立てていた倍以上の金額を追加で支払うことに・・・。互助会に加入する際、せめて父に予算オーバーする可能性をきちんと説明してほしかったです」

●解約料なんて聞いてない・・・

「『互助会の契約を解約したい』と申し出たら、高額な解約料を請求されました。その額は、積立金の1割以上にもなるとのこと。

入会時、そんな説明を受けた記憶はありません。せめて、解約料を減額してほしいです」

●「宗派を間違えられた」

「父が亡くなったとき、母名義で加入していた互助会に葬式やお墓購入の手配をしてもらいました。しかし、あとになって我が家の宗派と異なっていたことが判明。葬儀代の返還を希望します」

●解約へのハードルが高い・・・。

「『母の冠婚葬祭互助会の契約の解約したい』と事業者に伝えたところ、『自宅に訪問しないと解約できない』と言われました。『母は老人ホームに入所している』と言ったところ、『では、戸籍謄本等の書面を提出してください』とのこと。解約のハードルが高すぎませんか?」

■思わぬトラブルを防ぐには?

こうみると、サービス内容や解約方法などで思わぬ落とし穴があることがうかがえます。こうしたトラブルを未然に防ぐにはどうすればいいのでしょうか。いくつかのポイントをおさえておきましょう。

●実際の「葬儀全体」にかかる費用をイメージしておく

積立金でカバーできない分は、自分たちで用意しなければなりません。とくに多いのは、『葬儀代以外の費用が予想以上にかかった』というケース。火葬場使用料や式場使用料だけでなく、飲食・返礼品費用、お布施などにかかる費用も確認しておきましょう。

また、地域によっては、相場より高い葬儀代がかかる場合があります。実家や義実家の地域性をチェックしておくと安心でしょう。

●加入プランを再確認する

すでに互助会を利用している人も、今一度加入プランを再確認してみましょう。「積立金の総額はいくらなのか」「解約時はどのような手続きが必要なのか」「満期の後に解約する場合も解約料が発生するのか」など、隅々まで目を通すことが大切です。不明な点があれば、担当者に問い合わせておきましょう。

●家族で契約内容を共有しておく

前述のように、いざ葬儀という段階になって『積み立てていた金額では足りない』ことが判るケースは珍しくありません。『葬儀代は自分で用意してあるから安心して』という言葉を鵜呑みにせず、具体的な契約内容は、家族で共有しておきましょう。

自分の理想の葬儀について、事前に伝えておくのもいいですね。

■さいごに

「家族に迷惑をかけないため」、と思って加入した互助会が、結果的にトラブルの原因になってしまった…という事態は避けたいもの。

年老いた親の前で、お葬式の話、しかもお金の話を出すのは気まずいな、と思うのは自然なことです。できるだけ、家族みんなが元気なうちに、契約内容などを共有しておくことをお勧めします。

葬儀に関する費用は、亡くなった時のタイミングによっても左右されます。なかには、「現役中に亡くなったので、仕事関係の参列者が多くなった」「年末年始に亡くなったため、一番費用がかかる火葬炉しか開いていなかった」といったケースも。

「互助会に加入しているから」と気を抜かず、予備費として現金を用意しておくと安心ですね。

【参考】
(※1)データで知る互助会( https://www.gojokaih.co.jp/industry-of-gojokai/gojokai-data/ ) 互助会保障株式会社
(※2「契約内容をよく確認 冠婚葬祭互助会の積み立て( http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen260.html )」 独立行政法人 国民生活センター
消費者生活相談データベース「相談内容」( http://datafile.kokusen.go.jp/index.html ) 独立行政法人国民生活センター

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