株価は今、バブルなのか? 4つの条件で株式市場を検証する


一部の銘柄はバブルの匂いが強く、市場全体としてもバブルか否かの判断は微妙である、と筆者(塚崎公義)は考えています。

■通常のバブルとは異なるが・・・

株価がファンダメンタルズから大きく乖離(かいり)しています。美人投票の世界である株式市場において金融緩和が相当大規模な株高をもたらしている、ということのようです。これはバブルなのでしょうか。難しい判断ですが、考えてみましょう。

ちなみに、一部の銘柄についてはバブルの匂いが強くしていますが、本稿の主要な関心は市場全体として、平均株価がバブルなのか否か、という点にあります。

通常のバブルは株価が高騰し、いつかは暴落するというものですが、今回はファンダメンタルズが暴落し、株価が高止まりしていることによる乖離です。

もう一つの違いは、仮に今がバブルであったとしても、株価が暴落しない可能性があることです。株価が高止まりしている間に景気が回復してファンダメンタルズが株価に追いつく可能性もあるからです。

そうは言っても、バブルである可能性はあるわけですから、考察してみることに意味はあるはずです。

参考1:日経平均株価の過去10年の推移

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出所:Yahoo!ファイナンス

参考2:NYダウの過去10年の推移

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出所:Yahoo!ファイナンス

■バブルには2種類ある

バブルというと、誰もが株価が高すぎると知りながらも、「明日は今日よりさらに値上がりするだろうから、今日買って明日売ろう」と考えた強欲な投資家たちが博打に興じている、というイメージを持っている人も多いでしょう。

もっとも、こうしたバブルは今ではほとんどありません。誰もがバブルだと知っているのであれば、政府や中央銀行がバブルを潰すからです。局所的なものとして、せいぜいビットコインがバブル的だった、といったことが例外的に起きているだけでしょう。

最近のバブルは、人々がバブルだと思っていないか、あるいはバブルか否か見極めが付かないけれども、後から考えるとバブルだった、というものです。こうした状況では人々が総じてハッピーなので、政府等がバブル潰しを行おうとすると「バブルだという証拠を示せ」と言われて、断行できないからです。

その意味では、元FRB議長であるグリーンスパン氏の名言、「バブルは崩壊して初めてバブルだとわかる」は最近のバブルの特徴をよく捉えたものだと言えるでしょう。

グリーンスパン氏に判断できないことを筆者ごときが判断しようとしていること自体が僭越ですが、せいぜい考えていることを記しますので、参考にしていただければ幸いです。

ちなみに筆者はバブルか否かの見当を付けるため、4つの条件を決めてそれに状況が適合しているか否かを考察することにしています。

■「今回だけは事情が違う」という人が出てくる

バブルの時には、「こんなに高いのはバブルでは?」という人が出てきて、「今回だけは事情が違うのだから心配無用」という人が出てきます。たとえば平成バブルの時には「日本経済は米国に勝った。世界一の国の株価が高いのは当然だ」と言われていたものです。

今次局面においては、何か特殊な事情があるわけではなく、「大胆な財政金融政策が続くに違いないから大丈夫だろう」といった平凡な理由が語られているので、その意味では第一の条件は満たしていないかもしれません。

巣ごもり銘柄、デジタル銘柄等々の一部の銘柄については「コロナで世界が変わるから」といった理由で買われている面があり、バブルの匂いを感じますが、平均株価に関しての匂いではなさそうです。

■株高なのに金融が緩和されている

通常、バブルの時には景気が良く、インフレになるので金融が引き締められてバブルが途中で崩壊するものですが、何らかの事情で金融引き締めが見送られるとバブルが拡大しかねません。

たとえば平成バブルの時にはプラザ合意に伴う円高で物価が安定していたため、景気は過熱しても金融は引き締められませんでした。

しかし今次局面は、そもそも景気が過熱とは正反対の状況ですので、第2の条件に当てはまるか否かのチェックをすること自体が的外れと言えるでしょう。

■初心者が大量に流入してくる

今まで株式投資に興味がなかった人が大量に市場に流れ込んできたら、要注意です。奥方(あるいはご主人)が井戸端会議で隣人の儲けた話を聞いて「株って簡単なんだ。私もやってみようかな」と言い始めたら、ご主人(あるいは奥方)は持っている株を全部売りましょう(笑)。

今回、日本では暴落時に口座数が増えたと聞きますが、そうであれば健全です。ただ、米国などではロビンフッドなるスマホのアプリを使って初心者が手数料無料で株式取引を始める事例も多いようですし、日本でも一部でそうした話は聞こえてきますので、第3の条件は少し要注意ですね。

■当事者は盛り上がり、部外者は醒めている

平成バブルの時は、日本国内が大変な盛り上がりであったのと対照的に、海外では醒めた眼で日本を見ていたようです。米国のITバブルの時も同様です。

今次局面では、株式市場の参加者は盛り上がっていますが、それ以外は醒めた眼で見ているようですので、第4の条件は当てはまっていると言えそうです。

■バブルだとしても、小遣いで遊ぶ分には構わない

今次局面がバブルか否かは、筆者の4条件に照らすと微妙な所です。特に一部の銘柄については、大事な生活資金等を株式投資に突っ込むのは止めておいた方が良さそうです。

もっとも、小遣いの範囲内でバクチを楽しむのであれば、バブルの時ほど楽しい時はありません。あくまでも小遣いの範囲の遊びと割り切って投資するならば、悪くないでしょう。

当然ですが、筆者は投資を勧めているわけではありませんので、投資する場合には自己責任でお願いしますね。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

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