韓国が孤立する? インド太平洋構想による対中国の多国間安全保障協力は進むか?


菅首相は就任後初めての訪問先であるベトナムのハノイで19日午前、グエン・スアン・フック首相と会談。両首相は、海洋進出を進める中国を念頭に防衛装備品・技術移転協定で合意し、「自由で開かれたインド太平洋構想」の実現へ向け協力を強化していくことで一致した。

20〜21日にはインドネシアを訪問してジョコ大統領と会談するが、やはり中国を念頭に安全保障協力を深めていくことで合意する予定だ。

■日米豪印による対中けん制の枠組みが進展

菅首相は安倍政権の継承を強調し、自由で開かれたインド太平洋構想を基に多国間安全保障協力を進めていきたい狙いがある。東京では日本、米国、オーストラリア、インドの4か国外相による安全保障会合「クアッド会議」が今月上旬に開催された。

そこでは米国のポンペオ国務長官が冒頭から、「共産党の搾取、腐敗、威圧からパートナーを守らなくてはならない」と習政権を強く非難するなど、クアッド会議はこれまでになく“対中けん制網”としての色合いが濃くなっている。

そして、新型コロナウイルスの感染拡大に加え、香港国家安全維持法や中印国境での衝突なども影響し、オーストラリアとインドがこれまでになく反中包囲網で米国に接近するなど、クアッド会議は多国間安全保障協力の様相を呈してきている。

これまでの米国を中心とするハブ・アンド・スポーク型の安全保障体制では中国の海洋覇権は止められないとの声も上がるなか、米国にはクアッド会議を軸としてインド太平洋地域で多国間安全保障協力を深めていきたい狙いがある。

■多国間安全保障協力が進むと韓国の孤立が深まる?

自由で開かれたインド太平洋構想に興味を示しているのは、日米豪印の4カ国だけではない。

ベトナムやインドネシアだけでなく、南シナ海問題で中国と対立するフィリピンやマレーシア、ニュージーランド、そして南太平洋やインド洋に海外領土を持つフランスや英国、最近ではドイツのメルケル首相も強い関心を抱いている。

各国とも中国との経済関係があることから、インド太平洋構想に基づく多国間安全保障協力がどこまで、どのように進んでいくかは不透明であるが、同協力の発展によってASEANの一体性が揺らぐとの見方もある。

ASEANではラオスやカンボジア、ミャンマーなどは中国と深い経済関係にあり、ベトナムやフィリピンのような立場は避けたいのが本音だ。米中対立はASEANを二分させるのだろうか。

また、今後米国の同盟国である韓国がどうクアッドに関与するかが注目される。

現在、米韓関係は非常に冷え込み、トランプ政権の韓国を見る目も冷めている。このままの状態で多国間安全保障協力なるものが進めば、韓国がいっそう孤立することは明白だ。

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