【お悩み別】介護施設・老人ホーム、結局どこを選べばいいの?


実に種類が多い、高齢者向けの施設。

「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」など、名称は聞いたことがあるけれど、一体どんな違いがあるの?と思っている人は少なくないと思います。

「在宅での介護はそろそろ限界かな?」「ひとり暮らしの親が心配…」などと思っても、どの施設を選んだら良いのか分からなくては困ってしまいますよね。

そこで本記事では、事例別(お悩み別)に、おすすめの施設のタイプを解説していきます。

■介護施設・老人ホームにはどんな種類があるの?

さいしょに、介護施設・老人ホームにはどのような種類があるかをかんたんに整理しておきましょう。

●「自立度」が高い人が対象

  • ケアハウス(一般型・介護型)
  • シルバーハウジング
  • 自立型有料老人ホーム(健康型・住宅型)(※1( https://www.yurokyo.or.jp/kakodata/information/pdf/20180325_03.pdf ))
  • サービス付き高齢者向け住宅(一般型)(※2( https://www.mlit.go.jp/common/001278965.pdf ))

●「介護度」が高い人が対象

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
  • 介護付き有料老人ホーム(介護専用型)(※1( https://www.yurokyo.or.jp/kakodata/information/pdf/20180325_03.pdf )) 
  • サービス付き高齢者向け住宅(介護型)(※2( https://www.mlit.go.jp/common/001278965.pdf ))
  • 認知症高齢者グループホーム

■「こんな場合は、どの施設?」

ここからは、各ご家庭のお悩みごとにフィットした施設例をご紹介しながら、必要となる費用の目安などについても触れていきます。

※入居金や月額料金などはあくまでも目安となります。

●ケース@ 75歳、支援・介護は不要

Aさん

「現在75歳の母は一人暮らし。1人でできることも多く自立しているが、自分を含む子どもたちが遠くに住んでいるため、そろそろ施設入所を検討したい!」

おすすめの施設例は…
シルバーハウジング

<特徴>
居室はバリアフリー化されており、緊急通報システムも設置。家事支援、介護サービスなどの提供がないため入居費用が安い。
(※必要であれば外部の事業者による介護サービスを受けられる)

<支援内容>
安否確認、緊急時対応等のサービス提供など
(生活援助員が平日の日中に常駐)

<入居対象>
自立〜要介護(軽度)

<年齢>
60歳以上の高齢者または夫婦のどちらかが60歳以上(夫婦入居可)

※所得制限あり。持ち家がある人は入居できないなどの条件もある

<入居金>
10万円〜30万円

<月額料金>
5万円〜15万円

●ケースA 70歳、要介護1

Bさん

「現在70歳の父(要介護1)は一人暮らし。最近は食事の世話などが必要になってきているが、自立度は高い。とはいえ、一人にしておくのも心配・・・。健康で自立しているうちから入居できて、今後、介護もしてもらえる施設があれば知りたい!」

おすすめの施設例は…
ケアハウス(介護型)

<特徴>
有料老人ホームなどより安価。
「特定施設」の指定を受けており、介護や医療支援も受けられる。

※介護度が高くなっても住み続けられる

<支援内容>
掃除、洗濯、買い物
食事、入浴、排せつ介助
食事サービス、健康相談、服薬管理など

<入居対象>
要支援〜要介護1.2

<年齢>
原則65歳以上

※自分の身の回りの世話が可能な人など、地域によって条件あり

<入居金>
0円〜数百万円

<月額料金>
16万円〜20万円(所得に応じて)

●ケースB 83歳 要介護4、寝たきり

Cさん

「現在83歳の祖母(要介護4)はほぼ寝たきりで、常時介護が必要。母が面倒をみているが、かなり疲れている様子。ほかの家族も仕事で介護できないため、今後施設入所を検討したい」

おすすめの施設例は…
特別養護老人ホーム

<特徴>
「住まい」としての性質が強く、看取りも可能。
定員が2人以上の多床室、10人ほどの生活単位ごとに共用スペースが併設されるユニット型個室などがある。

<支援内容>
食事・入浴・排泄介助、健康管理、服薬管理など

※医療的なケアやサービスにはあまり重点が置かれていない

<入居対象>
要介護3以上

<年齢>
原則65歳以上(※40歳〜64歳で特定疾病が認められた要介護3以上の人も可)

<入居金>
なし

<月額料金>
5万円〜15万円(所得に応じて)

※特養は人気のため、入所が順番待ちになることがある

●ケースC 73歳 「脳梗塞で入院中」退院後にリハビリが必要

Dさん

「現在73歳の父は、脳梗塞を発症し入院中だが、病状も安定し退院が決まった。しかし、片麻痺などがありまだまだリハビリが必要な状態。家では生活できないし、退院後しばらく、施設入所を検討したい!」

おすすめの施設例は…
介護老人保健施設

<特徴>
病院でケガや病気の治療は終えたものの、すぐに自宅で生活できない人などが入所。
制度上、退院後の生活復帰に向けた施設に位置付けられ、入所期間は原則3か月〜6か月。

<支援内容>
食事の提供、入浴介助
医師や看護師による医学的ケア(常勤)
理学療法士、作業療法士によるリハビリなど

<入居対象>
要介護1以上

<年齢>
原則65歳以上

<入居金>
なし

<月額料金>
6万円〜16万円(所得に応じて)

●ケースD 75歳 心臓病、看護・介護が必要

Eさん

「現在75歳の父は、心臓病を患っている。病院治療は一応終了したが、安定期に入ってからも、看護や介護が長期にわたって必要なため、施設入所を検討したい!」

おすすめの施設例は…
介護医療院

<特徴>
要介護の高齢患者に、医療や介護だけでなく、生活の場も提供することを目的。
長期的な医療と介護を必要とする人が対象。

<支援内容>
経管栄養、痰の吸引、急変時対応
ターミナルケア、食事介助や入浴介助など

<入居対象>
要介護1以上

<年齢>
原則65歳以上

<入居金>
なし

<月額料金>
7万円〜17万円(所得に応じて)

●ケースE 77歳 認知症、徘徊で家族が疲弊

Fさん

「現在77歳の母は2年前に認知症の診断を受けた。最近では徘徊などもあり、介護をするのが困難な状況に。できるだけ家でお世話してあげたいが、介護疲れもあり限界なので、そろそろ施設入所を検討したい!」

おすすめの施設例は…
認知症高齢者グループホーム

<特徴>
家庭的な環境の中で認知症の進行を穏やかにしつつ、能力の維持を図ることを目的とする。
ひとつの共同生活住居(ユニット)に5〜9人の高齢者がおり、なじみの関係の中で生活。
日中帯はユニットごとに3:1以上の職員配置が定められており、手厚い介助を受けられる。

<支援内容>
食事の提供や介助、入浴介助、排泄介助など

※医師との連携や看護師の配置が義務ではないため、医療的支援は薄い

<入居対象>
要支援2以上
認知症の診断を受けている人のみ

<年齢>
原則65歳以上

<入居金>
0円〜数百万円

<月額料金>
12万円〜40万円

■さいごに

今回ご紹介した以外にも、シニア向け分譲マンションやシニア向け住宅など、近年多くの高齢者向け住宅や施設があります。

できるだけ入居者の生活様式や症状などにあった施設を選び、在宅生活と近い状態で暮らしを維持できたり、サポートを受けられたりすることが望ましいです。

「いざというとき」は突然やってきます。日頃から近隣の施設状況をチェックしておくことをおすすめします。

【参考】
※1「有料老人ホームの類型・表示事項(2018年)( https://www.yurokyo.or.jp/kakodata/information/pdf/20180325_03.pdf )」厚生労働省
※2「サービス付き高齢者向け住宅の現状と課題(2019年)( https://www.mlit.go.jp/common/001278965.pdf )」国土交通省

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