理由は「経済的DVとモラハラ」妻から突然の離婚要求。年収1000万円夫の反論とは


「うまくやっていると思っていた。」「この先もずっと一緒に生きていくと思っていた。」そんな夫が、ある日突然、妻が離婚を要求される…。

よく聞く話ですが、妻がそう言いだすまでには、夫に対する積年の恨みつらみを募らせて…というケースが多いよう。今回は、妻にいきなり離婚を宣告されたある男性のエピソードを紹介していきましょう。

■夫にとって、それは『ある日突然』の出来事だった。

Aさん(50歳)は、某大手企業に勤務するサラリーマン。勤続年数は30年を超え、それなりの役職についています。年収は1000万円。2人の子供は、それぞれに就職をきっかけに家を出てしまい、ここ1年ほどは、3歳年下の妻と二人で生活していました。

ある日のことです。Aさんが家に帰ると、妻が家にいません。「そういえば、ここ半年ほど、子供のところや実家によく出かけてたな…。」ということを、ふと思いだし、「主婦のくせに家を空けるなんて、どうしようもないな。帰ってきたら、びしっと言っておかないと。」と思いつつも、その夜は放っておくことにしたのです。

すると翌日、ある弁護士事務所の弁護士から自分あての内容証明郵便が届きました。中身は『受任通知』。妻がAさんとの離婚を希望し、離婚調停の申し立てのために、弁護士に代理人を依頼したということが書かれていました。理由は経済的DVとモラハラ。しかも、離婚の条件として、財産分与だけでなく慰謝料を要求するとも…。

Aさんは、驚きました。「なぜ急に?しかも経済的DVとモラハラ?俺が?」

■離婚調停で伝えられたことは

突然妻から突き付けられた離婚宣告に、最初は頭が真っ白になってしまったAさん。受任通知を受け取ってから、何度か妻に連絡を取ろうと試みましたが、弁護士のほうから連絡が来て、「奥様は直接会うのを拒んでいる。連絡があるなら、代理人である弁護士を通してほしい。また、無理に直接会おうとすると、離婚調停で不利になることもあります。」と言われ、妻と直接話すことはあきらめ、離婚調停に臨むこととなりました。

離婚調停では、妻側の主張として、以下のことが伝えられました。

・結婚以来、「家事はお前の役目」と言って手をだそうともしなかった。それどころか体調が悪くてスーパーのお惣菜を夕食に出したときに、「手抜きだ」と舌打ちをされた。体調が悪いと言い訳すると、心配するどころか「体調管理がなっていない」と小言を言われた。

・ゴキブリが出たときに「ゴキブリが出るくらい家が汚れていても平気なのか」と妻を罵倒した。

・家具や家電を買うときに、長持ちするようにと高くてもいいものを選ぼうとすると、いつも「俺の金で贅沢して」と言われた。何か買おうとするたびに「俺の金」を連呼されるので、洋服や靴ひとつ買うにもいつも気を遣った。

・自由に使えるお金が欲しいと思い、仕事を探したこともあるが、「俺の稼ぎで生活ができないのか」「家のこともまともにできないくせに」などと反対され、結局働くことはできなかった。

・子どもの習い事や親戚づきあいなどで費用がかさみ、Aさんがいれてくれた生活費では足りないときが時々あったが、「足りない」と言うと、家計簿やレシートをチェックされ、無駄遣いを細かく指摘されるだけで、増額はしてくれなかった。

上記のような暴言や妻への気遣いのなさは「モラハラ」、お金を自由に使わせない、十分な生活費を渡さなかったところは「経済的DV」だというのです。

しかし、Aさんは、理由を聞いても納得がいきませんでした。なぜなら、家事育児に手を出さなかったのは、仕事の多忙さ故。妻が主張する「モラハラ」は、Aさんにとっては、ちょっと注意をしただけのこと。妻をたしなめるのに、多少きついことを言ったかもしれないが、そんなのは家族だし、許される範疇じゃないのか?それに、経済的に苦しめられたなんて言っているけれど、子供たちは人並みに学校にも塾にも通えていただろう?

多少の文句も言ったかもしれないが、必要なお金はちゃんと出した。家計簿やレシートをチェックしたのは、翌月からのお金の使い方に気をつけてもらおうと思ってしたこと。働かせなかったのは、自分に十分な収入もあるのに、家のことがおろそかにしてまで働く必要があるのかと思ったから。被害妄想も甚だしいとしか言いようがない…。

■弁護士から言われて

1回目の離婚調停を終え、Aさんは、妻の言い分である「経済的DV」「モラハラ」をぜひとも撤回してほしいと思いました。自分も弁護士をつけ、妻の言い分に徹底的に反論してやろうと考えたのです。

しかし、そんなAさんに弁護士はいいました。「Aさん、悔しいでしょうが、離婚調停というのは、離婚に関する方針を決定していく場です。奥様が主張している細かなことを『モラハラ』なのか『経済的DV』にあたるのかをいちいち議論するような場ではありません。問題になるのは、奥様があげた事実が、結婚生活を継続していくうえで妨げになるようなことかどうか。『モラハラ夫』や『経済的DV夫』の汚名を返上したいのは山々でしょうが、ここは、冷静に反論し、認めるものは認めて、Aさんに一方的に不利な条件で決着しないような解決を目指すことをおすすめします。」

■離婚に向けて動き出すことに

結局、Aさんは、離婚には同意しつつも、慰謝料や財産分与の額を調整するということで離婚調停を進めていくことにしたそう。

Aさんは話します。

「やっぱり納得なんてしていません。弁護士に乗せられてやっているんじゃないかと思うこともあります。ただ、ここまでの手段に出たのですから、妻がそれなりの精神的苦痛を受けていたのは事実で、相当な覚悟でやっていることなんでしょう。離婚はやむなしの状態ですが、あまりに妻に有利な条件で離婚するのは、『モラハラ夫』『経済的DV夫』のレッテルを全面的に認めるようなものですから、そこだけはなんとかしようかと…。ただ、これ以上長引いて泥沼化するのは避けたいですね。すでに何度も休んで仕事への影響も出ていますし、婚姻費用の支払いと弁護士費用でお金もかさみます。裁判まではしたくないですね…。」

直接話し合うことが難しくなってしまった今、自分の言動が妻にとって、どれほどの精神的苦痛を与えていたのかは、Aさんは想像するしかありません。ただ、夫婦といえども、何をやっても許されるというわけではなく、近しいからこそ、ふだんから思いやりと気遣いをもって接していくことが大切ということなのかもしれませんね…。

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