定年が近づき老後のお金が不安な50代、3人の焦りとその解決策


「老後の2,000万円問題」が話題になったり、「老後破綻」という言葉が流行ったりしたことで老後への不安が大きくなったという人もいるのではないでしょうか。

年金がもらえないかもしれない、年金だけでは足りないかもしれない、という危機感は誰もが抱いているもの。特に50代、60代になると老後生活がリアルに近づいてきて、焦る人が多いかもしれません。今回は、そうした不安を抱いている3人に話を聞いてみました。

■50代から貯金しても老後2,000万円に達しない!?

「今からやっと将来に向けた貯金ができるけれど、50歳から老後の貯金を始めて間に合うのか不安」と話すのは、東北地方に住む50代のAさんです。

「子どもが2人いて、その教育資金で家計はギリギリ。2人とも大学卒業を迎えたときには私も妻も50代。もっと産むのが遅かったら、と思うとぞっとする。でも、いまから貯金をしても2,000万円貯まるのかわからない」と嘆きます。

「老後2,000万円問題が騒がれたとき、私たち夫婦も当然他人事ではなかった。地方だからそこまで収入も多くないし、生活費を払いながら貯めていくのには限界がある。妻は子どもが生まれてからずっとパートで、自分もこれから収入が上がる見込みがあるわけではないし、不安が募る一方」と話します。

Aさんは同僚のアドバイスを受け、50代に突入するぎりぎり手前でiDeCo(イデコ)を始めたとのこと。「50代ではもうiDeCoを始めるのは遅いと思っていたけれど、同じ年の同僚が始めたというので自分もやり始めてみた」のだそう。

「調べてみると、掛け金の積み立てができる上限年齢が60歳から65歳に引き上げられることになるというし、そうすれば50歳からでも15年ある。それに、少しずつであっても節税しながら将来のお金を貯めることができる。節税効果を得られるのは5年でも10年でもありがたいから始めてみようと思った」と話します。

現状、iDeCoに加入できるのは20歳以上60歳未満の人ですが、2022年5月以降は上限年齢が5年延び、65歳未満になります。Aさんが言うように、50代で始めても節税の恩恵は受けられます。「2,000万円に到達しなさそうだから」とはなから諦めず、老後資金を貯めることを真剣に考えてみましょう。

■病気になったりケガをしたりしたときの余裕資金がない

「自分が病気になったり、ケガをしたときの対策ができていない」と話すのは、関東近郊に住む50代のBさんです。「夫の保険嫌いのせいで、保険にあまり加入してこなかった。若いうちはそれでもよかったかもしれないけれど、これからは病気やケガのリスクも高まってしまう。そういうときにどう対処していくのかを全く考えてこなかった」と話します。

「子どもを産んだのが若いときだったから、2人の息子もすでに社会人。自分も派遣社員として働いていて、とりあえず今後は貯金をしっかりしていくつもり」というBさん。

「夫と話して、保険加入も視野に入れている。ガンとか高額医療が必要な病気になったらというのも考えつつ、無駄な保険には加入しないというのを原則にしたい。息子たちは既に働いていて、この先、親のどちらかに万が一のことがあっても急に生活費に困るということはないから、とにかく受け取る保険金と支払う保険料のバランスを考慮して保険を選ぶつもり」とのこと。

厚生労働省の人口動態統計による全国がん死亡データによると、男女ともに60代以降でがん死亡率は上昇します。お金がなくて希望の治療が受けられないということのないよう、がん保険で備えたいと思う人も多いでしょう。

ただ、老後資金を貯めることも大事なので、Bさんの言う通り受け取る保険金額と支払う保険料のバランスを考慮して商品を検討することが必要です。

■晩婚で子どもの教育費が定年後まで響く

「子どもの教育費のことまで考えていなかったから、今さら早く子どもを産まなかったことを後悔している」と話すのは、首都圏で暮らす50代のCさんです。

「40代に入る直前に結婚して超高齢出産だった。私が39歳、夫が43歳のときに第一子が、私が41歳、夫が45歳のときに第二子が生まれた。だから夫が定年になる60歳のとき第二子は15歳。子どもたちにお金がかかるタイミングで夫が定年を迎えるのでどうしようかと思っている」と話します。

たしかに、最も多く教育資金が必要になるのは大学入学時。小学校から高校までの間にしっかりお金を貯めておいて、大学入学に備えるというのが王道かもしれませんが、出産時期が遅いとCさん夫婦のように子どもの大学受験前に定年を迎えるというパターンもありえます。

Cさんの場合、出産するまではキャリアウーマンとして働いており、夫にも十分な収入があるため、早めに育休から復帰して収入を確保し、上手に節約しながら老後資金も貯めていけばそこまで苦しい展開にはならないでしょう。

「夫とも相談して、定年後は嘱託社員になってしまうけれどできるだけ定年後も働き続けてもらうことにしている。私自身も、子どもがいても管理職を目指して少しでも給料を上げることを意識しているし、2人で節約するという意識を持って取り組もうと思っている」とのこと。

いまは定年後も働ける環境が整ってきていますから、夫婦ともにできるだけ長く働いて収入を得る期間を延ばすということが大切ですね。

■おわりに

老後、自分が何歳まで生きるかわかりません。また、家族に何が起きるかもわかりませんから、どんなにお金があっても不安は尽きないものです。幸せな老後生活を送れるよう今からしっかり準備をしておきましょう。

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