シングル女性が老後資金を貯めるのは大変!? 今からできる3つのこと


一昨年来、「老後資金2,000万円」という具体的な金額を突きつけられ、多くの人が不安を抱いています。また、コロナ禍での経済停滞が将来への懸念を増幅させているものの、日々の生活に追われながら貯蓄するのは容易ではありません。

今回はシングル女性の平均貯蓄額をチェックするとともに、老後資金の確保に向けたポイントや、今から着手しやすい貯蓄方法などについて考えていきましょう。

■シングル女性の貯蓄額はどのくらいある?

まず、ほかの人が現在どのくらい貯蓄しているのかを、直近データである総務省統計局の「2016年全国消費実態調査」をもとに単身世帯で見てみます。シングル女性の貯蓄現在高の平均値は40歳未満では264万円なものの、40歳代になると959万円と大幅に増加します。

次に、全年代におけるシングル女性の平均貯蓄額を見ると、1,279万円とかなり多めです。ただ、平均値は特別な富裕層の貯蓄額に影響されていることを考慮する必要があり、実際のところ平均値を下回る人が実に6割以上いるのです。

そこで、一般世帯の実態を把握しやすい中央値(低い世帯から高い世帯へと並べ中央に当たる世帯の数字)で確認してみると、679万円とだいぶ低くなります。貯蓄額が多そうな60〜70代も含んだ数字なので、女性単身世帯が2,000万円の老後資金を貯めるのがいかに大変なのかがうかがえます。

■1. 大事なのはお金を「見える化」すること

お金を貯めるには固定費の見直しや副業、投資といったやり方もありますが、今回は定期的に貯蓄し資産形成につなげることにポイントを置いて提案します。どのようにして老後資金を貯めていくのか、今からでも可能な基本の基からあらためて考えていきましょう。

まず大事な第一歩は、お金を「見える化」することです。そのためには、「予算以上に使えない仕組み」をつくることが必要といえます。

有効といわれているのが「先取り貯金」で、給与生活者であれば誰でもすぐに着手できます。

給料が振り込まれたら、あらかじめ決めておいた金額を先に引き出し、貯金用の口座に移します。振込口座に残った金額から生活費を引き出してやりくりするようにすれば、貯金に手をつけずに済みます。口座間の資金移動もオンラインでできてしまう時代なので、ぜひ活用してみてください。

口座にある生活費の減り具合が「見える化」されれば、支出を引き締めざるを得なくなり、無駄なお金を使わない習慣がつきます。余ったお金を貯金しようとしてもなかなか難しいため、まずは生活資金用と貯蓄用の口座を分けておくことがポイントとなります。一方で貯蓄分も「見える化」されるので、モチベーションが上がっていくはずです。

■2. 毎月一定金額を積み立て、自動的に貯める

自分の意志が弱く「先取り貯金」に自信がないという人には、毎月積み立て式に自動で貯まる「自動積立定期預金」がおすすめです。

決まった日に普通預金口座から一定預金を自動振替し目標額を目指す定期預金で、まとまった資金を確保するための貯蓄にも向いています。高金利も魅力の一つで、現在の普通預金金利が0.001%程度と低い中で、その20倍あるいはそれ以上の金利が付くケースもあります。以下は参考例です。

●積立式定期預金の金利参考例(詳細は各金融機関のサイトをご確認ください)

  • イオン銀行 積立式定期預金:年0.02%(税引き前、2021年1月10日現在)
  • あおぞら銀行 BANKアプリ限定貯蓄預金:年0.2%(税引き前、2021年1月4日現在、アプリ限定)
  • SBJ銀行(SHINHAN BANK JAPAN) 定期積金:年0.03〜0.15%(税引き前、2020年8月5日現在、期間によって金利が異なる)

また、勤務先が導入していれば、毎月給料から一定額が天引きされ定期預金に積み立てられていく財形貯蓄も活用度が高いでしょう。多目的に自由に使える「一般財形貯蓄」を選ぶと、1年経過後は払い戻しも可能です。

将来の年金に上乗せして老後資金を補填するには、私的年金も頼りになります。生命保険会社の個人年金保険は毎月一定金額を支払い、契約時に決めた年齢になると受け取れるもので、口座振替にすれば確実に貯蓄できます。

一般的に、投資信託の売却益や定期預金の利息など運用で増えた利益(運用益)には、所得税や住民税などの税金がかかります。ところが運用益に税金がかからず、効率的に貯蓄できるという点で人気なのが、私的年金のひとつで個人型確定拠出年金の「iDeCo」(イデコ)です。

iDeCoは掛金を自分で設定して毎月積み立て、あらかじめ用意された金融商品を自ら運用する仕組みです。運用といっても、投資信託のほかに、定期預金や保険といった元本確保型の商品もあります。

運用益が非課税なのでその分受け取る年金額が増えるほか、掛金全額が所得控除になり所得税や住民税が軽減される、受け取る時も控除の対象になるといったメリットもあります。ただ長期運用が前提のため、原則60歳になるまでは引き出すことができません。

■3. アプリを活用してモチベーションアップ!

貯蓄することは大切ですが、それによって日々の生活が辛くなってしまうと長続きしません。老後資金というだけでなく、何年後にいくら貯め、何に使うのかという目標を立ててモチベーションを持ち続けることも大切です。

頑張る気持ちを維持できるという点では、貯金アプリやおつりアプリなどを活用するとゲーム感覚で楽しく貯めることができるかもしれません。

貯金アプリは、アプリ連携させた銀行の預金口座にお金を積み立てていく仕組みです。最初に金額や引き落とすタイミングなどの条件を決めておけば、アプリに自動的に貯まっていきます。

引き落としは毎日や毎週、毎月など決まったタイミングだけでなく、1日1,000歩を達成したらいくらというように、自分でルールを設定できます。いつでもアプリで貯蓄額を確認できるため、やる気にもつながりそうです。

おつり貯金も、チャージ先のクレジトカードや銀行口座をアプリに紐付けておくものです。あらかじめ支払額を500円や1,000円に設定しておき、もし350円の商品を購入した時は差額の150円や650円が自動的にアプリに貯まる仕組みです。意識しないうちに自動的に貯まっていくワクワク感を味わえるのではないでしょうか。

■老後資金は計画的に貯めることが大事

高齢化社会が深刻な日本では、今後年金額の引き下げや支給開始年齢の引き上げなども考えられます。これまで以上に備えが必要になりますが、余裕のある老後を過ごすためにはリスクなく計画的に貯めていくことがポイントといえます。

ただ、年金受給が始まるゴールはかなり遠いため、息切れしないように無理のない範囲で貯蓄するようにしましょう。今の年齢でしかやれないこともあるので、日々の生活を楽しみながら、心身の健康を第一に考えて継続していただければと思います。

●参考資料

  • 「平成26年全国消費実態調査単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果( http://www.stat.go.jp/data/zensho/2014/pdf/gaiyo2.pdf )」(総務省統計局)
  • 「iDeCo公式サイト( https://www.ideco-koushiki.jp/guide/good.html )」(国民年金基金連合会)
  • 「SBJ銀行の特典付定期積金( https://www.sbjbank.co.jp/individual/pdf/yen/fixed_deposit/best/best_flyer.pdf )」(SBJ銀行)
  • 「おつり貯金アプリ Siratama( https://sirata.ma/ )」(しらたまサイト)

関連記事(外部サイト)