中学受験すると進学後の学費は「公立の3倍」かかる、は本当か


育児が一段落したら、次にやってくるのが教育費の問題です。公立と私立では学費が違うため、進学コースによっては教育費に大きく差が出ます。特に中学受験は最初の岐路となる場合も多く、進学後の学費だけでなく、小学校からの塾代も考えなければなりません。

そこで中学受験コースを考える際の参考として、受験のための塾代と進学後の学費の目安をご紹介します。費用と効果の両面から中学受験の意義を考えてみてくださいね。

■中学受験ための塾代はいくら?

中学受験を考えている人のほとんどは小学生から塾に通います。そこで、小学校4年から塾に通った場合の大手中学受験塾の費用をご紹介します。

●SAPIX

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SAPIXの資料を元に筆者作成

●日能研

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日能研の資料を元に筆者作成

●早稲田アカデミー

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早稲田アカデミーの資料を元に筆者作成

●四谷大塚

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四谷大塚の資料を元に筆者作成

この金額は授業料のみの金額なので、この他に夏期講習や冬期講習などの講習費用、テスト代、教材費など、年間20万〜30万円程度をプラスした金額を想定しておきましょう。6年生の1年間だけでも60万〜120万円程度の費用がかかることになります。

■私立中学に進学した場合の費用はいくら?

晴れて合格し、私立中学に進学した場合の学費はどの程度かかるのでしょうか。文部科学省の「子供の学習費調査(平成30年度)」( https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf )によると、私立中学に進学した場合の1年間の学習費の総額(※1)は140万6,433円となっています。公立中学の場合は48万8,397円となり、私立に進学すると公立のおよそ3倍学費がかかることがわかります。

※1学習費の総額とは、学校教育費(授業料など学校に納める費用)、学校給食費、学校外活動費(学習塾、習い事などの費用)を合計したもの

●中学校の学習費総額(1年間)

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出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」を元に筆者作成

この金額は1年間なので、3年間にすると私立中学の場合およそ420万円となります。私立中学の場合、多くが中高一貫校であるため、高校を含めた6年間で考えた方がよいでしょう。先ほどの文部科学省の「子供の学習費調査(平成30年度)」の高等学校の学習費総額も見てみましょう。私立の高等学校の1年間の学習費総額は約97万円となり、公立のおよそ2倍となっています。

●高等学校(全日制)の学習費総額(1年間)

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出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」を元に筆者作成

中学から私立に進学した場合、高校までの6年間で学習費総額はおよそ700万円となります。ただし、高等学校の場合は2020年4月から私立高校授業料実質無償化がスタートしているので、対象となれば、授業料が実質無償(所得要件あり)となります。

■私立高校授業料実質無償化とは

ここで私立高校授業料無償化について説明しておきましょう。
もともと公立私立を問わず、年収約910万円(目安)未満の世帯の生徒を対象とする「高等学校等就学支援金制度」という国の制度があり、これによって、公立高校の授業料相当額(年11万8,800円)が支給され、公立高校は授業料が無償となっています。

しかし、授業料の高い私立高校は支給額を超えた分は各家庭で負担しなければなりませんでした。そこで2020年4月から私立高校に通う生徒を対象に、年収約590万円(目安)未満の世帯の生徒の支給上限額を39万6,000円に上げることで支援を手厚くしています。

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出典:文部科学省「私立高校実質無償化リーフレット」

さらに、各都道府県が独自に支援する上積み制度もあるため、要件に適合すれば、私立高校の授業料も実質無償化となります。東京都の場合は、年収約910万円(目安)未満の世帯を対象に46万1,000円(全日制・定時制)まで支援があります。(※2)

※2国の支援の年収590万円を超えていても年収910万円未満であれば、都から46万1,000円までの支援があります。

■まとめ

東京都の場合、年収約910万円未満(目安)であれば、高校の授業料が実質無償となるので、3年間で138万3,000円軽減できます。しかし、中学受験を考えているご家庭は、所得の基準を超えており、実際には利用できないケースが多々あるのではないでしょうか。また、支援が受けられても、学費は授業料だけではありません。入学金、施設費、PTA会費、制服代、教材費など、年間20万〜30万円程度は授業料以外に必要です。

中学校の3年間は授業料は無償にならないので、最初の3年間は特に教育費を多く見積もっておく必要があります。小学校からの塾代も含めて、私立中高一貫校に進学した場合、トータルで800万〜1,000万円程度かかると考えておくとよいでしょう。果たして、この金額に見合う成果を得られるのか、お子さんの性格や特性を考慮した上で、進学について考えてみてほしいと思います。

●参考資料

  • 「平成30年度子供の学習費調査の結果について」文部科学省( https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf )
  • 「私立高等学校等授業料軽減助成金事業」東京都私学財団( http://www.shigaku-tokyo.or.jp/pa_jugyoryo.html )
  • 「令和2年度 都内私立中学校の学費の状況」東京都( https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/12/11/04.html#tmp_header )
  • 「高等学校等就学支援金制度」文部科学省( https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.htm )
  • SAPIX小学部 | FAQ よくあるご質問( https://www.sapientica.com/faq/ )
  • 通い始める前に | 日能研まるわかりガイド | 中学受験−小学生のための中学受験塾。日能研( https://www.nichinoken.co.jp/guide/before/05.html )
  • 費用のご案内 | 進学塾・学習塾なら早稲田アカデミー( https://www.waseda-ac.co.jp/cost/ )
  • 受講料|入塾案内|中学受験の四谷大塚( https://www.yotsuyaotsuka.com/school/yotsuya_fee_new.php )

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