「イーロン・マスクになったつもりで」倒産の危機を救った鈴木啓太の思考術

現役時代は浦和レッドダイヤモンズに在籍し、日本代表ではMFとして活躍した鈴木啓太氏。現役引退後はAuB株式会社を立ち上げ、アスリートの腸内環境を研究し、一般の方々にも取り入れやすい形でそれを提供しています。現在は順調に実績を伸ばしていますが、過去にはあと2か月で倒産する、という崖っぷちを経験しているという。その危機をどう回避したのか、そして今後の展望についてお聞きしました。

■倒産の危機を救った業界用語とイーロン・マスク

新保 今は発売からわずか9か月で、1万個を売り上げるサプリを開発するなど、知名度もどんどん高くなっていて、経営も順調そのものなAuB株式会社ですが、一時期は経営の危機があったとか……?

鈴木 あと2か月で資金が底をつく、ということがありましたね。あのとき、知り合いのある方に相談したんですけど、その方が僕に会うなり「お前ひどい顔してるな」って。そりゃそうですよね、資金調達するためにさまざまな企業にプレゼンに行ってるのに、色よい返事がもらえたらいいですけど、このままだともう少しで会社が潰れちゃう、ってときなんですから(笑)。そこで「うまくいかないんです」ってことを説明したら、「お前、タルメンがちゃいちーだな」って言われたんですよ。

新保 え? タルメンがちゃいちー?? 業界用語???(笑)

▲タルメンがちゃいちー??

鈴木 はい。メンタルが小せえなってことなんですけど、そのときは“この人、ふざけてる場合かよ。大変なんだよ、こっちは!”と思って(笑)。でも、そこから僕の話を詳しく聞いてくれて、その人は「大丈夫だよ」って。そしたら、もう1人その場にいた方、その方もビジネスで成功されている方なんですけど、「そんなにいろいろ考えてるんだったら大丈夫だよ」って言ってくださって。“なんだよこの人も”って思ったんですが、そこで自分が本当に酷い顔してることに気づいて。

新保 そんな状況なら、そういう顔になっちゃいますよね。

鈴木 はい。でも、こんな顔してるやつがプレゼンしても、どんなに内容が良くても、取引相手は信用できないだろうなって思いました。

新保 たしかに!

鈴木 あと、そんなにいろいろ考えてるなら、それを全部行動に変えなさいってことを言いたかったみたいなんです。悩みも“プレゼンした資料に先方からダメだしされたんですが、それをどう直せばいいですか?”みたいな悩みだったら良いけど、ただ漠然と悩んでても時間の無駄だよって。

新保 なるほど、どうせ悩むなら、建設的に悩めってことですね。

鈴木 はい。そもそも、その人たちは僕に上手にできることを求めてない、小さくまとまるな、自分がイーロン・マスクになったつもりでやってみろって。そこからすぐに片っ端から企業にアポを取ってプレゼンして、本当ギリギリのところで決まったってだけの話なんです。たぶん、自分の持つ能力は変わってない。心の持ち方が変わったときに景色が変わった、そんな感じですね。

新保 「ニュースクランチ」は、鈴木さんと同年代のビジネスマンの方がよく読まれているので、その心の持ち方は参考になると思います。

鈴木 万人に当てはまるか、というとそうじゃないかもしれません。ただ、みんな頑張ってるのは一緒じゃないですか。頑張ってるのはわかるけど、つらそうな表情をしている人にお金を賭したいかというと、またそれは別の話。

新保 そうですね。「大丈夫」と言っていた先輩の方々は、その後なんと言ってましたか?

鈴木 「そうだろ?」くらいの軽い感じです(笑)。でも、その方々も一から起業して、今ものすごい会社を経営されている。やはり考え方も突き抜けているし、自信にも満ちあふれている。そのためには見えないところで、すごくやり切っているんだろうし、その自信のもとになっているのは、自社の製品であり、サービス。それはとても参考にさせてもらってます。

新保 AuBさんは、名だたる企業さんと一緒にやってらっしゃると思いますが、ここからどういう発展をさせていきたいとかはありますか?

鈴木 もちろん、さまざまな製品を発表していきたいですし、商品展開を増やしていくというのはあります。ただ、うちの会社の強みというのは、データとコミュニティだと思うんです。スタジアムに行く元気がない、というところから着想している、と話しましたが、サッカーはその地域に根づいて、活性化させるのも大きな役割です。

サッカーと同じように、AuBも自分たちのプロダクトによって地域を活性化させたい、そのために何ができるだろうか。ひとつ考えているのは、街の中のソフトになることです。PCの中にインテル入ってるみたいな感じで、欠かせない存在になっていきたいなと思います。

▲自分たちのプロダクトによって地域を活性化させたい

新保 サッカーに携わってきた立場としての考えが、そこで反映されているわけですね。

鈴木 はい。情報ひとつとっても、子どもたちに有益なデータもあれば、高齢者に向けて有益なデータもありますよね。大事なのは適切な情報にアクセスできること。そして、それを独り占めするのではなく、より多くの企業、人々と共有していくことだと考えています。

■AuBの商品がほかと比べて優れている点

新保 菌の多様性の話も非常に興味深かったです。

鈴木 はい。やはり、アスリートの方の腸内環境を調べたら、非常に多様性の高い腸内環境でした。今はいろいろと規制があって、例えばこれを飲むと絶対痩せる! とか、絶対健康になります! みたいなことは言えないんです。個人的にはAuBの商品は、『ドラゴンボール』の仙豆みたいに、飲んだらすごくパワーアップします! とか言いたいところなんですけど(笑)。

▲AuBの商品がほかと比べて優れている点とは?

新保 (笑)。でも、わかります、私もラジオCMをやっていると、健康食品を紹介するときに、細かい注意書きがたくさんありますから。

鈴木 一概には言えないのですが、アスリートの腸内環境を調べたところ、酪酸菌が一般の方の2倍あったんですね。

新保 2倍! それは明らかな違いですね。

鈴木 その酪酸菌をメインに、乳酸菌やビフィズス菌など、ヒトに有用な約30種類の菌を独自に選定・ブレンドしたものが、我々が開発した「アスリート・ビオ・ミックス」なんです。なので、うちの商品を使っていただけると、酪酸菌を増やせる、というのは言っても大丈夫かと思います(笑)。腸というのはコンディションの1丁目1番地なので、常に気にしていただきたいなと考えています。

新保 サプリメントのほかにも、商品一覧で目を引くのがマルチ栄養プロテイン「オーブ メイク」ですね。プロテインと腸のケアを一緒にできるの!? すごい!って思いました。

鈴木 プロテインに関しては、アスリートの方から作って欲しいという要望があったんです。「AuBが作るものだったら安心して飲めます」と言う声をいただいて。僕もアスリートだったのでよくわかるんですが、世の中にはたくさんプロテインの商品がありますよね。正直、近年は原材料の高騰などもあるんですが、自分の名前が出ている以上、中途半端なものは作りたくない。それで出来上がったのが、コンディションを整えるマルチ栄養プロテイン「オーブ メイク」ですね。

新保 ほかのプロテイン商品と異なる点は、どういうところなのでしょうか?

鈴木 プロテインはタンパク質なんですが、正直タンパク質ばかり取っても腸内環境には良くない。なので、ホエイプロテインとソイプロテインの2種類のタンパク質に加え、ヒトに有用な菌約30種類を配合した「アスリート・ビオ・ミックス」を配合してあります。また、腸内細菌のエサとなる食物繊維や13種類のビタミン、さらにカルシウム、マグネシウムなど、1日に必要な栄養素が入ってますね。特にプロテインを取ってお腹を下してしまう方はわりと多いんですが、そういう方には、この「オーブ メイク」を試していただきたいなと思います。

新保 私もお腹を下しやすい体質なので、すごく助かります! 最後に、鈴木さん自身、そしてAuBの今後の展望や夢についてお伺いしたいのですが。

鈴木 まず、AuBを皆さんに認知していただく。それはアスリートとしての僕を知っている人でも知らない人でも「ああ、AuBね」と言ってもらえるような企業を目指すということです。そして認知はもちろん、信頼・安心していただき、皆さんの生活に伴走していくような存在であれたら良いなと考えています。

もう一つは、個人的な夢になるんですが、サッカークラブの経営をしてみたいです。それが個人になるのか、AuBとしてなのかは現時点ではわからないですが、サッカークラブが目指すものの一つは、地域に根ざすということ。私たちがやっているプロダクトも、皆さんの生活に根ざしていくのを目指しているので、両面で皆さんの生活の一部になっていければいいなと思っています。とても時間がかかることではありますが、それが夢ですね。

▲これからの活躍にも期待しています!

新保 詳しくお話を伺って、それが遠い夢じゃないように思いました! 本日はありがとうございました!

元サッカー日本代表・鈴木啓太「サッカーとビジネスはつながっている」 | フリーアナウンサー新保友映の「あの人に聞きたい!」 | WANI BOOKS NewsCrunch(ニュースクランチ)( https://wanibooks-newscrunch.com/articles/-/3137 )

AuB株式会社( https://aub.co.jp/ )

関連記事(外部サイト)