月収40万円のサラリーマン、40歳で係長昇進!「夢のマイホーム」購入も…70歳で頭を抱える驚愕の「住宅ローン残債額」【FPが解説】
2023年06月05日 11時31分THE GOLD ONLINE

サラリーマンのAさんは、係長への昇進を機に憧れだったマイホームを40歳で購入しました。余裕を持って組んだ毎月の返済額に安心していたAさんでしたが、70歳で恐ろしい事態に……。本記事では、Aさんの事例とともに、住宅ローンの返済計画についてFP1級の川淵ゆかり氏が解説します。
めでたく係長に昇進!40歳で憧れのマイホームを購入したAさん

Aさんは中小企業で係長を務める40歳のサラリーマンです。37歳の奥さんと小学1年生の息子さんと2LDKの賃貸アパートで暮らしていました。係長に昇進して収入が上がったことと、子供も大きくなり住まいが手狭になってきたことから思い切って一戸建てを新築することに決めました。
住宅ローンは、借入額3,000万円。40年の変動金利型ローン(0.5%)で、毎月の返済額は68,971円となりました。毎月のこの返済額は、いまの賃貸アパートの家賃よりも安いくらいです。Aさん夫婦は
・老後の資金も貯め始めなくてはいけない
と考え、「毎月の返済額はできるだけ抑えたい」と思っていました。
住宅メーカーの相談会でこの希望を伝えると、「変動金利型ローンは固定金利型ローンよりも返済額は低くなりますし、いまは40年ローンを出している金融機関も増えてきました。このくらいの金額なら年金生活に入ってもなんとか出せるんじゃないですか?」との説明をされました。
Aさん夫婦は「この返済額なら、払っていけそうだね」と話し合い、一戸建ての新築を決める運びとなりました。しかし、Aさんが住宅ローンの返済が始まった直後から「変動金利の金利はそのうち上がるのではないか?」「食料品値上げ! 光熱費アップ!」……こうした噂やニュースをネットやテレビでよく見るようになります。
慎重に住宅ローンを決めたつもりのAさんも心配になってきました。「我が家の住宅ローンは大丈夫なんだろうか?」
低金利だけではない…ローン返済額が少ない本当の理由

日本は超低金利が続いていますが、返済額が少ないのは金利が低いせいだけではありません。返済期間を長くすることにより、毎月の返済額が少なくなっています。ちなみに、昭和の時代では25年ローンが主流だったのが、その後35年ローンが出てきて、いまでは40年ローン、50年ローンという長期ローンまで出てきました。
住宅着工件数は景気動向を見るためには重要な指標となっています。新築住宅の着工が活発化すると、家具や家電の買い替えにもつながっていくため、非常に重要な指標です。材料費や人件費の値上がりで、家の値段も高くなっていますが、できるだけ多くの建設・販売を進めるためには、返済しやすい金額での住宅ローンは重要です。
しかしながら、長期ローンは返済額が下がっても将来「返済できない」といった住宅ローン破産者を増やしてしまうことにもなりかねません。住宅ローンの利用者は、目先だけではなく、将来のことまで考えて長期ローンを利用する必要があります。
ちなみに、Aさんのように3,000万円(年0.5%)の住宅ローンを返済期間で比較してみると、
・30年ローン:毎月の返済額 89,757円 総返済額 約3,231万円
・35年ローン:毎月の返済額 77,876円 総返済額 約3,270万円
・40年ローン:毎月の返済額 68,971円 総返済額 約3,310万円
以上のような差が出てきます。
返済期間が長いほどオーバーローンのリスクも上がる

返済期間が長くなると、オーバーローンの問題も出てきます。オーバーローンとは、ローンの借入残高が不動産の価値を上回る状態のことをいい、売却してもローンが残ってしまうことをいいます。たとえば、「ローンが払えなくなった」「売却して老人ホームに入ろう」といった場合、不動産の売却で住宅ローンを清算しようとしても清算できずに、ローンが残ってしまうケースです。
日本はこれから加速度的に人口が減っていきます。それに伴い地方などの不動産価値は下がってくると思われます。オーバーローンのことも考えて住宅ローンは借りる際も十分注意しなければいけません。
Aさんの場合、70歳のとき(返済開始から30年後)にどれだけ住宅ローンが残るかを返済期間別にみていきましょう。
・30年ローン:住宅ローン残額0円
・35年ローン:住宅ローン残額4,613,665円
・40年ローン:住宅ローン残額8,071,393円
この金額にはAさんも頭を抱えてしまいました。「なんとか払っていけるだろう、と思っていた住宅ローンでしたが、70歳の時点で800万円以上も負債を抱えているとは!」
さらに、賃貸と違って持ち家はメンテナンスにお金がかかります。30年のあいだには水回りや屋根・外壁などにまとまった費用が必要です。こういった費用も繰り上げ返済や退職金での住宅ローンの一括返済ができない理由の1つとなっています。
金利が上昇した場合をシミュレーションすると…

Aさんが住宅ローンを借りるときにはさほど気にならなかった金利の上昇ですが、その後の日銀総裁の交代や新型コロナの対応で大幅に増発された国債のことを考えると、このままずっとこの超低金利が続いていける、と考えるのは非常に不安です。変動金利型ローンを借りる際は、金利上昇リスクにどれだけ対応できるかがカギとなります。
借入期間が短い、借入金額が小さい、返済額がアップしても家計に余裕がある、といったケースであれば対応もできるでしょうが、そうでなければ、もし金利が上昇した場合は変動金利のリスクが家計を直撃します。
ちなみに、Aさんのように3,000万円(年0.5%)の住宅ローンの金利が10年後に上昇したときの返済額を計算してみましょう。
・10年後 0.5%→1.5%:毎月の返済額79,559円
・10年後 0.5%→2.0%:毎月の返済額85,207円
以上のように返済額は上がってきます。
※変動金利型ローンは「5年ルール」により、金利が上昇してもすぐに返済額は上がりませんが、再度金利が下がらない限り、その分将来の負担が増えることになります。変動金利型ローンを借りているご家庭は、「返済額がいくらまでなら上がってもローンの負担に耐えられるか」を一度考えてみましょう。
もし収入ダウンしてしまったら…

家を持つときは、係長に昇進して収入も増えたAさんでしたが、ローンの返済中には収入がダウンすることもあります。生涯で収入がダウンする時期を考えてみましょう。
・60代定年退職
・再就職
・老後仕事を辞めて、年金だけの生活へ
・老後配偶者の死亡による年金収入の減少
住まいを購入するときは家計にゆとりもあり不安もないときですが、その後はお子さんの教育費や親の介護にお金がかかるなどの支出が増えるほか、上記のように収入がダウンしてしまうこともあります。住宅ローンは後半が大変です。毎月の返済額だけを見て決めるのではなく、将来のこともしっかり考えて利用しましょう。
川淵 ゆかり
川淵ゆかり事務所
代表
幻冬舎って、こんな煽り記事ばかりだな。 くだらん。 もう読まん。
普通はローンを組んだ段階で、将来の返済額、期間などがわかるはず。3番さんの言うように、ローンは返済期間を長くしたり頭金を少なくしたりすればするほど、将来にしわ寄せがくるのは当たり前。この手の記事が本当なら、ローンを組んだ人が、あまりにも無知すぎるだけ。多分、この記事も創作でしょ?だって、ローン組んだら、将来の返済額とかの計算結果が提示されるでしょ、今の銀行なら。で、組んだローンが適切かどうかの判断をさせるはず。あまりにも記事の内容が現実ばなれしすぎ。
実際の延滞って1%未満じゃなかったっけ?