西武新宿・東武東上・JRの3路線使える「川越」…リアル市民が回答した「住みやすさ」と「住みにくさ」
2023年06月05日 21時27分THE GOLD ONLINE

東京都心では、マンション価格がバブル超え。いまだかつてないほどマイホーム購入へのハードルは高くなっていますが、それでもせっかく買うなら納得のいく街に家を持ちたいと考える人は多いでしょう。いま、会社員が買える街……今回は「川越」に焦点をあてます。
3路線使える「川越」…池袋、新宿、渋谷、さらには横浜方面にも
不動産経済研究所による『首都圏 新築分譲マンション市場動向 2023年4月』によると、東京23区の新築マンションの平均価格は1億1,773万円、平米単価は181.5万円。「東京都内ではもう家は買えない……」。そんな声がささやかれる昨今。マンション購入希望者の検討地域は、郊外へ郊外へと向かっています。
もし職場が「池袋」や「新宿」近辺であったなら、候補のひとつになりそうなのが「川越」。市の中心部には、東武東上線・JR川越線「川越」駅、西武新宿線「本川越」駅と、駅は違えど3路線が使え、朝ラッシュの時間であれば、「川越」~「池袋」は42分ほど、「本川越」~「西武新宿」は45分ほど。「本川越」であれば始発なので確実に座って通勤できるメリットも。また東武東上線「川越」からは、「池袋」のほか、東京メトロ副都心線乗り入れで「新宿三丁目」「渋谷」、さらには横浜方面までダイレクトにリーチ。JR「川越」からは「大宮」を経由し、「池袋」や「新宿」に向かうこともできます。電車遅延や運休の際、3路線を使えるメリットを大いに感じることでしょう。
川越といえば「蔵の街」というイメージのとおり、いまや東京近郊を代表する観光地。そのきっかけとなったのが1889年に発生した大火。市街地が消失した際、火事に強い建築として現在にも残る蔵造りの商家が建てられました。その魅力は外国人観光客にも伝わり、コロナ禍前には、年間700万人ものインバウンド客で賑わいました。
もうひとつ、川越は商業都市としての側面も。江戸時代には川越藩がおかれ、小江戸と呼ばれる商人の町として発展。さらに1895年には川越鉄道(現在の西武新宿線)、1914年に東上鉄道(現在の東武東上線)、1940年に国鉄川越線(現在のJR川越線)が開業し、街の発展を後押し。1922年、埼玉県初の市として、川越市は誕生しています。
「川越」~「本川越」周辺には商業施設が点在し、中心市街地を形成。「川越」駅には東武東上線側には「エキア川越」、JR側には「ルミネ川越店」。東口を出ると、右手に商業施設「川越マイン」、左手に「アトレマルヒロ 川越」。アトレマルヒロを抜けると、全長1200mにも及ぶ関東有数の商店街「クレアモール」に、川越を拠点とする「丸広百貨店川越店」。さらに「本川越」駅には「西武本川越ペペ」も。充実の中心市街地は買い物客や観光客で、常に賑わっています。
川越の新築マンションの相場と返済プラン
そんな川越の住み心地に耳を傾けると、長所として多く上がるのがやはり買い物と交通の利便性。
・生活に必要な商店が駅周辺にあり、クルマがなくても生活できる
・東武東上線、副都心線、八高線、埼京線、西武線など複数の電車が使えて、都心にもアクセスしやすい
・高速道路のインターチェンジも近くにあり移動がラク
・緑も近く、子育て環境は良いと思う
一方で人気観光地であり、地域の中心地という街の特長が、マイナスに作用している部分も。
・飲み屋が多いから、酔っ払いも多くトラブルも……子育て世代としては心配
・最近は観光客で混雑していて……休日はできるだけ中心街にはいかないようにしている
現在、「川越」周辺の新築マンションの平均坪単価は250万円ほど。ファミリータイプ、80平米ほどの新築マンションであれば6,000万円で買える計算です。
仮に頭金1割ほどを入れて、30年ローンで購入を検討したなら、月々の返済額は16万1,562円(返済方式:元利均等、金利0.5%と仮定)。余裕ある返済を考えて、返済負担率20%以下とするなら年収969万3,720円以上というのが条件となります。夫婦、一方の収入だけで購入を考えるには、頭金を平均値以上に入れない限り難しい話。夫婦で助け合うことが条件となるでしょうか。
アンケートにみる川越市民の満足度
川越市民3,000人が回答した『第 14 回川越市市民意識調査』で、「あなたは、これからもずっと川越市に住み続けたいと思いますか。それともよそに移りた いと思いますか。」の問いに対し、「住み続けたい(「住み続けたい」と「どちらかというと住み続けたい」の合計)」は87.5%で、住み心地は上々のよう。
その理由(2つまで選択)として「自分の家(土地)だから」「住みなれて愛着があるから」がそれぞれ48.0%、38.6%。ほか「生活環境がよい」38.6%、「鉄道・公共交通の便がよい」21.9%と高評価を得ています。
一方、「市外に転出したい」と回答した人の声に耳を傾けてみると、最も多い転出希望理由が「鉄道・公共交通の便がよくない」で28.6%。3路線が使える利便性の一方で、山手線西部の主要エリアには鉄道で40分以上、さらに都心エリアには1時間程度は覚悟しなければなりません。毎日の通勤・通学となると、人によっては苦痛に感じるギリギリのラインでしょうか。
マイホームを実現した会社員からは「週に1・2度であれば我慢できたけど、毎日となると、もう少し通勤時間が短いほうがよかった」という後悔の声はよく耳にします。都内通勤・通学がマストなら、実際に許容できるかどうかを熟考したほうがよさそうです。
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