ビジネスで「成約率」を高めるには?「恋愛」のプロセスから学べる「断られない方法」

(※写真はイメージです/PIXTA)

ビジネスで安定的に収益を上げられるようにするには、成約率を高めることが大切です。そのためには自社の商品・サービスの長所を強調するだけではうまくいきません。様々な起業家をサポートしてきたウェブコンサルタントの草間淳哉氏は、成約率を高めるプロセスは「恋愛」と共通するといいます。草間氏の著書『集客で悩み続ける起業家のための安定して稼ぎ続ける「月100万レシピ」』(産学社)から一部抜粋してお伝えします。

「プロポーズ」から逆算してデートプランをつくる

ビジネスにおいては、相手と良好な関係を構築することが大切です。その意味で、ビジネスは「恋愛」と共通する面があります。

たとえば、初めて出会った知らない人からいきなりプロポーズされたら、あなたはどう思いますか?また、プロポーズではなくても、出会って初めて自分のいいところばかりを自慢してくる人がいたら、どう思うでしょうか?おそらく「苦手だな、この人」と思うのではないでしょうか。

ビジネスは、出会い、恋愛し、結婚し、共に歩んでいく幸せな人生とよく似ています。顧客と幸せな関係を築き上げて、切っても切れない関係を構築していくことです。プロポーズから逆算してデートプランをつくるのと同じように、商品・サービスを提供する流れを考えると、顧客もあなたも幸せな関係がずっと続くビジネスプランができあがります。

恋愛でまず一番最初にすることは、どんな相手と幸せになりたいのか、を明確にすることです。そして、その相手がどうなったら幸せなのか、自分自身もどうなったら幸せなのか、双方にとって幸せな未来をイメージします。

ビジネスに置き換えると、相手の課題や欲求に最大限貢献し、絶大なる信頼があるからこそ、あなたの高単価な商品・サービスを顧客が購入し、利用し続けている状態です。

その商品・サービスを提供するために、「断られないプロポーズ」をします。プロポーズをする時、相手から断られないことをわかっていながらプロポーズしますよね。

あなたは、いきなり告っていませんか?モテない人ほど、相手の状況や相手の気持ちや、相手の信頼を考えずにプロポーズするので断られてしまうのです。

プロポーズの前に、より親密なデートを重ねてお互いの信頼を築き上げる必要があります。デートを重ねて、相手が望む幸せな人生像を理解し、自分の幸せな人生像も伝え、お互いにハッピーな未来が見えるからこそ、断られないプロポーズとなるのです。

また、デートを重ねるためには、初回のデートで「この人いいな」と思ってもらう必要があります。そのために、相手に合わせたデートプランを考えるのです。

[図表1]ビジネスは恋愛と一緒

初回のデートでは、相手が緊張することなく、「行ってみたい!」と思うような場所やプランで考えます。たとえば、相手がイタリアンが好きだとしたら、「人気のイタリアンのお店があって、私も好きなので、今度一緒に行きませんか?」と誘えば、OKをもらえる率は高そうですよね。そこで時間を醸成し、楽しい時間を過ごすからこそ、「あ、次も会いたいな」と思ってもらえるのです。

では、初回のデートの約束をもらうにはどうすればよいのでしょうか。

知り合って初めて話すとき、自分の話ばかりするのではなく、相手の話をよく聞きます。そうすれば相手の趣味嗜好がわかり、相手に合わせた話をすることができます。会話のやりとりするなかで、相手からも興味を持ってもらえることがあります。そのようにして初めて、連絡を取り合う手段として、LINE交換したり、Instagram でフォローし合ったり、電話番号を交換したりできるのです。これが、初回デートにつながります。

ビジネスにおいても、この一連のプロセスが重要です。いきなり告らない、いきなり自己アピールばかりしない。相手を知る、相手との信頼を醸成する。回数と時間を重ねれば重ねるほど、相手との信頼関係は深まります。その上で最高なプロポーズ、断られないプロポーズをして、顧客もあなたも幸せになる関係性を築き上げていきましょう。

プロポーズ(購入を促す提案)は「2人きり」のときにする

「セミナーにたくさん集まったのに、1件も売れませんでした。成約率が悪いんです。どうしたらいいのでしょうか?」このような相談をされることが多々あります。

原因はズバリ、「複数人に対して購入を促す提案(オファー)をすることが難しい」からです。

オファーが恋愛でいうプロポーズだとすると、やはり2人きりの空間の方がいいのです。1対複数で提供していくのは、それなりにビジネススキルが身についた後でいいのです。まずは、着実に1人1人に向き合い、1対1のカウンセリング、コンサルティング、面談をしていきましょう。

1対複数ではなく、1対1のほうがよい理由を3つお伝えします。

◆大勢の場では「買いたい!」「欲しい!」がいいづらい(バンドワゴン効果)

行動心理学で「バンドワゴン効果」というものがあります。みんなと同じだと安心感を得られるという心理効果です。本当は買いたいと思っていたとしても、他の人の様子を見ながら迷うので、購入しづらくなってしまうのです。

もし興味関心があり、買いたいと思っていても、買わない人が多ければ、「あ、買わないほうがいいのでは」と思われてしまいかねないので、なるべく1対1の場で提案するようにしましょう。

[図表2]バンドワゴン効果

◆個別の悩み、課題に対応しやすい

買いたいけれど、買えない。その理由は、人によってさまざまです。

お金の問題かもしれないし、時間の問題かもしれないし、誰かの許可を得ないといけないかもしれないし、まだよくわかっていないのかもしれないし、必要性を感じていないのかもしれないし、これは相手に聞かないとわからないことです。

ですが、1対複数の場だと、相手はこの悩んでいる理由がいいづらいので、解決されず、そのまま買わないという流れになってしまいます。本当は買いたい欲求があるのに!

だからこそ、1対1の場、他の人を気にしなくていい安全な場で、悩んでいる理由を聞き出すことができれば、すぐにその理由を解決して、「買います!」を引き出すことができます。

◆より特別感を感じやすい

たとえば、1対複数の場で「限定価格」を提示しても、それは複数の場なので「みんな同じ価格」になり、限定性を感じにくくなってしまいかねません。これに対し、1対1の場で限定価格提示すれば、相手は「自分だけのための限定価格」と感じ、特別感を感じやすくなります。

1対1の場で相手に思いっきり向き合い、その相手だけのために時間を使い、そして「プロポーズ」しましょう。成約率が大幅に高まります。

草間 淳哉

ブランディングカンパニー(株)ウェブエイト代表

代表

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