「信託報酬0.1%前後」「純資産100億円以上」「資産残高が増加傾向」…投資信託を選ぶとき“外せない条件”【金融教育家が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

「どれに投資すればよいか」という“正解”を端的に教えてくれる情報はとても有益に思われますが、本当に経済的に豊かな人生を送りたいなら、自分で判断できるほどの知識を最低限身につけなくてはいけません。金融教育家・上原千華子氏の著書『ファイナンシャル・セラピー』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、本稿では「投資信託の選び方」のヒントを紹介します。

投資信託は「いかにコストを抑えられるか」がカギ

まず、投資信託を積み立てるには、さまざまなコストに注意を払う必要があります。なるべく費用を抑えて手元に資金を残すためです。投資信託は10年単位の長期間で積み立てるため、たった0.1%や数百円の違いで数十万円の差がつくこともあります。

まずはどのようなコストがかかるのかを知り、どこでどのように投資をするのが、もっともメリットを享受できるかを考える際の1つのポイントにしてください。

投資信託にかかるコストは、主に5つあります。

■購入時手数料

投資信託を買う時に販売会社に支払う手数料です。ジムの入会金のようなものですね。ノーロードといって、手数料が無料の投資信託も増えています。

■信託報酬

投資信託を保有している間、運用会社、販売会社、資産を管理する信託銀行に支払う手数料です。運用管理費用ともいいます。ジムの月会費のようなもので、投資信託の残高から毎日自動的に差し引かれます。

たとえば、投資信託の残高が100万円、信託報酬が0.2%とすると、

100万円×0.2%×1.1(消費税)=2,200円

2,200円÷365日=約6円

が毎日複利*で差し引かれます(*複利…資産が雪だるま式に増える仕組みで、「利子にも利子がつく」こと)。

複利のパワーを理解している人はお分かりですね。初めはちょっとの差でも、期間が長くなればなるほど、ボディーブローのように後からコストのパンチが効いてきます。

最近では信託報酬が0.1%程度の投資信託も増えました。少しでも安い投資信託を選びましょう。

■信託財産留保額

投資信託を売却する時に発生する解約金です。投資信託の財産が減って他の投資家に迷惑をかけないよう、解約する人が費用を負担するものです。無料で設定されている商品も多くあります。

■税金

投資信託の売却益や分配金が出ると、20.315%の税金がかかります。つまり、100万円利益が出たら、20万円ちょっとの税金を支払う必要があるのです。この対策としては、一定額まで税金がかからないNISAやiDeCoを活用するということがあげられます。

【その他手数料】

口座管理手数料は無料の証券会社が多いですが、年間費がかかる会社もあります。また、iDeCoに加入する際には、加入手数料や毎月口座管理手数料がかかりますので、気を付けて見てみてくださいね。

投資信託を選ぶ5ステップ

それでは実際に、投資信託の商品を選んでいきましょう。ネット証券では独自の投資信託サーチツールが用意されています。検索条件を指定すると、このあと紹介するステップ②~④ができる場合がありますので、それを活用してもいいですね。

【ステップ①資産配分を決める】

まずは資産配分を決めますが、どのように決めたらよいか分からないという方も多いかもしれません。

その際に参考になるのが、「リスク許容度診断」というウェブ上の無料診断ツールです。いくつかの質問に答えることで、あなたのリスク許容度に基づいて、おすすめの資産配分を提案してくれるのです。

「リスク許容度診断」と検索すると、無料診断ツールがたくさん出てきますので、信頼度の高い大手金融機関が提供しているものを参考にするとよいでしょう。

その結果を見て、もし配分を変更する場合は、プラスマイナス5%を目安に行うとよいでしょう。あまりにもかけ離れすぎると、自分のリスク許容度を超える可能性があります。

なお、ツールによってはおすすめの商品が出てきますが、この段階では具体的な商品は無視して、次のステップに進みましょう。

【ステップ②インデックスを決める】

次にどのインデックスにするか決めましょう。たとえば、国内株式なら日経225やTOPIX、先進国株式(除く日本)ならMSCIコクサイ、全世界株式ならMSCIオールカントリーなどです。サーチ機能があるネット証券では、「インデックス」を検索条件に指定しましょう。

【ステップ③低コストの投資信託を選ぶ】

販売手数料無料(ノーロード)、信託報酬が安いもの(0.1%前後が目安)を選びましょう。その次に財産留保額がゼロかどうかチェックします。

【ステップ④純資産残高100億円以上の投資信託を選ぶ】

次は、純資産残高が100億円以上のファンドに絞り込みます。純資産残高が大きい投資信託は、安定して運用されているからです。

逆に純資産が少ないと、なんらかの理由で資金を集められず、継続的に運用されない可能性があります。場合によっては繰上償還といって、運用をやめて全額払い出しをすることもあります。サーチ機能があるネット証券では、「純資産100億円以上」を検索条件に指定しましょう。

【ステップ⑤資産残高が増加傾向かチェックする】

最後に念のため、資産残高が増加傾向かチェックしましょう。理由はステップ④と同様、継続的に運用されるかどうかを確認するためです。

このような流れで考えていくと、さまざまな情報に左右されず、自分自身の考えで投資信託を選ぶことができます。

上原 千華子

(株)ウェルス・マインド・アプローチ代表取締役、金融教育家

欧米投資銀行勤務歴17年、個人投資家歴26年。証券外務員一種、最新の心理学NLPを使ったマネークリニック®認定トレーナー。金融知識だけではお金の不安が消えなかった経験から、心理学を取り入れたライフプランと資産運用を教えている。「お金の教育をもっと身近に、心から豊かな人生を」がモットー。

2022年より「3ヶ月マネー実践講座」を提供開始。ライフプランから資産運用まで自分でできるようマンツーマン指導。多忙な中小企業経営者から支持され、口コミでビジネスが広がっている。

※「ウェルス・ファイナンシャル・セラピー®」は株式会社ウェルス・マインド・アプローチの登録商標です(登録668701)。

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