価格と物価は同じ?家庭や社会では絶対に教えてくれない両者の違いを徹底解説

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AIざっくり要約

  • 個別価格と一般物価は異なり、個別価格が上がったとしても一般物価が必ず上がるわけではないと述べられる。
  • 一般物価は様々な商品の価格を集計した指標で政府が統計から発表し、マクロ経済学の領域と説明される。
  • 世界基準の物価指数はコアコアCPIだが日本はコアCPIを使用している違いに注目しつつ、今後はエネルギー価格の影響からコアコアCPIが適切かもしれないと説明を結んだ。

実験的な機能のため、正確性を欠く可能性があります。記事本文と併せてご確認ください。

経済評論家の渡邉哲也氏は著書『世界と人間を操る お金の学校』(ワニブックス)の中で、価格と物価の違いについて「価格はミクロ経済、物価はマクロ経済だから次元が違う」と言います。これは一体どういう話なのでしょうか?その説明を本書から一部抜粋して紹介します。

個別価格と一般物価

通常、私たちは個々の商品が値上がりすると、「物価が上がった」と感じます。しかし、じつはこの値上げは「個別価格」が上がったにすぎず、本来、物価と呼ばれる「一般物価」が上がったとは限らないのです。

スナック菓子「うまい棒」の値上がりが話題になりましたが、それはメーカーの都合によるものかもしれません。

物価というのは個別の商品ではなく、各商品の価格の上下を総合した指標であり、理論上はすべての物価を表します。

したがって、個別価格は各店舗で値札によって表示されていますが、「一般物価」は政府が統計や数式をもとに発表する「抽象的な数字」です。

このような個別価格と一般物価の違いは「ミクロ経済」と「マクロ経済」の違いでもあります。

ミクロ経済学は、企業、家計、政府など個々の経済主体の行動を具体的に分析するのに対し、マクロ経済学は、国家全体の経済活動を分析します。「部分と全体」という大きな違いがあるのです。

マクロ経済学の指標は「一般物価」であり、需要と供給も、「総需要」と「総供給」で表します。物価が継続的に上昇する「インフレーション(インフレ)」や物価が継続的に下降する「デフレーション(デフレ)」もマクロ経済学の領域です。

マクロ経済学によって「国家における経済政策」という視点、“支配者の視点”を獲得することができるのです。

「総合」と「コア」と「コアコア」

いま「一般物価」とは、すべての物価のことだと述べました。もちろん、すべての物価を調べることはできないので、よく消費されている600品目をピックアップし、その価格に応じた加重平均により指数化しているのです。

この指数が、基準年を100として、上がったか下がったかを見るのが「消費者物価指数(CPI)」です。これは「総合指数」とも呼ばれ、総務省が毎月発表しているものです。

さらに、より物価変動を把握しやすくするため、季節の変動を受けやすい生鮮食品を除いた「コアCPI」があり、ここからさらにエネルギーを除いた「コアコアCPI」という指数もあります。

じつは世界の中央銀行が使用する物価とはこの「コアコアCPI」を指しているのです。ところが日本では、コアCPIで定められており、これにはエネルギーが含まれているため、石油製品などのエネルギー価格の変動による影響を受けやすくなっています。

ウクライナ戦争やSDGsの影響でエネルギー価格が上昇している今はコアコアCPIで見たほうが間違わないでしょう。

インフレかどうかは、日本ではコアCPIの上昇で測りますが、海外では世界基準のコアコアCPIが4〜6%になって初めて「インフレ」だと認識するのです。

ポイント

・個別価格は「部分」、一般物価は「全体」

・マクロ経済学によって「支配者の視点」が得られる

・世界基準の物価指数は「コアコアCPI」だが日本は「コアCPI」

渡邉 哲也
作家・経済評論家

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