「いくら勉強しても成績が伸びない人」「試験になると解けない人」の“言われてみれば納得”の敗因【元医大生講師が解説】

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AIざっくり要約

  • 医学部受験の失敗例を分析すると、当たり前の勉強法を守れていないケースが多い。
  • 勉強法には原理原則があり、それを守ることで初めて成績が伸びる。但し、方法論は個人差がある。
  • アウトプット中心の学習が重要で、自分から答えを出せる力を育むことで学習効果が上がる。優先順位を設けて工夫する必要がある。

実験的な機能のため、正確性を欠く可能性があります。記事本文と併せてご確認ください。

(※画像はイメージです/PIXTA)

医学部医学科卒の綿谷もも氏は、受験に挑む前に「医学部受験の当たり前」を再確認しておくことが大切だといいます。なぜなら、医学部受験の失敗例を分析してみると「当たり前のことができていないから合格できなかった」というケースであふれているからです。綿谷氏が現役医大生時代に刊行した著書『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』(監修:高梨裕介氏)より一部を抜粋し、見ていきましょう。

勉強には、絶対に守るべき「原理原則」がある

勉強法には絶対に守らなければならない原理原則があり、勉強ができる人・成績を伸ばす人は例外なく原理原則を守っています。

一生懸命勉強しているつもりなのに成績が伸びてこない場合は、上滑りを起こしているなど戦略面で失敗している、もしくは勉強方法の原理原則を守れていない、のどちらかと考えてよいでしょう。

一方で細かい勉強方法は人によって様々です。例えば、暗記の仕方ひとつ取っても医学部合格者それぞれが異なる方法を取り入れているはずです。

大切なのは枝葉の方法論ではなく、原理原則を守っているかどうかです。原理原則ができていない状態で自己流の工夫を重ねたり、枝葉のコツだけを真似しても成績を伸ばすことはできません。

【例】単語や文法の習得が不十分なまま「デキる人の英語長文の解き方」を真似しても…

具体的な例で考えてみましょう。「英語の長文問題ができなくて悩んでいる」という受験生が、英語が得意な人に速読の方法や長文読解を説明してもらう、という状況を思い浮かべてみてください。

相談を受けた英語が得意な人は、長文を読むために色々な工夫をしており、その工夫をひとつひとつ丁寧に教えてくれました。

長文を読んでいる時の印の付け方、文の区切り方、緩急をつけて文章を読む方法、選択肢の吟味の仕方、長文の内容を要約するときのコツなどを懇切丁寧に教えたとします。

それを聞いた英語が苦手な人は、「この方法を実行すれば英文が読めるようになる!」と喜び、次のテストでそのやり方をそっくり真似してみました。

さて、この人は英語の成績が上がったと思いますか?

間違いなく、答えはNOです。

なぜかというと、英語の長文問題を解くために重要な原則は「単語、イディオム、文法、構文等の基礎を徹底的に習得すること」であって、これらができて初めて成績が伸びてくるからです。

単語や文法の習得が不十分なままでは、誰かのアドバイスを真似しても成績が伸びることはありません。

逆に、原理原則に従って正しい勉強法が実行できていれば、本人の自覚が伴わないまま成績が伸びている、ということがあります。英語で考えると、単語や文法の暗記などの基礎を徹底した上で英文を読む練習をするうちに、気がついたら長文問題に困らなくなっていた、という受験生は少なくありません。

成績を伸ばすためには、原理原則をおさえることがなによりも大切です。

原理原則は当たり前すぎてスルーしている受験生が多いのですが、「当たり前のこと」を徹底することで初めて成績が伸びてきます。

勉強方法の大原則の例:アウトプット中心の学習

勉強方法の原則はいくつかありますが、本稿では特に重要な「アウトプット」について説明します。

アウトプットとは、「答えなどを隠して、何も見ずに自力で再現すること」です。「何も見ずに」という点が非常に重要で、アウトプットをすることで初めて学習効果が生まれます。

「勉強は十分しているつもりなのに試験になるとできなくなる…」という場合、アウトプット中心の勉強をしていない、もしくはアウトプットの負荷が弱い可能性が高いです。

アウトプットの反対はインプットです。勉強においてインプットをする時間は大切ですが、インプットだけで満足してしまうと学習効果は得られません。

インプット中心の勉強は学習効果が低い上、「習得できた」という錯覚を起こしやすい性質があります。

テキストを繰り返し読むなどインプット中心の学習を続けると、次第に文章に慣れてきて「できてきた感」は得られます。しかし、実際の定着度はさほど上がっておらず、いざ試験で問題を解いてみると手が出ない…という事態を招くのです。

<アウトプットしていないダメな勉強の例>

受験生によくあるインプット中心の勉強の例と、アウトプット中心の勉強を紹介します。

●教科書や参考書の内容を、書き写したり声に出して覚える

⇒テキストを見ながら行っていても学習効果はほとんどありません。「何も見ずに」教科書や参考書の内容を自力で再現してみる、という勉強が有効です。

●授業を聞くだけで勉強を終えている

⇒授業を聞くのもインプットの時間です。授業後に問題を解く、暗記をする、時間を置いて復習する等、自分で演習する時間に学習効果が生まれます。

●まとめノートを作り満足している

⇒まとめノートを「作って終わり」にしてしまうと記憶が定着しません。まとめノート作りを目的にするのではなく、アウトプットの手段として活用してみましょう。例えば、覚えにくい箇所をアウトプットしやすい形でまとめ、模擬試験の前に復習をする、というのは有効な手段です。

●暗記したい箇所に付箋を貼っておく、マーカーを引いておく

⇒付箋を貼るだけ、マーカーを引くだけでは暗記できるようになりません。こうした工夫をした上でアウトプットを行うのはOKですが、作業している段階では学習効果はありません。

<アウトプット中心の正しい勉強>

暗記事項であれば答えを隠して何も見ずに答えられること、数学や理科の問題であれば、答えや解説を隠し、計算過程も含め自力ですべて再現することを目標に進めます。

アウトプット中心の学習において、「優先順位を考えること」は非常に大切です。いきなり負荷が強いアウトプットをする必要はないので、学習状況に応じて適切なアウトプットを行いましょう。

理科で考えてみると、まずは問題集の問題を自力で解けることを目標にする、それができるようになれば、関連事項を暗記する、定義を見て何も見ずに説明できるようにする、公式を自力で導出できる練習をする、といった調子です。

自分の習得状況が上がるとともに、どんどんアウトプットの負荷を強くしていくイメージで進めるのがよいでしょう。

優先順位を無視して進めると、学習効率が悪くなってしまいます。まだ基本を覚えていない状態で細かい部分まで暗記しようとすると、時間がかかる上になかなか定着してくれません。

はじめから完璧を目指すのではなく、より優先順位の高い項目から段階を追って取り組むことで、効率よく問題集を習得することができます。

【執筆】綿谷 もも

医学部医学科卒。数学が大の苦手で、高3の冬に受けた模試では偏差値39を取ってしまうほど。エースアカデミーで1年間浪人し、センター試験本番で90%以上を達成、関東の難関国立医学部、難関私立医学部に合格。

医学部入学後はエースアカデミーの医学生講師として6年間受験生を指導し300人以上の医学部合格に貢献。その経験をもとに、医学部在学中に書籍『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』を執筆、出版。将来の夢は小児科医。アイドルと猫が好き。

【監修】高梨 裕介

医学部予備校エースアカデミー 塾長、医師

医師/大阪医科大学卒、初期研修修了後に創業。

中学受験経験(灘、東大寺、洛南、洛星中学に合格)。

自身の医学部受験の反省を活かし、350名以上の医学部合格者を指導。医学部合格のためのよりよい指導をより安く提供することを理念としてエースアカデミーを設立。

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