不二家<上>“バブルの象徴”銀座ビルを坪2億円超で売却か

不二家<上>“バブルの象徴”銀座ビルを坪2億円超で売却か

売却された「不二家銀座ビル」(中央のビル)/(C)日刊ゲンダイ

ペコちゃん、ポコちゃんのキャラクターでおなじみの不二家は「不二家銀座ビル」を2017年11月末に売却し、17年12月期に譲渡益190億円を特別利益として計上した。

 不二家のシンボルといわれるこのビルは銀座6丁目の一等地にあり、敷地は296平方メートル。ビルは地上8階・地下2階。1〜2階は洋菓子販売子会社のダロワイヨの本店。3階には子会社が運営するレストランが入居。他のフロアは空き部屋だった。

 17年4月、銀座6丁目に開業した複合商業施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」が、銀座の新名所になった。

 不二家銀座ビルの向かいにギンザシックスが開業したこともあって地価が上がったため、売り時と判断したのだろう。不二家は売却先や譲渡価格を明らかにしなかった。

 国税庁がまとめた路線価(18年1月1日現在)によると、33年連続で日本一となったのが銀座5丁目の鳩居堂前。1平方メートル当たりの価格が4432万円。過去最高だった17年の4032万円を9.9%上回った。

 では、不二家は、不二家銀座ビルを1平方メートル当たりいくらで売却したのだろうか。譲渡益190億円を敷地面積(296平方メートル)で割ると、1平方メートル当たり6418万円になる。鳩居堂前の18年の路線価を45%近く上回る。譲渡価格は坪単価にして優に2億円を超えたと推定できる。

 不二家は過去にも銀座の土地・建物を売却したことがある。不二家の埼玉工場で消費期限切れした原料の使用が発覚し経営が悪化した時のことだ。07年3月、銀座・コリドー街沿いの本社ビルを売却した。

 虎の子の本社ビルを、米シティグループの関係会社に135億5000万円で売却。07年3月期決算に約125億円の特別利益を計上した。同ビルの簿価は6億3600万円。10年に3月期決算を締めた後、12月決算に移行している。

 コリドー街の不二家本社の敷地は885平方メートル。1坪当たりの価格は5000万円強。この時も破格の値段と話題になった。

 今回の不二家銀座ビルの譲渡価格は、その4倍以上の2億円超。バブルの時代、銀座の土地は坪当たり1億円といわれたが、不二家銀座ビルは坪2億円超。あっさりと記録を更新したことになる。今回の売却価格は平成末期を彩る不動産バブルの象徴といっていいだろう。

 本社のケースでは135億円強で売却して、125億円の特別利益を計上しているのだから、この伝でいけば、不二家銀座ビルの売値は200億円を超えたとみて間違いないだろう。

 17年12月期の連結決算の売上高は前期比1.5%増の1059億円、営業利益は同55.1%減の11億円と低調。当期利益は巨額の特別利益を上乗せした結果、同12.6倍の162億円に膨らんだ。いずれにせよヤリクリ決算であることに変わりはない。

 不二家の親会社は山崎製パンだ。発行済み株式の53.9%を保有する。“不二家効果”で山崎製パンの連結決算の利益も上振れした。17年12月期の連結純利益は前期比8%増の197億円を見込んでいたが、不二家が固定資産売却益を計上したことにより、同38%増の251億円となった。

 不動産売却益はあくまで一過性の“特効薬”。不二家は本業の洋菓子部門の黒字転換が喫緊の課題である。

 洋菓子の名門・不二家が、なぜ、山崎製パンの軍門に下ることになったのか。(つづく)


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