“孤独死保険”とは? 大家さんは知っておきたい人気の理由

“孤独死保険”とは? 大家さんは知っておきたい人気の理由

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

賃貸住宅に一人で暮らす高齢者の孤独死が増加する中、入居者が亡くなった後、大家が原状を回復する費用を補償する「孤独死保険」の販売が大手損保に拡大している。

 損害保険ジャパン日本興亜は、8月1日から個人用住宅向けの火災保険に、事故対応等家主費用特約として「孤独死保険」を新設、火災保険とのセットで発売を開始。わずか1カ月で数百件の契約を受けた。同社は孤独死保険として、すでに2015年9月に「賃借人事故対応費用保険」として単独で発売していたが、これまで1万件以上の契約をしている。

「事故対応等家主費用特約は、賃貸人事故対策保険にオーナーさんが被る家賃収入の損失や清掃費用、遺品整理費用などを補償する孤独死に対応した保険です。孤独死の増加や消費税増税、相続税対策などで賃貸住宅の建設が増えた影響で引き合いは予想以上です」(損保ジャパン日本興亜広報部)

 東京都監察医務院によると、東京23区内で16年に65歳以上の一人暮らしで亡くなった人は4150人(前年比29人増)。そのうち、自宅で亡くなった人は3179人と76.6%を占めている。

 東京海上日動火災保険が15年10月から販売している孤独死保険「家主費用・利益保険」は反響も大きく、前年比1・8倍増と大きく伸び、支払限度額も拡充した。

「孤独死などによる原状回復費用の選択を従前の100万円から200万円と300万円まで拡大しました。また、空き家や値引きなど家賃損害を2年間補償しています」(同社広報部)

 三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険も同様の孤独死保険を15年10月から販売し、この8月までで両社で1万5000件を販売した。

 孤独死保険は各社とも保険料が安いのも魅力だ。例えば、東京海上の家主費用・利益保険では、原状回復費用の支払限度額100万円の場合、家賃6万円の10戸室で月額保険料は2000円。1戸当たり200円の保険料だ。

 日本少額短期保険協会の「孤独死現状レポート」によると、13年の65歳以上の一人暮らしの高齢者は552万人で過去最高となる(総務省統計局)。

 さらに35年には、65歳以上の独居高齢者は762万人に上るという推計を出している。一人暮らしの高齢者の増加に、保険評論家の降山唯史氏がこう述べる。

「単身高齢者は今後も増加し続けるなか、孤独死は避けて通れません。オーナーや管理業者は、賃借人の孤独死のリスクをカバーする備えが急がれます」

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