株式初心者は知っておきたい!カンタンに企業価値を計算する方法

株式初心者は知っておきたい!カンタンに企業価値を計算する方法

市販されているモノには定価があります。これと同じように、株式にも定価があります。これを専門用語で「企業価値」と呼びます。


■株式の定価を表す「企業価値」の計算方法
市販されているモノには定価があります。これと同じように、株式にも定価があります。これを専門用語で「企業価値」と呼びます。企業価値は、TOBなどの企業買収のために参考指標としてよく使われています。

企業価値が分かれば、割高な株式を買うことも少なくなるでしょう。投資で失敗する可能性も低くなると考えられます。そう考えると、企業価値を調べる方法を、知っておいて損はないでしょう。

そこで今回は、私が実際に使っている、カンタンな企業価値の調べ方をご紹介します。


■企業価値とは?
企業価値とは、一言で表すと、「この企業はいくら(=何円)なのか?」を指します。企業価値は、2つの要素によって成り立っています。ひとつは「資産価値」。もうひとつは「将来価値」です。

これをまとめると、企業価値は以下の等式で表すことができます。

企業価値 = 資産価値 + 将来価値

では、資産価値や将来価値とは何なのでしょうか。
もう少し細かく、それぞれの意味について確認してみましょう。


■資産価値とは?
企業は自社の財産として、現金や不動産、商品の在庫といった「資産」を持っています。一方、銀行からの借入金や支払手形など、「負債」も持っています。

資産価値とは、企業が保有する「資産」から「負債」を差し引いたものです。これを更に言い換えると、「資産価値」=「株主資本」と表すことが可能です。

資産価値 = 資産 − 負債
資産価値 = 株主資本


■将来価値とは?
将来価値とは、「企業が将来に渡って生み出す利益」のことを指します。企業は、1年後、2年後・・・・事業を行って利益を生み出します。いま手元にある資産を活用して、更なる価値を生み出しているのです。

以降では、実際に私も使っている企業価値の算出方法をご紹介します。


■らくらくカンタン、企業価値の計算法!
それでは、具体的な計算方法をお話しします。
企業価値を数式で表すと以下の通りになります。

企業価値 = 資産価値 + 将来価値

このとき、1株あたりの資産価値は「1株当り株主資本(=BPS、Book value Per Share)」と考えることができます。

同じように、1株あたり・1年分の将来価値のことを「1株あたり純利益(=EPS、Earnings Per Share)」で表すことができます。

企業がこれからも長く続いていくことを考えると、企業の将来価値は、1年後の1株あたり利益+2年後の1株あたり利益+3年後の1株あたり利益+・・・・・n年後の1株当り利益として算出できるでしょう。私の場合、将来価値をおおよそ10年間の1株あたり利益の合計額と考えています。

以上を踏まえると、1株あたりの企業価値は、下記の等式によって表すことができるでしょう。

1株あたり企業価値
=1株あたり株主資本(BPS) + 1株あたり純利益(EPS)× n年
※nには、任意の数値を代入します。

この式を使って、実際に企業価値を計算してみましょう!

これからは、具体的に三菱商事の企業価値を計算してみましょう。

※ご注意:当該銘柄はあくまでも事例として取り上げたものです。投資を推奨するものではありません。)

決算短信や会社四季報、会社情報などの書籍を参考に、「1株あたり株主資本(前期実績)」、「1株あたり純利益(予想ベース)」を調べます。

三菱商事の1株あたり株主資本(BPS)は3150.35円(17年3月期)、1株あたり純利益は283.82円(18年3月期、会社計画[17年8月10日時点])です。

今回は例として、同社の将来価値を、10年分の純利益(n=10)として算出します。では、この2つのデータから企業価値を求めてみましょう。

三菱商事の1株あたりの企業価値
= 資産価値(3150.35円) + 将来価値(283.82円 × 10年)
= 5988.55円

上記の計算により、三菱商事の1株あたりの定価は5988円と算出できました。

なお、上記の計算方法は、企業の成長性や特別損益の影響などが考慮されていないため、あくまでも簡単に計算するときに使いましょう。より正確に企業価値を知るためには、更に財務諸表やビジネスモデル等を細かく分析する必要があります。

一方、企業価値を手軽に計算し、ひとつの目安を手に入れるにはとても便利です。今回のように企業価値を調べてみて、自分にあった「投資のモノサシ」を作ることで、安心して銘柄が選べるようになるでしょう。ぜひ、あなたが気になっている銘柄などについても、調べてみてはいかがでしょうか。
(文:西村 剛)

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