三たびの緊急事態宣言で株式市場の物色はPCR関連から再び巣ごもりへ(中西文行)

三たびの緊急事態宣言で株式市場の物色はPCR関連から再び巣ごもりへ(中西文行)

また閑散となりそう(東京・渋谷)/(C)日刊ゲンダイ

【プロはこう見る 経済ニュースの核心】

 先週、友人と牡丹が咲くお寺として有名な真言宗豊山派の瑠璃光山薬王寺「禅定院」(東京都中野区)へ花見に行った。境内の牡丹庭園は季節を迎えて赤、白、黄などの牡丹が満開で、まさに極楽浄土のようだった。

 1362年開創の古刹らしく、境内にはおよそ樹齢650年、樹高50メートルとも思われるイチョウの大木も枝葉を伸ばし、幾度の戦乱、天災、疫病に耐え抜き成長し続ける樹形に畏敬の念さえ湧き上がった。

 この先、緊急事態宣言が発令されれば、すべてのイベントは中止され、幼稚園や学校は休校となり、外出自粛が徹底されるだろう。その期間は約2カ月、東京五輪の開会式直前までとなろう。日米首脳会談で、菅首相はバイデン大統領に米国製新型コロナワクチンの早期大量供給を要請。「新型コロナウイルス感染は完全にコントロールされている」として、東京五輪を開催したいだろう。

 地下鉄の車内広告を見ると「自宅でOK、来院不要、唾液のPCR検査」「受診後、最短3時間で結果判明、検査1回1万6500円、10回セット9万9000円(税込み)」と民間クリニックの広告があった。政府は無料でPCR検査を行う方針だが、医療従事者、高齢者の順であり、それを待てない人や企業は、高額でも民間クリニックに依頼するだろう。

 株式市場ではPER(株価収益率)ではなくPCRの関連銘柄が物色されている。H.U.グループHD(4544)、栄研化学(4549)、オンコセラピー・サイエンス(4564)、ビー・エム・エル(4694)、島津製作所(7701)などで、投資家は「コロナ禍」さえも株価材料とし、イチョウの木のように強靱だ。

 内閣府が4月8日に公表した3月分の景気ウオッチャー調査で、現状判断DIは、前月差7・7ポイント上昇の49・0、先行き判断DIは前月差1・5ポイント低下の49・8だった。その見方は、「景気は新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、持ち直している。先行きについては、感染症の動向を懸念しつつも、持ち直しが続くとみている」とまとめられた。ただし、コロナ感染拡大の深刻化により現状判断、先行き判断DIともに4月分以降の悪化は避けられず、「人」の動きが止まり景気は低迷、経験的に株式市場は先見して転機を迎えるだろう。再度「巣ごもり消費」関連株に仕込み場到来か。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

関連記事(外部サイト)

×