買収プレミアムを狙え!「親子上場」解消で噂される企業【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】

買収プレミアムを狙え!「親子上場」解消で噂される企業【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】

NTTの澤田純社長(左)とNTTドコモの吉澤和弘社長(C)共同通信社

【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】#17

「次の親子上場の解消はどこだ」――。

 いま市場関係者は親子上場銘柄に目を光らせている。なぜかといえば、親子上場を解消する際、子会社の株価に付く買収プレミアム(市場価格に30〜40%上乗せ)が狙えるからだ。

 どういうことなのか。まず親子上場を解消するには、2つの方法がある。

 @完全子会社化=親会社が子会社に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社株を取得し非上場化すること。昨年9月のNTTによるNTTドコモの完全子会社化がこのケースだ。

 A親子関係の解消=親会社が子会社株を売却、あるいは第三者に事業譲渡すること。昨年12月に昭和電工が日立製作所の上場子会社であった日立化成に対しTOBを実施し子会社化。日立製作所と昭和電工の間で話がついていたケースがこれにあたる。

 どちらもTOBを用いるゆえに、子会社の買い取り価格に買収プレミアムが付くのである。NTTドコモのケースでは約40%、日立化成では約13%だった。

 親子上場は世界的にみて日本特有のグループ形態である。1990年代から2000年代前半にかけ、大手上場企業が積極的に子会社を上場させた。親会社は支配権を維持したまま、株式売却益を得られるし、子会社にとっては知名度が上がるといったメリットがあった。当時の大手証券会社は、親子上場専門の部署をつくり、積極的に後押ししたほどである。その数は、ピークの2007年3月末には417社にものぼったものだ。

 ところが近年は逆に、親子上場を解消する動きが目立ってきている。日本特有の形態の不透明さが内外から指摘され、最近は解消件数が毎年20件程度を数える。海外、とくに米国では親子上場が極めて少なく、親会社が過半数の株式を保有する上場子会社は1%にも満たない。そんな事情だから、解消の流れは止まらないだろう。

 そこで、次の解消銘柄探しだが、市場ではこんな銘柄が噂されている。住友商事―SCSK、三菱UFJFG―アコム、イオン―イオンフィナンシャルサービス、トランスコスモス―Jストリーム、三菱商事―ローソンだ。

 依然として日本の親子上場企業は、2020年3月時点で259社もある。全上場企業の7%近い。探してみて欲しい。解消時の買収プレミアム狙いは、ハマるとクセになる投資テーマである。(丸)

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