証券業界の新潮流A 新参の若手投資家は日本株を買わない【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】

証券業界の新潮流A 新参の若手投資家は日本株を買わない【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】

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【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】#52

 前回は、若年層を中心に新規の証券投資口座が急増している背景を書いた。では、彼らはどこに投資しているのか。

 もともと日本人は投資対象が自国中心の「ホームカントリーバイアス」が強いとされてきた。しかし近年は投資対象が国内株から米国株へ急速にシフトしている。ネット証券大手3社(SBI、楽天、マネックス)の海外株の売買代金は2021年11月までで約12兆8000億円と、20年通年比で4割も増加した。

 また海外株を組み込む投資信託への純流入額は、21年12月16日時点で7兆9196億円と、これまで最大であった07年の5兆6760億円を大きく上回り過去最大になった。その上位は、米国のテック企業などに投資するファンドや、米S&P500に連動するインデックスファンドなど米国株関連が大半を占めている。一方、21年の日本株投信への純流入額は357億円で、海外株投信の0.5%弱にすぎない。

 つまり、株式市場に参戦してきた若者たちの主な投資先は国内株でなく、米国株ということなのだが、その理由は次の2つだ。

 @米国株は日本株と異なり、長期間ずっと値上がりしている。昨年だけ見ても、日経平均は5%弱の上昇だが、ダウ平均は19%、ナスダックは21%、S&P500は27%も値上がりした。個別株でもアップルが33%、マイクロソフト51%、アルファベットは65%の大幅値上がりだ。A海外株投資のハードルが下がっている。翻訳ツールやSNSの普及で個人でも情報収集が容易になっている。またネット証券中心に証券各社が米国株取引サービスを強化していることも大きい。

 このように、日本の若い投資家たちは、あまりリスクを感じることなく、魅力的な米国株へどんどんシフトしている。今後も、この動きは強まりこそすれ、弱まることはないだろう。経済誌などの株予想特集も、「沸騰日本株30銘柄」から「必ず儲かる米国株30」へと変わる日が近い気がする。読者諸氏も、いつまでも一進一退のさえない日本株に固執している時代ではないのかもしれない。(丸)

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