増える環境債「グリーンボンド」資産を増やしながら貢献

増える環境債「グリーンボンド」資産を増やしながら貢献

コマツが発行するグリーンボンド(同社HPから)

【お金の学校】SDGsと投資編(6)

 資金の使い道を環境分野の事業に限定した債券「グリーンボンド」(環境債)の発行が国内でも増えてきた。グリーンボンド基準などを定める英CBIのリポートによると、2019年の国内発行額は前年比7割増の7867億円となり、過去最高を記録。累積発行総額は1兆8752億円で世界9位の規模という。

 国内で初めてグリーンボンドを発行したのは政府系金融機関の日本政策投資銀行で、14年に2・5億ユーロを調達した。

 グリーンボンドの多くは機関投資家向けだが、個人投資家向けもある。

 東京都は19年12月に第3回「東京グリーンボンド」を発行した。ドル建てで発行額は9400万ドル(約100億円)。調達した資金は、都有施設・道路の照明のLED化などに使う。個人で購入できるのは、1都3県に在住・在勤・在学している人に限定された。

 期間は5年で利率は年1・6%。外貨預金で米ドル定期預金に預けても、いまは1年で0・01%程度しか金利が付かないことを考えれば、投資としても十分に魅力的といえるだろう。民間企業でも戸田建設、小田急電鉄、商船三井などが個人向けのグリーンボンドを発行しており、重機大手コマツも7月に発行する。

 グリーンボンドは募集期間などが限られるため簡単に購入はできないが、グリーンボンドに投資する投資信託を購入する方法もある。たとえば「グリーン世銀債ファンド」は、世界銀行が発行する利回りの高い債券に投資するもので、原則グリーンボンドを30%以上組み入れている。10年に基準価額1万円で運用をスタートし、コロナショックを経た現在の基準価額は分配金込みで1万1200円程度。年平均利回りに換算すれば1・2%だが、安定的なリターンといえるだろう。

■コマツも100億円分を発行

 グリーンボンドへの投資は、今後さらに加速しそうだ。公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、今年に入ってからドイツ復興金融公庫、オランダ水道整備金融公庫、ノルウェー地方金融公社など欧州のグリーンボンド発行体と次々と連携している。寄付を通じて環境団体などを支援する方法もあるが、グリーンボンドなら資産を増やしながら貢献できそうだ。

(経済ジャーナリスト・向山勇)

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