エコノミストが予測する景気の「スウッシュ形」回復とは?

エコノミストが予測する景気の「スウッシュ形」回復とは?

景気が大きく落ち込んだあと、緩やかに回復(C)ロイター

株価的にはコロナショックは完全に克服されたようである。しかし、実体経済とのカイリ(ギャップ)はいかんともしがたい。GDP(国内総生産)が元の水準に戻るのは2〜3年を要するだろう。

 日経平均株価は6月8日に、2万3178円の高値をつけた。NYダウは同日、2万7572ドルで終えている。この水準はコロナショック前の高値に対し、日経平均株価が96・2%、NYダウが92・1%となる。

 ナスダック指数は6月10日に1万20ポイントと、初の1万ポイントの大台に乗せた。もちろん、史上最高値(コロナショック前の高値は2月19日の9817ポイント)である。まさに、「大恐慌以来の厳しさ」と形容された「コロナショックって、何だったの?」といった感じではないか。

 マーケットは各国政府の財政出動、金融当局の超低金利、流動性供給などの政策対応を手掛かりに、景気が「V字形の回復に向かう」とみているようだ。だが、この見通しは甘いと思う。

 確かに、エコノミストの多くは「4〜6月期に底を打ち、7〜9月期に浮上を開始する」と予測している。問題はそのスピードだ。エコノミストの7割が「スウッシュ形」と予想している。

 聞きなれない言葉だが、スポーツ品メーカーのナイキのロゴを思い浮かべてほしい。この形は景気が大きく落ち込んだあと、緩やかに回復するとの分析だ。V字形にならない。株式関係者は楽観的な人が多すぎる。

 日本の景気ウオッチャー調査によると、5月の現状判断DIは15・5と、4月の7・9から急回復を見せた。「V字形の回復じゃないか」。いや、違う。好悪の判断の分かれ目の50にはほど遠い。あくまで水面下の動きである。

(杉村富生/経済評論家)

関連記事(外部サイト)