【上海IPO】RFフロントエンド製品開発の唯捷創芯(天津)電子技術が30日に公募開始、4008万株発行予定

【上海IPO】RFフロントエンド製品開発の唯捷創芯(天津)電子技術が30日に公募開始、4008万株発行予定

上海証券取引所の科創板への上場を目指す、唯捷創芯(天津)電子技術(688153/上海)が3月30日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。4008万株を発行予定で、公募価格は66.6元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)

 上海証券取引所の科創板への上場を目指す、唯捷創芯(天津)電子技術(688153/上海)が3月30日に新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。4008万株を発行予定で、公募価格は66.6元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2010年設立の民営企業で、15年に株式会社化した。RF(高周波)フロントエンドモジュールの研究開発、設計、販売を行うファブレス経営の半導体企業。主な製品は売上高の95%以上を占めるRFパワーアンプモジュールで、他にRFスイッチ半導体チップ、Wi−FiRFフロントエンドモジュール、受信側モジュール製品などを手掛ける。製品はスマートフォン、タブレットパソコン、無線ルーター、ウェアラブル端末などに広く用いられており、小米(シャオミ)、OPPO、vivoといった中国の大手スマートフォンブランドや華勤通訊など著名モバイル端末ODM企業を顧客に持つ。
 
 IC(集積回路)産業は現代情報産業の柱となる産業の一つであり、その生産力は各国の国力を示す重要な指標の一部とみなされている。中国のIC産業は国内外の需要拡大、国の産業奨励政策によって技術力、生産量ともに急成長しており、売上高は2011年の1934億元から20年には8848億元と年平均18.41%のペースで増加した。一方で中国国内の生産能力は需要に全く追いついておらず、輸入に大きく頼っているのも現状だ。20年の中国のIC輸入額は3500億米ドルで、輸出額の1166億ドルの約3倍となっている。
 
 また、IC設計産業の需要も急速に伸び、20年の売上高は3778億元に達した。これに伴い多くの企業が業界に参入しており、中国のIC設計企業数は2011年の534社から20年には2218社と4倍以上に増加。業界内の競争が激しさを増している。
 
 さらに、通信技術の世代交代が進み、5G通信の普及によってRFフロントエンド製品の重要性がますます高まり、市場規模が急速に拡大している。世界市場規模は2011年の63億ドルから19年には170億ドルと年平均10%以上のペースで成長し、25年には254億ドルに達する見込みだ。ただ、現状ではQorvo、Skyworks、Broadcom、村田製作所など日本や欧米の先発企業が業界をリードしており、同社を含めた中国メーカーの市場シェアは低い。
 
 同社は中国国内では最も早い時期にRFフロントエンドモジュールの開発、設計に従事した企業の一つであり、2019年に中国で5G通信の商用が始まった際には速やかに5G向けパワーアンプを開発、20年には量産を実現した。また、4G向けRFパワーアンプの出荷量は中国国内トップを誇るほか、中国の大手スマホブランドから性能や品質の安定性で高い評価を得ているなどの強みを持つ。
 
 一方で、外国の大手メーカーが数千人規模の研究開発グループを持つ中で同社の研究開発担当者が2021年6月末現在で171人に留まっており、研究開発力で大きな差が存在するほか、設計から生産、テスト、販売までを一貫して手掛けるIDM(垂直統合型デバイスメーカー)型の世界大手企業に比べて、ファブレス経営の同社は品質管理などの面で劣勢に立っている。また、自動車やスマート家具、航空宇宙、医療健康といった広範な分野に応用されるRFフロントエンド業界において同社の製品は無線通信分野に偏っており、大手企業に比べて製品のラインナップが乏しいのも弱みだ。新規公開により調達する資金を製品テスト体制、そして研究開発設備、人材の充実に用いる予定だ。

 2021年12月期の売上高は35億856万元(前期比93.80%増)、純損失は6679万元(同14.07%損失減)で、非経常損益を除いた純利益は1631万元。22年1〜3月期の業績予測は、売上高が8億5000万〜9億5000万元(前年同期比1〜13%増)、純利益が3600〜8600万元で、前年同期の赤字から黒字転換する見込み。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

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