AIを使うグローバル株式運用で頭抜けた運用効率実現、「ディープAI」が予見させる次世代型の運用とは?

AIを使うグローバル株式運用で頭抜けた運用効率実現、「ディープAI」が予見させる次世代型の運用とは?

アセットマネジメントOneが設定・運用する「AI(人工知能)活用型世界株ファンド(愛称:ディープAI)」は、2021年のシャープレシオは4.37と、類似ファンド分類内で118本中第1位の非常に優れた運用の効率性を発揮している。(グラフは、「ディープAI」のパフォーマンス推移)

 アセットマネジメントOneが設定・運用する「AI(人工知能)活用型世界株ファンド(愛称:ディープAI)」は、2021年のシャープレシオは4.37と、類似ファンド分類(国際株式・グローバル・除く日本・為替ヘッジなし)平均を1.26上回り、類似ファンド分類内で118本中第1位の非常に優れた運用の効率性を発揮している。また、トータルリターンは40.47%と、類似ファンド分類平均を10.99%上回った。ファンド オブ ザ イヤー2021の「国際株式(グローバル・除く日本)型」部門で優秀ファンド賞を受賞した。同ファンドの運用の仕組みと魅力について、同社株式運用グループ ファンドマネジャーの岡竜也氏と、AIモデルを開発・運用しているソリューション戦略運用グループ ファンドマネジャーの飛田潤一郎氏に聞いた。
 
 ――ファンドの特徴は?

岡 アセットマネジメントOneが独自に開発したディープラーニングモデルを用いて、魅力度の高い銘柄を選び、投資を行うファンドです。日本を除く世界の株式を対象としており、地域や業種を限定せずに、柔軟な運用を行っています。

 ディープラーニングモデルは、市場や株価の動きを計量的に捉えようとする人工知能AIを活用したモデルの一種です。人間の脳のようなAIモデルで、日々変化する投資環境を学習しながら、将来のリターンを予測する力を向上させていくことができます。

 また、基本的にはディープラーニングモデルによる判断を軸にしていますが、テキストマイニングやファンダメンタル分析を通して人間による補完をしています。それによってリターンの安定性や追加的な超過リターンの獲得も目指しています。

 ――2021年は、類似ファンド分類内でトップの運用効率を実現しました。この要因は?

飛田 高いパフォーマンスとなった要因を分析しますと、国別の切り口では、リターンの高かったアメリカとカナダのウエイトを高めにしていたこと、またアメリカとカナダの中で銘柄選択が良かったことが挙げられます。

 業種別では、リターンの高かった情報技術セクター、金融セクターのウエイトを高めにしていたこと、またこれらの業種の中で、銘柄選択が良かったことが挙げられます。

 パフォーマンス寄与が大きかった個別銘柄としては、ソフトウェア関連の『マイクロソフト』や『アルファベット』、半導体関連の『アプライド・マテリアルズ』などが挙げられます。金融セクターでは、大手銀行の『JPモルガン』、格付けなどの金融サービスの『ムーディーズ』などが挙げられます。

 リスクに関しては、特定の国や業種のウエイトが過度に高まり、ポートフォリオのリスクが高くなりすぎないよう、定量的なリスクマネジメントを実施しております。

 アメリカやカナダ、情報技術や金融などのセクターのウエイトを高めていますが、例えば、エネルギーセクターなどにも少量ですがウエイト配分を行い、ポートフォリオ全体のリスクをコントロールしております。また、情報技術セクターのウエイトが高いため、ポートフォリオの平均PER水準は市場平均よりも高くなっていますが、情報技術セクターとしては中庸のPERの保有銘柄が多く、PER100倍を超えるような割高銘柄を数多く保有している状況ではありません。

 高いパフォーマンスと適切なリスクマネジメントの結果、相対的に高い運用効率を達成できたと考えております。

 ――AIモデルを使った運用でファンドマネジャーの役割は?

岡 AIモデルを用いたファンドですが、それだけに頼るのではなく、人間のファンドマネジャーによる定性判断で補完しています。まず、AIモデルを開発している飛田ファンドマネジャーと株式市場の状況や今後の見通しについて定期的に意見交換をして、マーケット感覚を共有することを意識しています。

 また、このファンドはディープラーニングに加え、テキストマイニングも活用していますが、その際に、ファンドマネジャーとして定性的な意見を組み入れています。

 さらに、AIによって構築されたポートフォリオの銘柄について、定性的にチェックを入れた上で最終ポートフォリオとして完成させています。例えば、ウクライナ情勢の悪化による業績への影響など、AIが見通しにくい特別なイベントが発生したときなどは、人間の目を使う必要性がより高まると考えています。

 ――ファンドの「判断力」は、今後、どのように進化していくのでしょうか?

飛田 グローバル株式市場は、政治経済環境や投資家心理の変化、金融技術のさらなる発達など、様々な要因によって変化していきます。

 当ファンドで使用しているディープラーニングモデルは、毎月従前の学習データに加えて、新たに当月に発生したデータも学習していきます。この学習によりディープラーニングモデルは自らを調整し、自らの判断力を向上させていきます。

 データを学習するということは、データと同じような市場環境となった場合に、パフォーマンスがより良くなるようにAIモデルが自分自身を調整するということです。

 一方、我々ファンドマネジャーとスタッフは、AIのアルゴリズムの改良に加え、AIモデルのための新しい種類のデータや、文章やテキストなどを解析し、数値化したデータなどのオルタナティブデータの充実に努めていきます。

 今回のファンド オブ ザ イヤーで選ばれた株式ファンドの中に、AIを活用したものは、当ファンドのみでした。近い将来、多くのAIを活用したファンドがモーニングスターアワードに選ばれるのではないかと考えています。

 AIファンド同士がパフォーマンスを競う合う時代に備え、我々はAIモデルをさらに進化させるよう研究開発を継続していきます。

 ――投資家へのメッセージは?

岡 私はこれまで、アナリストやファンドマネジャーとしてこの業界に長く従事しておりますが、当ファンドにおけるAIの判断を見てはっとさせられたり、勉強になったりすることも多く、さらにその学習能力の高さには驚かされます。

 AIと人間それぞれに得意不得意分野があると思いますが、互いに補完し合い、完成度の高い運用を提供していきたいと考えております。

飛田 AIモデルを活用したファンドと聞くと、非常に強い興味をお持ちになる方がいらっしゃる一方、AIに対して懐疑的な見方をされる方も多くいらっしゃいます。

 また、当ファンドに高い関心をお寄せいただいている方であっても、最終的な判断を保留されている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか? こうした中、当ファンドには設定からこれまで多くの個人投資家の皆様から投資をいただいております。当ファンドのファンドマネジャーとして、進取の精神と高い先見性をお持ちの個人投資家の方々に深い感謝を申し上げます。

 現在投資をご検討中の皆様。AIは既に日常生活の多くの場面で活用されております。投資の世界においても、数年後にはAIが当然のように活用されるようになると思います。AIを活用し、グローバル株式に投資する当ファンドをこの機会にぜひご検討いただけましたら幸いでございます。(グラフは、「ディープAI」のパフォーマンス推移)(情報提供:モーニングスター社)

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