35銘柄に厳選投資して市場を凌駕する運用成果を実現、「日本株オープン『35』」の銘柄選択の視点とは?

35銘柄に厳選投資して市場を凌駕する運用成果を実現、「日本株オープン『35』」の銘柄選択の視点とは?

「三菱UFJ 日本株オープン『35』」の運用の特徴について同ファンドの運用を担当している三菱UFJ国際投信の株式運用部チーフファンドマネジャーの小島直人氏に聞いた。(グラフは、「三菱UFJ 日本株オープン『35』」過去20年間のパフォーマンス推移)

 三菱UFJ国際投信が設定・運用する「三菱UFJ 日本株オープン『35』」は、2021年のトータルリターンが17.57%となり、ベンチマークであるTOPIX(東証株価指数)を7.17%、類似ファンド分類(国内大型グロース)平均を6.81%いずれも上回った。投資対象銘柄が35銘柄と絞られているにもかかわらず、TOPIXを上回る運用成績を残している。ファンド オブ ザ イヤー2021の「国内株式型」部門で優秀ファンド賞を受賞した。同ファンドの運用の特徴について同ファンドの運用を担当している株式運用部チーフファンドマネジャーの小島直人氏に聞いた。

 「三菱UFJ 日本株オープン『35』」は、1999年3月の設定以来、この3月で満23年という非常に長いトラックレコードを持っている。我が国の株式を実質的な投資対象とし、企業の成長性に着目して厳選した35銘柄に主に投資を行い、TOPIXを上回る投資成果を目指している。銘柄を絞り込んでいるため、月初に作成しているマンスリーでは、全銘柄を開示し、それぞれに銘柄コメントを掲載するなど透明性の高い情報開示を続けていることも特徴だ。

 35銘柄を選択するポイントについて小島氏は、「2016年から21年までの5年間でTOPIXの中で時価総額が増加した上位30銘柄を見ると、この5年間で、TOPIXの時価総額は約160兆円増加しましたが、その8割にあたる約130兆円は、この30銘柄の増加がもたらしていました。

 この30銘柄のROE(自己資本利益率)とTOPIXのROEの推移を見ると、TOPIX全体のROEがこの5年間ほぼ横ばいにとどまる中、30銘柄の平均ROEは2016年の11%から、21年は17%と約5割も改善しています。日本でもROEという経営指標が上昇した銘柄は、株価が上がっていることを示しています。

 この30銘柄も5年前のROEは今のTOPIXとそんなに変わらないレベルでした。国内株式市場にはこうした30銘柄の予備軍、すなわちダイヤの原石がたくさん埋もれているのではないかと思っています」と語っている。

 アメリカでは、「GAFA(グーグル<アルファベット>、アマゾン、フェイスブック<メタ・プラットフォームズ>、アップル)」などの少数銘柄が指数全体を持ち上げることがあったが、目立たないながらも日本も一部の銘柄が市場全体を引っ張る構図となっていたようだ。

 さらに、小島氏は、「東証再編の効果も期待でき、この伸びしろのある国内市場から、よりアクティブに有望銘柄を発掘して、インデックス運用にはない、アクティブ運用の醍醐味を受益者の方々に味わっていただくべく、運用チーム全体でさらに踏み込んだボトムアップリサーチを行っていく方針です。

 この伸びしろの大きい日本市場の中で、今後の国内外経済を取り巻く大きな潮流は、『脱炭素社会』、『デジタル化』、『人口の高齢化』だと考え、運用チームで集中的にリサーチを行っています。こうした投資テーマの選定に当たりましては、運用チーム内でのディスカッションに加え、月例で、当ファンド運用チーム以外の株式運用チームや、海外株の運用チームとの情報交換会も活用しています」と、同社の国内株式運用チームの幅広い知見を活かしていると強調した。

 「脱炭素社会」は、調査会社の調べによると、EV(電気自動車)は現在から2028年にかけて4.7倍に急成長すると予測され、国内のEV関連企業も拡大する需要に対応すべく生産能力を着々と増強し、「今後業績をさらに押し上げるものと考えています」(小島氏)とする。

 また、「デジタル化」は、コロナを契機としたリモートワークの普及やデジタル庁の発足などによりハードとソフトの両輪が相乗効果で加速している。そして、「人口の高齢化」は、「がんなど、まだ有効な治療法の確立していない病気の新薬を開発している企業、今後2桁成長が予想されているバイオ医薬品の製造面に強みを有する企業、あとは、美容関連などに注目しています」(小島氏)と楽しみな分野が多いと語った。

 一方、設定から20年以上にわたって長期で優れた成績を残せている要因について小島氏は、「経済や株価はおおよそ3年周期で循環すると考えています。3年以上の長期でリターンがベンチマークを上回ることを目指せる運用を強く意識しています。

 ポートフォリオの構築にあたりましては、個別銘柄の選択に加え、相場局面を分析し、機動的な対応を行っています。相場の調整局面では割安感が強まった有望銘柄を積極的に組み入れ、相場反騰局面でベンチマークを上回るリターンを狙っています。相場局面の検討は、経済の体温計である素材や材料などを川上分野の取材成果や長年のリサーチ経験で構築した知見などが大いに役立っています。今後も、銘柄選択と相場局面分析の双方で積極的なリスクテイクを継続していきたいと思っています」と語っている。

 そして、2021年の運用成績が好調だった要因について小島氏は、「ポートフォリオのコアになる大型株に加え、ダイヤの原石ともいえる中小型成長株の発掘に注力しています。現在、私の担当セクター、または、注力分野である素材やテクノロジー、ヘルスケア分野を中心とする独自リサーチに加えまして、当社スモール株運用チームとの協業も行っています。

 最近の5年程度で見ますと、東京エレクトロン、日本電産、キーエンスなどの大型株で市場平均プラスαを獲得し、2016年に組み入れた東海カーボン、18年に組み入れたレノバ、19年のレーザーテックなど成長が期待される中小型銘柄を組み入れることで、銘柄選択効果を一段と高めてまいりました。私は脱炭素などのエネルギー関連を投資対象とするファンドも担当しております。このため早くから、再生可能エネルギーや電気自動車などの分野に注目してきたことも成長銘柄の発掘に大きな力になったと思っています」と、同社の小型株運用チームとの協業もポイントの1つだったと語った。

 2022年の株式市場は米国の金融政策やウクライナ侵攻など、様々な不透明要因から厳しい幕開けとなった。小島氏は、「当ファンドの基本スタンスである成長銘柄への投資に変更はございません。中長期的な利益成長が不変であるならば、いずれは企業価値が上がり、長い目で見た株価の上昇基調は崩れないと考えております。

 様々な外部要因により相場が短期的に大きく変化したときは、3年前後の時間軸で見て、報われるリスクがどうかを様々な角度からしっかりと分析し、真正面からリスクとチャンスに向き合ってまいります。その結果、チャンスをもたらすリスクと判断した際は伸びしろのある市場で積極的にリスクテイクを行い、中長期的な視点からダイヤの原石の発掘にこだわっていきたいと考えています。今後もパフォーマンスはもちろん、できる限り透明性の高い運用を行って、受託者責任を果たしていきたいと思っております」と語り、「日本株オープン『35』」を資産形成の手段として検討していただきたいと語っていた。(グラフは、「三菱UFJ 日本株オープン『35』」過去20年間のパフォーマンス推移)(情報提供:モーニングスター社)

関連記事(外部サイト)