貴金属と卑金属の境界はどこにあるのか?

貴金属と卑金属の境界はどこにあるのか?

希少価値が高く、時間がたっても腐食しないなどの特性から金、プラチナのような貴金属を所有したり、それに投資したりしている人は多いと思います。しかし金、銀以外は全て卑金属扱いでプラチナは貴金属に含まれていなかった時代もありました。(イメージ写真提供:123RF)

 希少価値が高く、時間がたっても腐食しないなどの特性から金、プラチナのような貴金属を所有したり、それに投資したりしている人は多いと思います。しかし金、銀以外は全て卑金属扱いでプラチナは貴金属に含まれていなかった時代もありました。
 
 このように、金属を分類する基準は時代とともに変化してきており、最近では学術界と産業界の間でも違いが出ているようです。
今回は次の二つの基準から貴金属と卑金属を分類してみましょう。
 
(1)化学性質による分類
(2)実需産業における分類
 
 (1)卑金属とは化学的に見れば、イオン化傾向の高い金属になります。金属のイオン化とは一言でいうと腐食を意味しますので、このイオン化傾向が高ければ卑金属、イオン化傾向が低ければ貴金属として分類されます。一般的(化学的)に、貴金属といわれるものは、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムがそれに該当しますが、上述したイオン化傾向が低いという点から銅と水銀を含めることもあるようです。
 
 (2)また貿易分野においては、貴金属か卑金属かによって関税にも影響が出るため、もっと明確な基準が必要になり、次の28の金属が卑金属として明示されています。鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、鉛、亜鉛、すず、タングステン、モリブデン、タンタル、マグネシウム、コバルト、ビスマス、カドミウム、チタン、ジルコニウム、アンチモン、マンガン、ベリリウム、クロム、ゲルマニウム、バナジウム、ガリウム、ハフニウム、インジウム、ニオブ、レニウム、タリウム。
 
 この二つの分類からしてみると、銅の位置づけが少し曖昧になっている気もします。貿易において銅は卑金属に該当しますが、その性質(腐食しにくい)からすると、貴金属の条件を満たしているとも言えるのです。
 
 確かに、オリンピックのメダルとしても使われている金属が卑金属であることに違和感を持つ方もいるかも知れません。また銅以外の卑金属のなかにも高価なものが存在しています。一方、貴金属だとしても、投資用や財産としてだけ使われているわけではありません。「都市鉱山」という言葉があるように、私たちを取り巻く生活の中で、普段使っている多くの家電には希少価値の高い貴金属が使われたりしています。
 
 このような観点からすると、貴金属と卑金属の分け方は完璧なものではないかも知れませんし、もしくは「貴」や「卑」という名前の付け方がそもそも相応しくなかったかも知れません。分類方式が今後時代の要請に合わせて変化していくことも考えられますし、それは興味深いことともいえるでしょう。しかし、金、銀、プラチナなど人々に宝石や投資商品として高い評価を受けているこれらの金属は、どのような基準を用いたとしても貴金属の地位は失わないのではないでしょうか。
 
(参考資料)貴金属と卑金属の違いと種類
 http://www.toishi.info/faq/question−twelve/base_noble.html
 
(イメージ写真提供:123RF)

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