邦銀61行が参加するコンソーシアムがインスタントペイメント提供開始へ、Rippleの分散台帳技術を商用化

邦銀61行が参加するコンソーシアムがインスタントペイメント提供開始へ、Rippleの分散台帳技術を商用化

SBIホールディングスとSBI Ripple Asiaが事務局を務め、国内61の銀行が加盟する「内外為替一元化コンソーシアム」は3月7日、スマートフォンアプリ「Money Tap(マネータップ)」を発表した。(写真は、内外為替一元化コンソーシアム会長の鳥居高行氏(りそな銀行常務執行役員))

 SBIホールディングス <8473> とSBI Ripple Asiaが事務局を務め、国内61の銀行が加盟する「内外為替一元化コンソーシアム」は3月7日、分散台帳技術(DLT)を活用した次世代送金システムの商用化としてスマートフォンアプリ「Money Tap(マネータップ)」を発表した。今夏をメドに、住信SBIネット銀行、スルガ銀行 <8358> 、りそなホールディングス <8308> 傘下のりそな銀行が先行してサービスを開始する。一般に「インスタントペイメント」と呼ばれるサービスで、少額資金の個人間送金を簡便・低コストで実現するアプリ。先行する3行に続いてコンソーシアム参加行などに徐々にサービスを拡大する。
 
 内外為替一元化コンソーシアムの会長を務める鳥居高行氏(りそな銀行常務執行役員)は、視察したスウェーデンの実情を例に出し、「スウェーデンでは、銀行が主体となった送金アプリが普及し、キャッシュレス社会を実現している。金融機関が主体となっていることに重要な意味がある。今回のアプリは、電話番号やQRコードなどを使って個人間送金を実現するものだが、この決済プラットフォームを使って法個人の送金も進め、社会全体の変化に銀行が主体的に関わっていきたい」と語った。法個人間の送金が可能になれば、商店での買い物等がキャッシュレス化できる。
 
 「Money Tap」は銀行間の決済プラットフォームである「RCクラウド2.0」に接続し、登録した銀行口座から、安全、かつ、リアルタイムに送金を可能にする。相手先指定には、銀行の口座番号の他、携帯電話番号、QRコードも利用できる。スマートフォンの指紋による生体認証と組み合わせることで、ユーザーエクスペリエンス(UX)とセキュリティの両立を図っている。
 
 送金に関する手数料は、銀行ごとに設定することができるようになっている。海外で普及しているインスタントペイメントのサービスは、少額の送金は無料で行われていることから、極力低い利用料でスタートするものと考えられる。サービス開始当初は、1日当たり、また、1回あたりの利用限度額を設定し、安全性を確認の上、徐々に高額な取引にも使えるようにしていく計画。
 
 事務局を務めるSBI Ripple Asia代表取締役の沖田貴史氏は、「デジタルペイメントは、2000年前半に『おサイフケータイ』などで日本は世界をリードしていた。それが、スマートフォン時代になってキャッシュレス化などにおいて先行国に対して周回遅れに近いところに置いて行かれるようなことになってしまったが、今また、ブロックチェーン技術の活用において日本がテクノロジーの面でもトップに返り咲くきっかけになる」と語り、内外為替一元化コンソーシアムの取り組みに期待を込めた。
 
 現在、同コンソーシアムは4つのワーキンググループ(WG)を設けて精力的な活動を展開中。今回のアプリに入った送金の仕組みは「内為商用化WG」が担当し、個人間の送金に続き、法人と個人間、法人間などの商用化の可能性を追求する。また、海外との送金関連の検討をする「外為商用化WG」では、既に韓国の大手銀行との間で日韓送金実験を実施。また、共通ゲートウェイやRCクラウドなどを活用した業務の効率化を検討する「IT・システムWG」。さらに、仮想通貨やブロックチェーンの利用に関する中長期的な検討を行う「仮想通貨・ブロックチェーン先端実験WG」がある。
 
 今夏のアプリによる個人間送金が問題なく運営できれば、登録金融機関の拡大が進み。さらに法人・個人間の送金が可能になれば、国内店舗での買い物等がキャッシュレスで可能になる。あるいは、アルバイト代の支払いなど法人から個人への送金もできるようになる見通し。さらに、海外でも同様な広がりができれば、海外旅行先などでもキャッシュレスでの買い物ができるようになる。
 
 中国ではアリババ(アリペイ)やテンセント(ウィチャットペイ)など金融以外の企業グループが決済業務で大きなシェアを握っているが、「Money Tap」は、これを銀行を主体に取り組む。先行事例としては、2012年12月に始まったスウェーデンの「Swish」(利用者数600万人)、米国の「Zelle」(17年6月開始、8600万人)など。アジアでも、タイの「PromptPay」(17年1月開始、2000万人)、シンガポールの「PayNow」(17年7月開始、100万人)などがある。今後の展開が楽しみな取り組みだ。(写真は、内外為替一元化コンソーシアム会長の鳥居高行氏(りそな銀行常務執行役員))(情報提供:モーニングスター社)

関連記事(外部サイト)