指定運用方法にターゲットイヤーファンドを採用した新「野村のiDeCo」取扱い開始

指定運用方法にターゲットイヤーファンドを採用した新「野村のiDeCo」取扱い開始

野村證券は9月3日から「野村のiDeCo」の商品ラインアップを拡充し、指定運用方法を採用するとともに、申込書類等を全面リニューアルする。野村證券確定拠出年金部長の大谷太郎氏(写真)に聞いた。

 野村證券は9月3日から「野村のiDeCo」の商品ラインアップを拡充し、指定運用方法を採用するとともに、申込書類等を全面リニューアルする。その狙いと今後の普及策について野村證券確定拠出年金部長の大谷太郎氏(写真)に聞いた。
 
 ――iDeCoのサービス内容をブラッシュアップした狙いは?
 
 金融庁が今年7月に中間まとめを行った「高齢社会における金融サービスのあり方」で指摘されているように、米国退職世代の個人金融資産は、過去20年間で約3倍に増加しているが、同期間で日本の退職世代の資産は伸びておらす、金融資産額は米国の半分以下になっている。この差は、米国が退職口座(IRA、401k等)を使って投資信託を中心とした資産形成を継続していることに対し、日本では預貯金や保険などで資産を貯え、有価証券での運用がほとんど進んでいないことが要因だと考えられる。
 
 現役時代に資産を形成する手段としてiDeCoは手厚い税制優遇もあり、老後の資産形成手段として、多くの方々に活用を検討していただきたい制度になっている。今年5月から指定運用方法が規定されるなど、関連法も新しくなったことにも対応し、運用商品ラインアップを拡充するとともに、申込書類の簡素化などを実施した。
 
 ――新たに「ひふみ年金」とターゲットイヤーファンド「マイターゲット」を採用した意図は?
 
 「ひふみ年金」は、つみたてNISAの採用ファンドのひとつに、同じ運用をする「ひふみプラス」があるため、長期の資産運用をめざすサービスとしてiDeCoにも採用して、同じ目線で使い続けていただけるようにした。
 
 「マイターゲット」については、従来から「2050」がiDeCoのラインアップにあったが、今回は「2030」「2035」「2040」「2045」「2055」「2060」とフルラインアップを揃えた。5年きざみなので、ご自身の退職年齢に近いターゲットイヤーを設定していただくことができると思う。
 
 ターゲットイヤーファンドは、指定した目標年(ターゲットイヤー)に向けて、徐々に安定的な資産配分に変更していく商品。株式等リスク資産への配分比率が高いと、退職年が近づいた時にリーマンショックのような大きな下落局面に遭遇してしまうと、せっかく増えた資産を大きく傷つけることになってしまう。ターゲットイヤーファンドは、自動車に例えると「自動運転」のようなものなので、目的地(目標年)だけを指定すれば、配分見直しやリバランスを自動的にやってもらえる手軽さがある。
 
 あるいは、投資の経験が乏しく、自分自身では運用の仕方が分からないという場合でも、ターゲットイヤーファンドは分散投資と運用リスク管理がファンドの仕組みに入っている商品として、ご活用いただきやすいと思う。
 
 今回採用した指定運用方法も「マイターゲット」にした。お申し込み後、一定期間を経過しても掛金の配分方法の指定がない場合、お客さまの生年月日に応じた「マイターゲット」で運用されることになる。
 
 ――指定運用方法を採用した狙いは?
 
 当社のこれまでのiDeCoは、お申込みに当たって、必ず運用商品を指定する必要があった。運用商品の指定がないと、お申し込みを受付けられなかったが、このことがiDeCoのお申し込みをためらわせる一因にもなっていたように思う。資産運用の経験がない方に、運用商品のリストと、個々の説明資料を示して、この中から選んでくださいといっても、やはり戸惑いが大きかったろうと思う。
 
 今回、指定運用方法を採用したことによって、ひとまず制度に加入して、運用商品の指定はゆっくり考えて決めていただけるようになった。加入者向けのWebサイトでは、各種シミュレーション機能も使っていただけるので、ご自身のリスク許容度に応じたモデルポートフォリオなどもご確認いただける。より運用商品を選びやすくなる環境が提供できる。それでも、商品を選ぶことができなかった方は、「マイターゲット」での運用が始まり、国内外の株式・債券に分散投資したポートフォリオが提供されることになる。
 
 iDeCoのような長期の資産形成をめざす制度では、国内外の株式・債券に幅広く分散投資することが有効と考えられ、かつ、運用期間が長く取れる場合はリスク資産である株式の配分比率を大きくし、運用期間が短くなると安定資産である債券の比率を大きくすることは合理的だ。ターゲットイヤーファンドは、長期の資産形成に適う運用が自動的にできる商品としてiDeCoに相応しい商品だと考える。
 
 ――その他、今回の改訂で見直したことは?
 
 従来は、お申し込みキットは自営、会社員、公務員、専業主婦(夫)という属性に応じた4つのキットを使っていたのだが、これらを整理して1つにし、申し込みキットの手続き帳票なども分かりやすく簡略なものにした。
 
 また、iDeCoの加入から、運用、そして、年金の受給手続きに至るまでの一連の流れを分かりやすく10分程度で解説する動画を作って、いつでも参照していただけるようにした。
 
 ――「野村のiDeCo」は月額掛金1万円以上で運営管理機関手数料が無料だ。運営管理機関手数料を割り引くキャンペーンなどはできないが、今後の普及に向けた取り組みは?
 
 地道に制度の普及に取り組んでいきたい。支店で行っているセミナーには、iDeCoや積立投資をテーマにしたものもあり、全国で開かれている。
 
 また、来年には現在は厳しく制限されている支店窓口の担当者によるiDeCoの商品説明についても規制が緩和される見通しだ。日頃から投資アドバイスを行っている担当者がiDeCoの説明もできるようになると、お客さまの利便性は増すだろう。新しい規制のルールを確認しながら、規制緩和に対応したい。
 
 「野村のiDeCo」のパンフレットには「あんしんを、50年先まで。」とメッセージを載せている。人生100年時代を迎え、現役時代に老後の資産を積み上げ、そして、退職後に運用しながら取り崩すということをしないと、100歳まで満足のいく生活を続けることは難しい時代になっていると思う。そのために、iDeCoの普及は重要なテーマとして取り組んでいる。
 
 iDeCoは始めることも大事だが、加入後に安心して続けられることも大事だ。当社のコールセンターや専用Webサイトは、HDI−Japan(HDIはHelp Desk Institute=ヘルプデスク協会の略)の最高評価を両部門で獲得している。手続きにあたっても、また、加入後の疑問についても、オペレーターが丁寧に疑問にお答えする体制ができているので、安心して運用を継続していただける。今回の商品追加で運用商品ラインアップも充実した。50年先までお付き合いいただけるパートナーとして、是非、野村證券をお選びいただきたいと思う。(情報提供:モーニングスター社)

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