モーニングスターの19年3月第3四半期決算は連結経常利益10期連続増益、7期連続最高益更新

モーニングスターの19年3月第3四半期決算は連結経常利益10期連続増益、7期連続最高益更新

モーニングスターは1月24日、2019年3月期第3四半期決算(連結)を発表した。売上高46億15百万円で前年同期比6.4%増、経常利益13億97百万円で同10.0%増だった。(写真は、2019年3月期 第3四半期決算の概況を説明するモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏)

 モーニングスター <4765> は1月24日、2019年3月期第3四半期決算(連結)を発表した。売上高46億15百万円で前年同期比6.4%増、経常利益13億97百万円で同10.0%増だった。経常利益は10期連続増益、7期連続で過去最高益を更新した。当日、決算説明会を開催し、同社代表取締役社長の朝倉智也氏(写真)は、「投資信託市場が大変厳しい中にあって、増収増益決算を継続することができた。今後も環境に左右されず、安定した増収増益決算をめざしたい」と語った。
 
 2018年4月〜12月の期間で公募投信の設定額は15.6兆円と前年同期比18.5%減。公募投信の設定本数は268本(同22.5%減)と投資信託市場は冷え込んだ。このため、ファンドレポートやフィンテック関連ツールなどの売上は減少したが、同社が注力しているタブレットアプリ向けのデータサービスは9.8%増収と堅調。また。セミナー運営等のメディア・ソリューションも12.8%増収と伸びた。子会社を通じたアセットマネジメント事業を通じた売上高も10.4%増と続伸している。

 同社の主要KPIでは、タブレットアプリの提供社数、提供台数において、社数は2017年12月末の88社から18年12月末は187社と2.1倍に増加。台数も4.9万台から6.6万台へと34.8%伸びた。既に地方銀行で採用しているのは59行と地方銀行全体の過半数を上回り、同社のタブレットアプリが業界標準といえる地位を獲得している。

 朝倉氏は、このタブレットアプリについて、「今回は、地方銀行と証券仲介業で採用者数が伸びたが、たとえば、信用金庫では投信を取り扱っている約200信金に対し、タブレットを提供しているのは27信金にとどまる。証券仲介業者にも拡大余地は大きいと感じている」と提供社数の拡大は続くとした。19年3月末に200社をめざし、来期以降も一段と拡大すると見通した。
 
 そして、「現在のタブレットアプリの使われ方は、提案ツールとしてファンドの比較・合成チェートや、リスク・リターン分析、ポートフォリオ分析などでご利用いただいているが、次のステップとして顧客情報と連携したCRM連携が求められる。これは現在2社に提供している。そして、最終的には、タブレットから注文できる売買システムとの連携が求められるだろう。タブレットアプリの進化も並行して進めていきたい」と語った。

  また、メディア・ソリューションでは、メガバンクや地方銀行など有力な販売会社と連携したセミナーを全国規模で展開できるようになってきたことが、収益に貢献してきていると語った。「運用会社が単独で販売会社と組んでセミナーを開催すると、まるでその運用会社の商品を販売するために開催されるように見えるが、第3者機関としてモーニングスターが入って全体をアレンジし、複数の運用会社や保険会社が一緒になってセミナーを開催することで、参加者も参加しやすい大規模なセミナーになる。昨年2月に福岡で850人を集めるセミナーを開催したが、これが千葉県や北海道、大阪府などへと広がっている。今年は、5月以降も相次いで地方でのセミナーが決まっている」と、セミナー事業が拡大していると語っていた。

 一方、アセットマネジメント事業は、国内の株安などを背景に純資産残高が19%減になった。17年12月末から1年間で資金流入額が276億円あったものの、マーケットの下落によって859億円のマイナスになった(差し引き583億円のマイナス)。この1年間に販売会社の開拓に注力し、17年12月末に36社だった販社が50社に増えたことはプラス材料だが、朝倉氏は、「SBIアセットの運用商品は、日本株の中小型株で運用する『ジェイシリーズ』の残高シェアが41.2%、グローバル・リートが20.3%で全体の60%を占めていた(17年12月末現在)。日本株やリート市場の下落等によるマーケットインパクトが大きい。グローバル・バランスや積立型の商品をより積極的にアピールし、より安定的な収益構造になるようにしたい」と語った。

 そして、今後の経営戦略として、65万ダウンロードに達したスマートフォンアプリ「株・投信情報」に有料版の投入を計画。「19年5月にスマホアプリの有料版を投入し、購読モデルによる収益化をめざす。アクティブな個人投資家や販売会社や運用会社の業界関係者に使っていただけるような、より専門的なパフォーマンスの要因分析や売れ筋情報がつかめる資金流出入の情報など、日々の細かいデータを分かりやすく伝えるツールとして有料でも利用者が獲得できるようにしたい」とした。スマホ版やアプリ版が拡大している「株式新聞」について「海外株情報を拡充し、国内株と比較できる機能を付加するなど、現在の投資家ニーズに応える情報を拡充する」と語り、拡販につなげたいとした。

 また、この1月に買収調印をしたアメリカの「CARRET Asset Management」は、運用資産残高が25億ドル(2740億円)とSBIアセットと同じような規模の運用会社。債券運用に強みのある運用会社で、この会社の買収について朝倉氏は、「地銀や信金等の自己運用部門において、日本の国債でのリターンが期待できない中、アメリカ国債は10年で2.6%台の利回りがあり、かつ、社債やモーゲージ債など、アメリカの債券市場は多様で規模も大きい。機関投資家向けの私募ファンドの提供という点で、CARRETには様々な運用商品があり、残高増の期待が強い」とした。そして、この買収に伴って、モーニングスターの事業別構成比が、現在はモーニングスター単体の事業領域であるファイナンシャル・サービス事業と、運用子会社のアセットマネジメント事業の比率が営業利益ベースで64対36の比率だが、徐々にアセットマネジメント事業の比率が拡大し、3年後には50対50になるという見通しを語った。(写真は、2019年3月期 第3四半期決算の概況を説明するモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏)

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