10連休だが「FX」は取引継続、変動幅に注意! 外為オンライン佐藤正和氏

10連休だが「FX」は取引継続、変動幅に注意! 外為オンライン佐藤正和氏

10連休が始まる前に準備しなければならないこともあるはずだ。外為オンラインアナリストの佐藤正和さん(写真)に、5月の為替相場の動向をうかがった。

 いよいよ「平成」から「令和」への転換に伴って10連休が始まる。10日間連続で株式市場がクローズする中で、海外の金融マーケットはそのまま取引が続けられるため、予期せぬ大きな価格変動が起こった時にどう対応すればいいのか・・・。10連休が始まる前に準備しなければならないこともあるはずだ。外為オンラインアナリストの佐藤正和さん(写真)に、5月の為替相場の動向をうかがった。

 ――10連休中、唯一FX市場は開設されているといわれていますが・・・?

 証券会社や株式を扱う証券取引所は10連休に入るわけですが、FX市場は連休中でも原則として海外市場がオープンしていれば取引が行えるマーケットになっています。弊社の場合も、4月29日、30日、5月1日、2日、3日そして6日は、通常通り取引ができます。

 10連休中も、土曜日、日曜日を除いて通常通りFX取引が可能になるということです。海外で大きな変動があったとしても対応は可能になります。とりわけ、この10日間は様々なイベントや統計発表が続いており注意が必要になります。どんなイベントや統計があるのか、きちんと把握して10連休を過ごすことが大切です。

 ――10連休中に注意したいイベントや統計発表にはどんなものがありますか?

 まず4月30日には、中国の「製造業PMI(購買担当者景気指数)」、5月2日には同じく「財新製造業PMI」の発表があります。景気回復が指摘されている中国経済ですが、景況感指数でどんな数字が出てくるのか注目したいところです。中国経済が回復してくれば、日本企業の業績も回復しますから、為替市場にも大きな影響があるかもしれません。

 5月1日〜2日にかけては、米国の「FOMC(連邦公開市場委員会)」があります。 パウエルFRB議長の記者会見もありますから、今後の金融政策の方向性がさらにはっきりする可能性があります。また5月3日には、米国の雇用統計の発表もあります。雇用統計は、為替市場に大きな影響をもたらすため、想定外の結果が出れば為替市場も大きく動くかもしれません。 

 その他、米国や欧州各国の業種別PMIの発表が相次いでおり、 今後の景気を占う意味で大きな注目を集めます。10連休中は、海外のニュース動向に注目しておく必要があるでしょう。

 ――中国経済の回復が指摘されていますが、ポイントはどこでしょうか?

 中国政府による大型減税と金融緩和によって、中国経済が持ち直しつつあると指摘されていますが、それを確かめるのがこの10日間の統計発表になると思います。中国経済の回復によって、米国経済の好景気も堅調になっており、米国株のS&Pやナスダックはすでに史上最高値を更新しています。ニューヨークダウ平均も、あと数百ドルのところに来ています。

 先日の住宅関連の統計でも回復が見られており、市場は再び「適温相場(ゴルディロックス相場)」に入ってきたと言っていいでしょう。米国の一人勝ちが鮮明になってきました。

 ――元号が令和に変わる日本の景気も回復するのでしょうか? 

 この4月26日〜27日にかけて「日米首脳会談」が行われ、いよいよ「日米物品貿易交渉(TAG)」が始まることになります。安倍首相とトランプ米大統領がどんな交渉をするのかは不透明ですが、連休明け以降の相場動向を予測する上では、その結果次第でどうなるかを見極めたいものです。

 日銀の金融政策決定会合が、4月24〜25日にかけて行われましたが、フォワードガイダンス(将来の指針)で「少なくとも2020年春頃まで」との文言を加え、現在の大規模な金融緩和を継続することを明確にしました。また、新たに示した21年度の物価上昇率の見通しは1.6%とし、目標の2%にはなお届かないことを示しています。

 消費税率アップが予定通り10月から行われるのかも気になるところですが、令和がどんな時代になるのかを見極める意味でも、10連休明けの相場には要注目です。

 日本への影響という点では、英国の「EU離脱(ブレグジット)」も気になるところです。 4月10日に開催された臨時EU首脳会議で、ブレグジットの期限を最大10月31日まで再延長することで合意しましたが、英国のメイ首相が辞任するのではないかとも言われており、まだまだ紛糾しそうです。日本企業への影響も懸念されるため、こちらも要注目です。

 ――5月の予想レンジを教えてください。

 5月の景気動向を見る上で気になるのは、原油価格の動向です。米国がイランからの原油輸入を全面禁止する方向性を打ち出したことで、原油価格は1バレル=66ドル台に達しており、原油価格の動向によっても為替市場は大きく変動する可能性があります。そうした点も考慮に入れると、次のような予想レンジになります。

●ドル円・・1ドル=110円−113円
●ユーロ円・・1ユーロ=121円−129円
●ユーロドル・・1ユーロ=1.1ドル−1.15ドル
●ポンド円・・1ポンド=140円−149円
●豪ドル円・・1豪ドル=76円−81円

 ――10連休の対応を含めて5月相場の注意点を教えてください。

 やはり、10連休中の相場動向には注意をしておくことが大切です。幸いFX市場は祝日とは関係なしに市場が開いているため、急激な変動相場には対応できますが、想定外の急激な変動で追証などが発生した場合、ロスカットされてしまえば問題ありませんが、ロスカットを超える資金が必要になった場合、10連休中は送金ができません。その場合は、それ以降の取引はできなくなってしまいます。

 あらかじめ多めの資金を口座に入金して余剰資金を豊富にしておく、あるいはポジションを小さくしておくなどの対応が必要です。いずれにしても、きちんと統計発表のニュース等を見て、市場動向には注意を払っておく必要があるでしょう。想定外のボラティリティ(変動幅)があることを前提に、連休中を過ごす方がいいかもしれません(文責:モーニングスター編集部)

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