モーニングスター第3四半期決算は2ケタ増収増益で最高益更新、3年先見据えた基盤拡充計画を推進

モーニングスター第3四半期決算は2ケタ増収増益で最高益更新、3年先見据えた基盤拡充計画を推進

モーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏(写真)は、「環境変化に業績が左右されにくいSaaSモデルとアセットマネジメント事業を2本柱に安定した成長を継続したい」と語り、向こう3年間の事業展望を語った。

 モーニングスター <4765> が1月27日に発表した2021年3月期第3四半期連結決算は、売上高54億79百万円(前年同期比11.1%増)、経常利益15億79百万円(同12.9%増)と増収増益決算になった。コロナ禍によって対面セミナーの開催が制約されるなど経営環境は逆風となったが、売上高は4期連続で過去最高更新、経常利益は9期連続の過去最高益更新を記録した。当日に決算説明会を開催し、同社代表取締役社長の朝倉智也氏(写真)は、「環境変化に業績が左右されにくいSaaS(Software as a Service)モデルとアセットマネジメント事業を2本柱に安定した成長を継続したい」と語り、向こう3年間の事業展望を語った。

 同社の連結経常利益は、第1四半期(20年4−6月)こそ前年同期比13.9%減と2ケタ減益になったものの、第2四半期(7−9月)は同33.3%増、そして、第3四半期(10−12月)は32.3%増と7月以降は前年同期比30%以上の増益になった。メディア・ソリューション事業はウェブ広告の売上高が前年同期比71.8%減、セミナー関連が同24.1%減と落ち込んだものの、2ケタ増収増益になった業績をけん引しているのが、朝倉氏が「SaaSモデル」という資産運用関連データ提供サービスと、私募投信のアセットマネジメント事業だ。

 「SaaSモデル」のコアとなるタブレットアプリ「Wealth Advisors」は、2020年12月末現在で10万614台と提供台数が10万台を突破した。19年12月末比で11.4%増、採用機関数も464社と同10.7%増になった。タブレットアプリ関連データの売上高は約3億73百万円と前年同期比4.7%増収と着実に拡大している。

 また、アセットマネジメント事業では主に金融機関向けの私募ファンドを取り扱うSBIボンド・インベストメント・マネジメントとSBI地方創生アセットマネジメントの売り上げが伸びた。SBIボンドの売上高は約7億22百万円で前年同期比43.0%増、SBI地方創生は4億6百万円で同7.8倍と大幅に伸びた。主として公募投信を取り扱うSBIアセットマネジメントが売上高16億77百万円と12.5%減収であったところを補って事業の収益を押し上げた。

 朝倉氏は、「SaaSモデル」について、「アプリの残高を維持して新たな需要も取り込むため、提供サービスのブラッシュアップを進めて満足度を落とさないことが重要」と語る。資本業務提携したMILIZEが開発したライフプランシミュレーションツールをアプリに搭載し、保有する預金、投信、保険、年金、不動産、ローン等の全ての金融資産・負債を一元管理し、総合的なライフプランシミュレーションを可能にした。学費については高校、大学の学校別に、また、賃金情報も企業名で平均賃金がデータ化されデータ更新もされるため、「どの高校、どの大学に進学し、どの企業に入社すると資金収支がどのように変化する」という具体的なシミュレーションが可能になるという。加えて、コロナ禍で実際の面談によるアドバイスが難しくなっていることに対応し、オンライン面談で同じ画面を共有しながら対話ができる機能を搭載するとした。

 さらに、Wealthアドバイザーは「3年後に700社、15万台の導入」という具体的な目標値も明らかにした。また、CRM連携したフェーズ2の段階に進んだ提供先が現在は導入検討中も含めて9社あるところ、3年後にはフェーズ2以上に50社の展開をめざすという。そして、SaaSモデルを一段と強化するため、金融機関の非対面販売を支援するデータ提供先を現在の62社から100社に拡充、企業型確定拠出年金の従業員向けの投資教育・アドバイスアプリの提供(21年5月リリース予定)、21年4月に株式新聞デジタル版への完全移行――などによって厚みのある収益基盤とする計画だ。

 一方、アセットマネジメント事業については、「3年後に地域金融機関を中心とした機関投資家向け私募投信の残高5兆円をめざす」とする。2019年3月末時点で地域銀行が保有する有価証券80兆円のうち2割弱にあたる15兆円相当が3年以内に償還を迎える国債・地方債であり、この代替投資先としてヘッジ付き外債など、同社グループが得意とする債券を中心としたリスクの小さいファンドに需要があるとする。また、公募投信分野でも低コストのインデックスファンドに注力し、現在約2000億円のインデックスファンド残高を3年後に1兆円規模に拡大することをめざす。そして、個人向けのロボアドバイザーを使った低コストのファンドラップも計画しているとした。

 朝倉氏は、「メディア・ソリューションや公募投信のアクティブファンドに関する事業は、景気や市場の変動の影響を受けやすい傾向がある。その点で比較すると『SaaSモデル』や私募ファンド、あるいは、積立投資のニーズに応えるインデックスファンドは、環境の変化に左右されにくく、着実に収益を伸ばせるメリットがある。2本の柱を強化することで、5年、10年という長期にわたって株式を安心して保有していただけるような業績を続けていきたい」と語っていた。

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