S&P 500 月例レポート ― トランプ氏の次なる相手 (9) ―


※ (8) から続く。

●投資家が押さえておくべきポイント (2)

→10月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比16万1,000人増と、予想の17万8,000人増を下回りました。一方、9月分は従来発表の15万6,000人増から19万1,000人増に上方修正されました

 ○失業率は5.0%から4.9%に低下しました。

 ○労働参加率は前月の62.9%から62.8%に低下しました。

 ○週平均労働時間は横ばいの34.4時間でした。

 ○ただし、特筆すべき点として、時間当たり賃金は9月の25.79から25.92に前月比0.4%増加し、前年同月比では2.8%増と2009年以来最高の伸びを記録しました。

 ○11月のADP民間雇用者数は、予想の16万人増に対して、21万6,000人増と力強い伸びとなりました。11月の雇用統計は12月2日(金)に発表されます。

→企業によるレイオフの発表が続きました

 ○情報サービス企業のThomson Reuters(TRI)は従業員2,000人の人員削減を発表しました(同社の世界全体の従業員数は4万8,000人)。

 ○航空機メーカーBoeing(BA)は人員500人を削減し、二つの生産工場を閉鎖することを発表しました。

 ○太陽光発電メーカーFirst Solar(FSLR)は、従業員の4分の1以上にあたる1,600人の人員削減を発表しました。

 ○通信サービス大手Verizon Communications(VZ)傘下のインターネットサービス大手AOLは従業員の5%にあたる500人の人員削減計画を明らかにしました。

 ○ドイツの自動車メーカーVolkswagen(VLKAY)は、大規模な事業再編計画を発表し、今後5年間に3万人(そのうち、ドイツ国内が2万3,000人)の人員削減を行うことを明らかにしました。

→住宅市場は引き続き、明るい材料となりました

 ○10月の住宅着工件数は年率換算132万3,000戸と、予想の116万8,000戸を上回りました。また、住宅建設許可件数も、同122万9,000戸と、予想の119万戸を上回りました。

 ○9月のFHFA住宅価格指数は前月比0.6%上昇しました。

 ○10月の中古住宅販売件数は年率換算560万戸で、前年同月比5.9%増となりました。

 ○10月の新築住宅販売件数は年率換算56万3,000戸となりました(予想は下回りました)。

 ○9月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数は前月比0.1%上昇して過去最高を記録しましたが、前年同期比は8月の5.2%上昇から5.1%上昇に伸びが鈍化しました。

→経済指標関連では

 ○10月の自動車販売台数は年率換算1,800万台と、2015年11月以来の高水準を記録しました。

 ○10月の小売売上高は前月比0.8%増と、予想の0.6%増を上回りました。

 ○10月のPPIは前年同月比0.8%上昇、コアPPIは1.2%上昇となりました。

 ○10月のCPIは前年同月比1.6%上昇、コアCPIは2.1%上昇となりました。

 ○10月の個人所得は前月比0.6%増、個人消費支出は0.3%増でした。

 ○10月のPCE価格指数は前年同月比1.4%上昇、コアPCEは1.7%上昇でした。

 ○第3四半期の非農業部門労働生産性は前期比年率3.1%上昇と、予想(2.2%上昇)を大幅に上回る反発を示しました(第2四半期は同0.2%低下)。

 ○10月のマークイット・サービス業PMIは、9月の52.3から54.8に上昇しました。

 ○10月のISM非製造業景況指数は54.8と、9月の57.1から低下しました。

 ○10月の耐久財受注は前月比4.8%増と、予想の1.5%増を大幅に上回りました。

 ○9月の建設支出は予想の前月比0.6%増に対して、0.4%減となりました。

 ○9月の製造業受注は予想の前月比0.2%増に対して、0.3%増となりました。

 ○第3四半期の企業利益は前年同期比5.2%増でした。

 ○11月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数は107.1と、10月の100.8から大幅に上昇しました。

 ○2016年第3四半期のGDP改定値は、速報値の前期比年率2.9%増から3.2%増に上方修正されました。確報値は12月22日に発表されます。

→S&Pダウ・ジョーン・インデックスは10月に、医療サービスのAmSurg(AMSG)と不動産のMid-American Apartment Communities(MAA)をS&P500指数に組み入れた一方、資産運用のLegg Mason(LM)と金属・ガラスのOwen’s Illinois(IO)を同指数から除外しました。

 ○両方の変更ともに、S&P中型株400指数からの入れ替えによるものでした。

→フィットネスをしながら、天高く飛びなさい。たとえ落ちたとしても、もう少しで全てを手に入れられるところだったことを忘れないで

 ○上場後、一時株価が大幅に上昇した健康管理・フィットネス・ウェアラブル端末メーカーのFitbit(FIT)は、決算が市場予想とガイダンスをともに下回ったことが嫌気され、11月は37.0%下落しました。11月の終値は8.36ドルと、2015年6月のIPO価格30.40ドルを72.5%下回っています(2015年8月の高値51.90ドルからは83.9%の下落)。

 ○ウェアラブルカメラメーカーのGoPro(GPRO)は低調な四半期決算を受けて、11月に21.9%下落し、9.98ドルで取引を終えました。同社株は2014年9月には94ドルまで上昇しており、2014年6月のIPO価格は24ドルでした。

→その他の注目材料は以下の通りです

 ○イングランド銀行のカーニー総裁は、予想されるEU離脱の期限よりも先の2019年6月まで現職にとどまる意向を明らかにしました。

 ○英高等法院はEU離脱の手続きを正式に開始するには議会承認が必要との判決を下しました。判決はメイ首相にとって痛手となります(首相は上訴する方針です)。今回の判決を受けて政治情勢も離脱プロセスに影響を与えることが見込まれ、2017年3月に予定されているEUへの離脱通告が遅れる可能性があります(通告から2年後に離脱が発効します)。

 ○IEAは、長期の石油需給見通しを据え置き、世界の石油需要は2015年の日量9,250万バレルから2040年には同1億350万バレルに増加するとの予想を示しました。また、中国が米国に代わり最大の石油需要国になるとの見通しを示し、代替エネルギー源を見出すことの困難さついても指摘しました。

 ○ドイツのメルケル首相が2017年の連邦議会下院選挙に首相候補として出馬し、4期目を目指す意向を表明しました。選挙では、支持が拡大している右派と左派双方の主張に対して同首相の政策が試されることになります。

 ○ホリデー商戦に関する当初発表によると(今後修正される予定)、感謝祭の週末にオンライン販売にアクセスしたビジター数は推定で1億9,000万人、支出額は昨年を18%上回る52億7,000万ドルとなっています。一方、実店舗の来店客数は推定で9,900万人、売り上げは10%減となっています。

→サイバーマンデーのオンライン・ビジター数は推定で10%増、売り上げは340億ドルでした。

 ○高級宝飾品・ギフト製品のTiffany(TIF)は、トランプ・タワー(ニューヨーク5番街に位置し、トランプ氏が居住)に隣接する旗艦店で、最近のトランプ氏に対する抗議デモや追加のセキュリティの必要性から、打撃を受けたことを明らかにしました。


[執筆者]
ハワード・シルバーブラット
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
シニア・インデックス・アナリスト


※本翻訳は、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。
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