なぜ浦安始発? 東西線、車庫がない中間駅から列車を設定 その意図を東京メトロに聞いた

なぜ浦安始発? 東西線、車庫がない中間駅から列車を設定 その意図を東京メトロに聞いた

東京メトロ東西線の浦安駅(2014年9月、草町義和撮影)。

東京メトロ東西線のダイヤ改正で、浦安を始発駅とする列車が平日朝に2本新設されます。浦安駅は車庫も折り返し設備もない中間駅ですが、なぜこの駅が始発駅に設定されたのでしょうか。

車両基地から3駅通過して浦安へ

 2019年3月16日(土)、東京メトロ東西線のダイヤ改正が行われ、平日の朝6時台に浦安駅(千葉県浦安市)を始発とする中野行き列車2本が新たに運転されるようになります。

 東西線は、日本橋駅や大手町駅を経由し、西船橋駅(千葉県船橋市)と中野駅(東京都中野区)を結ぶ地下鉄路線です。ほとんどの列車が西船橋〜中野間の全線を走りますが、妙典駅(千葉県市川市)や東陽町駅(東京都江東区)などの中間駅を発着する列車もあります。

 妙典駅と東陽町駅の近くには車両基地があるため、これら2駅を始発駅とする列車があるのはうなづけます。妙典駅と東陽町駅の利用者にとっては、座れる確率が非常に高いというメリットもあるのです。

 しかし今回のダイヤ改正で始発駅として設定される浦安駅は、近くに車両基地がありません。折り返し運転のための引き込み線や渡り線もありませんから、浦安行きの列車を運行して折り返すこともできません。東京メトロによると、妙典駅の近くにある車両基地から浦安駅まで列車を回送するといいます。

 このため、車両基地から浦安駅までのあいだにある妙典、行徳、南行徳の3駅は客を乗せずに通過します。それなら、これら3駅でも客を乗せれば妙典〜浦安間の営業列車が増えますし、便利になるはずです。

「要望の実現」だけではない浦安始発の狙い

 東京メトロはなぜ、わざわざ回送運転を行ってまで浦安始発の列車を運転することにしたのでしょうか。同社に話を聞きました。

――ダイヤ改正で浦安始発の列車を新設するのはなぜですか?

 浦安駅の利用者から「(座れる可能性が高い)始発列車を運転してほしい」という要望があり、今度のダイヤ改正で新設することにしました。

――ほかの路線の中間駅でも、そうした要望はあるのでしょうか?

 多くの路線の中間駅で「始発列車を運転してほしい」という要望をいただいていますが、今回は最も混雑が激しい東西線で実現させることにしました。

――朝6時台に2本運転するとのことですが、これは東西線が最も混雑する時間帯から外れています。

 浦安始発の列車は、時差通勤キャンペーンの一環という面もあります。座れる可能性が高い始発列車を早朝に設定することで、時差通勤の魅力を高めたいと考えています。

※ ※ ※

 ちなみに、東京メトロはダイヤ改正に先立ち、2019年1月21日(月)から2月1日(金)の平日にも、浦安始発6時31分の高田馬場行き臨時列車「時差Bizトレイン」を運行する予定です。

 国土交通省の公表データ(2017年度)によると、東西線の最大混雑率はピーク時で199%(7時50分〜8時50分、木場→門前仲町)。これは1時間の平均値ですから、列車によっては200%を超えているかもしれません。

 これに対してピーク前の6時50分〜7時50分は157%と、比較的余裕があります。そこで東京メトロは時差通勤キャンペーンを展開。ピーク前の時間帯に東西線を利用すると、商品券などに交換できるメダル(ポイント)が付与されます。これにより通勤客を早朝に誘導し、ピーク時の混雑緩和を図ろうとしているわけです。

 ただ、東西線の最大混雑率は京葉線の全線開業(1990年3月10日)で200%前後に下がって以降、おおむね横ばいで推移しており、目立った変化はありません。早朝の浦安始発列車が時差通勤キャンペーンの「魅力」を大きく高め、ピーク時の混雑緩和につながるのかどうか、今後の混雑率の推移が注目されます。

※一部修正しました(1月17日10時05分)。

【図】こんなに変わった! 東西線の混雑率

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