【悲報?】少年期のビデオゲームをすると、運動神経が向上し視覚的反応が早くなる! しかし、“制限時間”アリ…

【悲報?】少年期のビデオゲームをすると、運動神経が向上し視覚的反応が早くなる! しかし、“制限時間”アリ…

「Grand Forks Herald」の記事より。

 学童期にビデオゲームに熱中することは、確かに学習時間を削るものになり得る。しかし、その一方で成長期に運動やビデオゲームなどで身体や脳に適度な刺激を与えることは、優れた反射神経や認知機能を育むものであることも指摘されている。ではいったいどの程度の時間までならビデオゲームが子どもの成長にポジティブに働くのだろうか。

■ビデオゲームは幼年期の能力養成に有効だが“制限時間”アリ?

 プロゲーマーが存在する時代、ひょっとするとゲームの分野でも今後はスポーツ競技と同じく、子どもの頃からの英才教育が一部で行なわれるようになるのかもしれない。あるいは個別的に先見の明のある親御さんによってすでに実際に行なわれているのかもしれないが……。

 しかしながら、ゲームのプロを目指すわけでもない普通の子どもはどの程度ならビデオゲームを遊んでよいものなのだろうか? ゲーム好きにはちょっと酷かもしれない最近研究が報告されている。子どもがビデオゲームを“健康的に”遊べる時間は実はけっこう短いのだ。

 スペイン・バルセロナにあるデルマー病院のヘスス・プジョル医師らが先日、神経科学系学術誌『Annals of Neurology』で発表した研究によれば、学童期の子どもにビデオゲームが好影響を与えるプレイ時間は、なんと週に1時間だという。1日にすればわずか10分程度と、ゲーム好きにとってはなかなかシビアな数字が提示されることになった。

「子どもにとって、ビデオゲームをプレイすることはおそらく良いことであり、また必要なことでもあります。しかしながら、そこにはほぼ間違いなく推奨される制限時間があります」(ヘスス・プジョル医師)

 ビデオゲームは成長期の児童のいくつかの能力向上に役立っているが、特に視覚情報への反応スピードを早めることに貢献しているという。しかし、その効果を発揮するのも、週にせいぜい1、2時間程度のプレイ時間というのだから、なんとも遊び足りない感じもしてくるだろう。

■ゲーマーの子どもは脳の運動野が変化している

 研究ではスペイン・マドリッドの7〜11歳の学童2,442人が1週間でどれほどの時間をビデオゲームで費やしているのかを調査した。プレイ時間の把握は両親によって行なわれ、逐次報告してもらう形でデータが集められ、加えて各人の学業成績のデータも収集された。さらに、それぞれの子どもたちの運動反応スピード、注意力、ワーキングメモリを測定したのである。

 週に18時間以上ゲームをプレイしている完全にゲーマーの子どもはいったん統計から排除したが、両親がまったくゲームをしない家庭の子ども428人は統計に含めたという。そしてこれらのデータから、子どもたちの1週間における平均プレイ時間は4時間であることが明らかになった。男の子のほうがビデオゲームを長くプレイしていて、女の子よりも平均1.7時間長いという。

 分析の結果、ビデオゲームのプレイ時間が週に1時間前後のグループは、まったくゲームをしない子どもたちに比べてきわめて優れた運動反応スピードを持っていることが明らかになった。

 一方、注意力とワーキングメモリに関しては、ゲーマーと非ゲーマーの間に有意の差は見出せなかったという。また、落ち着きがないなどの問題行動についても、ゲームをするしないにはほとんど関係がないことも判明した。

 さらに、この優れた運動反応スピードを持つゲーマーの子どもたち260人の脳波をMRIを使って分析してみると、非ゲーマーの子どもたちにはない大脳基底核の変化が見られた。特に不随意運動(意識的ではない運動)を司る脳の部分が著しく変化しているということである。

 週1時間のビデオゲームと、脳と身体の優れた能力の関係が示唆されることになったわけだが、ゲーマーにとって耳が痛いのは、週9時間以上のゲームがもたらすネガティブな影響だ。このグループに落ち着きのなさなどの問題行動が比較的多いことが浮き彫りになったのはやや残念かもしれない。

 ともあれ、通常、子どもは外で遊んで身体を動かすことで生物としての運動能力や反射神経を発達させるのだが、ゲームをプレイすることでもこれに似た効果が得られることがわかってきたということになる。関連する今後の研究にがさらに深まることを期待したい。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・Grand Forks Herald
http://www.grandforksherald.com/news/4116689-how-much-video-game-time-should-kids-get

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