『冴えない彼女の育てかた♭』9話 詩羽と英梨々の離反、絶望。超鬱展開注意警報「死ね、作品に殉じろ!」

『冴えない彼女の育てかた♭』9話 詩羽と英梨々の離反、絶望。超鬱展開注意警報「死ね、作品に殉じろ!」

『冴えない彼女の育てかた♭』公式サイトより

──加藤恵(かとう めぐみ/演:安野希世乃)との甘々な夫婦生活(違う)から急転直下。「胸が痛い」「命削られた」「あまりの展開に傷を負った」「全くもってフラットじゃない」ネットでも傷心者多数だった今週9話。かーずSPの『冴えない彼女の育てかた♭』(フジテレビ系)全話レビュー。あまりの超絶展開に、今回は下ネタ多めでお送ります。ご了承ください。


■#9 卒業式と超展開 詩羽と英梨々がサークル脱退!?

 ついに霞ヶ丘詩羽(かすみがおか うたは/演:茅野愛衣)先輩が卒業してしまいました。安芸倫也(あき ともや/演:松岡禎丞)は詩羽先輩を待ち伏せして、恵に見せた企画書を詩羽先輩にも見せて説得します。もう一度、一緒にゲームを作ろうと。企画書に「75点」とつけた詩羽先輩。今までの毒舌な詩羽先輩には珍しく高評価と言っていいでしょう。ところがサークルに誘っても、はぐらかすばかり。雲行きが怪しくなってきました。

「ごめんなさい、倫也君。もう、私はあなたと一緒に行けない」

 まさか拒否られるとは思ってなかった倫也。

「あなたは、澤村さんにも私にも、無理を強いることができなかった」

「私たちクリエイターはね、『無理をしなくていい』と許された瞬間に成長が止まってしまうの」

 別荘で澤村・スペンサー・英梨々(さわむら・スペンサー・えりり/演:大西沙織)がぶっ倒れた一件が、倫也にはトラウマになっています。なので無理せず、楽しく同人サークルをやっていこうと決意したのは、アマチュアなら正しい選択。しかし詩羽先輩はプロ。商業レベルの絵描きである英梨々もセミプロです。倫也の元では成長しないっていう、プロデューサー失格を突きつけられる辛い現実。

 限界を超えなければ成長しないというのは理解できます。イチローも「自分の限界って分かるよね。その時に自分の中でもう少しだけ頑張ってみる、ということを重ねていってほしい」って言ってますし。でも英梨々も詩羽先輩も、倫也の事が好きだったはず。なのになぜ。

 波島伊織(はしま いおり/演:柿原徹也)のサークル『rouge en rouge』。その初代代表・紅坂朱音(こうさか あかね/演:生天目仁美)が、詩羽先輩を引き抜いたことを告白。しかも涙ながらに語ったのは、朱音の一番の目的は柏木エリ=英梨々だったのです。な、なんだってーっ!?

 何このエロゲーか同人CG集にありそうな、『俺の知らない間に身内のクリエイターが二人とも寝取られていた件』みたいな展開! 英梨々も電話で、

「ごめんね……ごめんね、倫也……っ」

 と泣くばかり。ヒロインの謝罪とかますますNTRっぽくて悶絶するばかり。心えぐられるわー。


■ラスボス登場 クリエイターに「死ね」とか「殉じろ」とか

 Bパートは、その1カ月前にさかのぼります。倫也のいない裏側で、どのように英梨々と詩羽が口説かれていたのか。なんだか、ヒロイン視点で堕ちる過程が語られる寝取られゲーの後日談みたいです。これは原作にはないオリジナルエピソード。アニメ初見の人も、原作既読の人も、みんな揃ってぐぬぬしか言葉にできません。裏側が語られることで、原作よりも一層ショックがでかいです。

 詩羽先輩の担当編集・町田苑子(まちだ そのこ/演:桑島法子)に押し切られる形で、朱音と会うことになった英梨々たち。料亭の席で飲んだくれてた美人が一言、

「久しぶりだなあ柏木先生。その後身体の調子はどう?」

 英梨々が別荘で倒れた時のこと。伊織が手配したドライバーが朱音で、英梨々の覚醒した絵を見られてしまったんですね。つくづく、あの時は恵に行かせるべきでした。ギャルゲーなら、6話で選択肢を選びそこねてバッドエンドルートまっしぐらです。

 ケンカ腰だった2人も、朱音の企画書を震えながら読み進める詩羽先輩と英梨々。チャラ男の超絶テクニックで悶絶ってところでしょうか! アへ顔ダブルピースで即堕ちまであと一歩です。

「舐めてんじゃねぇよこのヘタクソ!」

 スランプで泣き言をいう英梨々を追い込む朱音。覚醒した英梨々の絵柄をトレースして、現実を突きつけます。狂気しかない終盤7分の展開にボーゼン。0話の水着回も、2話の詩羽先輩とのデートも、6話の英梨々との仲直りも、すべて丸戸史明氏が仕掛けた、このための布石だったのか!(血涙)……パチンコ沼のカイジか。用意周到すぎるわ。

 ただですね、この超展開、めちゃくちゃオモロイです。上げて下げるシナリオの起伏がジェットコースターに乗っている気分。今まで積み重ねてきた英梨々と詩羽先輩への想い入れが揺さぶられます。「可哀想」「残酷だ」と「この先どうなるの?」という気持ちがないまぜになっていて、続きが気になる強烈なフックになっています。

 また、血ヘドを吐きながら作品を生み出すクリエイターの業深さ、闇が垣間見えるのもエキサイティングでした。

 クリエイター業界ものといえば今期、『エロマンガ先生』も放映されています。かたや『エロマンガ先生』は「創作って楽しいよ!」と全力で訴えかけてくる内容です。かたや『冴えカノ♭』は「死ね、作品に殉じろ!」。同じKADOKAWAのラノベが原作、同じアニプレックス製作なのに、この違い。同じ業界モノでも、切り口が変われば、ここまで噛みごたえも変わってくるのかという新鮮な驚きがあります。
 あと数回でホントにまとまるんでしょうか?

(文/かーずSP)

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