『サクラクエスト』12話 田舎に人気ロックバンドを呼ぶとかやめてー! 大失敗フラグじゃないの?

『サクラクエスト』12話 田舎に人気ロックバンドを呼ぶとかやめてー! 大失敗フラグじゃないの?

『サクラクエスト』公式サイトより

──都会での仕事に憧れる20歳女子。就活全滅、限界集落寸前の田舎のよくわかんない独立王国の王様に就任させられて、チュパカブラ王国の建国祭の準備をする。映画撮影回に出ていた萌ちゃんが水着で登場してニッコリなたまごまごが、『サクラクエスト』(TOKYO MXほか)全話レビューお届けします。


■第12話『夜明けのギルド』 

 木春由乃(演:七瀬彩夏)たちは、チュパカブラ王国20周年の建国祭準備を始める。目玉イベントは、クイズ大会だ。
 そこに、テレビ局の人が訪問。密着取材を申し出た。これはPRになる、と二つ返事の観光協会。

 番組企画を立てた雨宮幸也(演:加藤将之)は、間野山出身のディレクター。非常に熱血な人物で、建国祭に人気ロックバンドを呼ぶよう手配。集客アップをはかることを由乃たちに告げる。
 間野山に少しでも多く観光客を呼びたい。由乃は商店会や青年会に、予算が足りない現状を真摯に説明。皆も協力することになった。
 建国祭前日。数多くの人が間野山に前乗りし、テントで夜を過ごすのを、由乃は目撃する。


■嫌な予感しかしない!

 今回の放送が終わった後、町が団結する前向きな話なのにもかかわらず、多くのアニメファンが「不安だ!」「怖い!」とSNSは阿鼻叫喚。大失敗しそうなフラグが立ちまくっているからだ。

 まずバンドのファンはライブだけ見て帰るんじゃないの?という疑問。
 ライブを見て疲れた客が、クイズ大会に参加するとはちょっと思えない。むしろイベント客が、川向うのライブに取られて、来なくなるのでは。
 一方で、観光客のマナーがめちゃくちゃで、荒れ放題になるのも懸念される。絶対に必要な、トイレとゴミ箱と飲み物を売る場所を、少なくとも観光協会側は準備していない。バイトを雇っているらしいが、6,000人をさばく準備ができているとはちょっと思えない。間野山側がテント区域を管理していたのか、疑問も残る。ライブに来た客が悪い印象をSNSにアップしてイメージダウンする最悪のケースも十分ありうる。

 クイズ大会で盛り上がるのかも怪しい。
 地元も観光客もみんなが楽しめる「大そうめん博」のようなしっかりしたイベントを企画できているからこそ、ガバガバな準備の様子が気になる。来客人数の予想、ちょっと雑すぎでは。
 町を知ってもらうためのクイズを出す、と言われてもどの層がどう楽しむのかの説明は今回出てこなかった。
 参加者にクーポンを渡すのなら、クイズじゃなくてもいい。

 計画に穴が多すぎて、見ていてむずむずする。


■仲間たちが集まったのか、それとも試されたのか

 商店会会長の織部千登勢(演:伊沢磨紀)は、由乃を「よそもの」と言って、活動に反対し続けてきた。
 今回は「町のため」という彼女の意思を聞き、商店会の積立金を切り崩してまでの助力。
 由乃らに関わってきた人たちが、力を貸すように動いた。中でもものすごくもめた彫刻職人の一志(演じる:興津和幸)が無言でうなずくシーン。誠実に頑張ってきた彼女たちへの信用が、形になった瞬間だ。

 成功すれば信用はさらに増すだろう。失敗したら、信用は一気に失う。博打感が強い。
 失敗して商店会の積立金が消えてなくなると考えると、肝が冷える。

 今回は「観光とは何か」の根本を問い直す題材になりそうだ。
 バンド誘致の流れで、せっかく今まで育んで来た「自分たちが地元の良さを活かす」という考え方が、「外から力を借りる」という流れに負けてしまいそうで、危なっかしい。
 とはいえ、成功も失敗も「絶対」はない。どう意識を固め、みなで補いあってプラスに向けるかが、次回以降の見どころだろう。

 サンダルさんの予告「それを作れば彼は来る、ただし一度来たら長居してなかなか帰ってくれません」というセリフ。「彼」が人とは限らない。
 13話のタイトルにある「マリオネット」、操り人形を指すのは、観光協会か、あるいはライブに来た客か。

 今回一つ、心からホッとしたのは、凛々子(演:田中ちえ美)が人前に出られるようになったことです。

 コミカライズの2巻も発売されている。こちらは映画撮影の回まで。かゆいところに手が届くような内容で、読むともう一回アニメ見直したくなるのでオススメ。

(文/たまごまご)

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