大槻ケンヂ×モノブライト・出口博之、世界進出を目指して(!?)改めて“特撮”を語る!

大槻ケンヂ×モノブライト・出口博之、世界進出を目指して(!?)改めて“特撮”を語る!

撮影:松沢雅彦

 モノブライト・出口博之が特撮作品への愛を暑苦しく語る【モノブライト出口博之の特撮自由帳】。ご愛読いただいてきましたが、なんと今回が最終回です……。

 フィナーレを飾るべく、今回もスペシャルなゲストを迎えての対談スペシャルを敢行!
 お越しいただいたのは、ロックバンド「筋肉少女帯」「特撮」のボーカリストであり、作詞家、小説家、エッセイストでもある“オーケン”こと大槻ケンヂさん!

 ロッカー、クリエーターとしてももちろん、特撮好きとしても知られる大槻さんは、アーティストであり、最近は特撮マニアとしての活動も増えてきた出口にとっては憧れの人だとか。

 開始直後は少し緊張気味な様子でしたが、語る内容が特撮とあって中盤からは滑らかに回り始めた、熱い特撮トークをたっぷりとお届けします。


■「何じゃこりゃ!」『ライダー』『キカイダー』との衝撃的な出会い

出口博之(以下、「出口」) 一応最終回を記念して……僕の趣味・嗜好がほぼほぼ大槻さんの影響下にあったもんですから、ぜひこの場でお話しておきたいなと思いまして、今日は大先輩に来ていただきました。特撮ってこういう見方をすれば面白いよ、こういう切り口もあるよ、というところを、今日は改めて2人でお話できればと思っています。

大槻ケンヂ(以下、「大槻」) ああ、なるほど。でも年代によって、特撮好きといってもあまりに違いが……たとえば最初の『ゴジラ』(1954年)と、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14年)とでは、同じ特撮といってもあまりに違う。何をもって「特撮」というのかいうと……

出口 あまりに違いがありますよね(笑)。大槻さんは今年で51歳でしたっけ?

大槻 そう、66年生まれ。最初に見た特撮というと……『ウルトラマン』(66〜67年)、『ウルトラセブン』(67〜68年)は後追い、再放送で見て。あと再放送だと、『高速エスパー』(67〜68年)、『キャプテンウルトラ』(67年)、あと『闘え!マイティジャック』(68年)なんかはよく再放送していたかな。

 でも、昔はチャンネル数も、番組数も少なく、そもそも子どもにあまりテレビを見せてもらえなかったから、そういうものを見れるときというのは、どれだけうれしかったことか。「あ、今日はこの特撮ものをたまたま見れた!」「巡りあえた!」という瞬間のうれしさ。あれは今の若者には、なんていっちゃうけど、なかなかわからないだろうなと思っちゃうな。

出口 継続して見れるものでなくて、一期一会というか。

大槻 習慣的に見れるようになったのは、『仮面ライダー』(71〜74年)ですよ。4歳のころだけど、第1回目を今でも覚えているね。というのもレコード屋さんにシングル盤が放送前から置いてあって。バッタの化け物みたいなマスクを見た瞬間に、電流が走ったように「ああ!」と思って、親にねだって買ってもらったの。「これは何かヤバイから!」って言って。

出口 4歳の少年が(笑)。

大槻 そう、これはヤバイと。んで、始まる前から『ライダー』を聞いていたわけだけど、始まって1話目を見たときの衝撃は……やばかったですね。あれがダイレクトで最初に見た特撮かな。映画は別にして。

 それから『帰ってきたウルトラマン』(71〜72年)が始まったんだけど、『セブン』のダークネスな感じに痺れていたので。いや、『帰ってきたウルトラマン』も今見返すと相当なものなんだけど、それでも「ちょっと違うな」と思って。

出口 『帰ってきたウルトラマン』は当時の生活臭というか、当時の日本の空気が入っているというか、身近に感じられる要素が入っている気がしますよね。

大槻 そう! 『セブン』だけが特殊だったんだなと。

出口 ちょっと無国籍な感じもあったりして。

大槻 カメラワークも独特でね。それに『セブン』はほとんど変身しないで終わるときもあるでしょ。あれが、子どもながらに「すごい!」と。ただ予算がなかっただけもしれないけど(笑)。

出口 ダハハハ。

大槻 『帰ってきたウルトラマン』は始まったと思ったら、ザザーンとタッコングの2大怪獣が出てきたから、「おい安売りかよ。『セブン』は変身さえしなかったんだぞ」とダメ出しを始めたのを覚えていますよ(笑)。

出口 それはいやな少年ですね〜

大槻 いやな少年だった(笑)。その後は僕の世代で言うと、『ミラーマン』(71〜72年)、『ジャンボーグA』(73年)……

出口 あとは『ファイヤーマン』(73年)とか。

大槻 ああそう『ファイヤーマン』、それに『シルバー仮面』(71〜72年)、『アイアンキング』(72〜73年)、『緊急指令10-4・10-10』(72年)とか。色々あったし好きだったけど、衝撃的だったのは『人造人間キカイダー』(72〜73年)。赤と青、半分が機械で半分は人間というヒーローが黄色いサイドカーに乗ってやってくるという(笑)。
 僕はよく言うんだけど、あれが僕らが生まれて初めて見る前衛芸術だったのかもしれない、あのサイドカーも含めて。岡本太郎的な衝撃でしたよ。

出口 ビジュアルなインパクトが(笑)。

大槻 うん。「前衛芸術というもの、アヴァンギャルドというものを俺は今見ているんだ」って。町山(智浩)さんが「今にして思うと『ゴジラVSヘドロ』が、自分にとって初めての前衛だった」というようなことを仰っていたんだけども、それが僕は『キカイダー』でしたね。

出口 そこで「格好いい!」という気持ちになったんです? 「何か知らんが、凄いぞこれは」という感じだったんですか?

大槻 後者かな。ライダーが出てきたときもそうだけど、理解の範疇を超えて、「何だこれは!?」という驚き。世代でいうと中1のときにYMOが出てきたわけだけど、それまでにテクノはあったけど、そこにポップを、というのはなかったわけでしょ? テクノポップというのはなかったわけだから。

出口 ああいうスタイルは、それまでになかったわけですものね。

大槻 だからあのときも「何なのこれは!?」となったし。多分、初めてビートルズは見た聴いた人の衝撃みたいなものを、『仮面ライダー』とか『キカイダー』を初めて見たときに感じたんだと思うけど。

出口 そういう気持ちって、今はなかなか味わえないですよね。でもそういう中で、前にもこの連載の中で書かせてもらったことがあるんですけど、『仮面ライダー』の異形性というか、“何だこれ”感って実はすごく正しい、プリミティブなものじゃないかと思っていて。

 昨今は、新しいライダーが出てくると必ず「何だこれ!」「ふざんけんな」みたいなバッシングというか、反発が大人のファンから出るような雰囲気があるじゃないですか。でもそれって大槻さんが仰ってくれたように「何だこれ!」につながるものですよね。

大槻 そうそう、その通り。最近のライダーでも、すごいのいるじゃない。さすがに「あれ、何だ?」「おおっ!」となったよ(『仮面ライダー エグゼイド』/放送中)。「頑張っているな」と思ったし、今の子どももきっと「何だ!?」と思いつつ、受け入れていくんだろうな。

出口 多分今の子どもたちの、彼らにとってのヒーローになっていくんでしょうね。だからやんや言っている大人は、「俺たちの知っているライダーじゃない」って言っているだけでしないんだなと思うんですよね(笑)。


■憧れのヒーローと同席できるうれしさと緊張と

大槻 同じ長寿シリーズでも『ウルトラマン』は最近のでも基本デザインはそんなには変わらないよね?

出口 そうですね、あまり逸脱していません。

大槻 戦隊ものは、最初の『秘密戦隊ゴレンジャー』(75〜77年)を最初から見ているんですよ。ホント幸運な世代で、ウルトラマンはダメだったけど、ライダーもレンジャーも、アニメの『マジンガーZ』(72〜74年)や『ルパン三世』(71〜72年)も第1回目を見ているんですよ。『ルパン三世』が始まったときの衝撃といったらね、もう、お茶の間が凍りついた。

出口 見ちゃいけないものを見てしまったと(笑)。

大槻 ドゥバドゥバドゥバ……と音楽が流れてきて、不二子ちゃんが縛り付けられてコチョコチョされるんですよ(笑)。もうね、お茶の間がシ〜ンと静まり返った。その、まさに「大槻家、どうなる!?」というときに、母が「いいじゃない、これ。面白いじゃない」と。

出口 へぇ〜。

大槻 それで「大丈夫だった!」と。やっぱね、不二子ちゃんコチョコチョのときに、各家庭で親のジャッジがあったと思いますよ。

出口 そこでチャンネルを変えられるか、そのまま「面白いね」と、見続けることができるのかという。

大槻 ルパンなんかはその後、面白いねということで見続けたんだけど、後番組で始まったのが「マッハロッドで〜〜ブロロロロー〜、ぶっとばすんだ〜」(歌いだす)でしたから。

出口 ギュンギュギュン、と(笑)。『超人バロム・1』(72〜73年)ですね。

大槻 母親はひっくり返っていましたよ、私の好きな、あおのオシャレなルパンはどこへ、って(笑)。

出口 たしか水木一郎さんが歌わられているんですよね。

大槻 そういや水木さんと一緒にお仕事する機会が何度かあったんだけど、普通に歌ってくれるから、うれしくなっちゃうんですよ、たしかどこかで『超人バロム・1』(「ぼくらのバロム1」)も一緒に歌ったし。

 藤岡弘.さんにもお会いしたことがあるの。取材でご自宅に伺ったんだけど、自宅が2軒だかあって、片方は道場になっているのかな? 凛とした感じの男性スタッフが応対してくれたんだけど、「藤岡は少し遅れますから、その間、これを見ていただけますか」と、ビデオを見せられるんだけど、それが藤岡さんが馬にまたがってやってきて、居合いで巻き藁を斬ったり、弓を引いたりという内容で20分ぐらいあったかな。で、それを丸々2回見たからね!

出口 プロモーションビデオみたいなのを(笑)。

大槻 その後、青森で「夏の魔物」フェスに出た時、たしかその時も水木さんも出演してらしたんだけど、僕の出番になってさあ今から出ますというタイミングで「大槻さん、少し待ってください」と。何だろうと思っていたら「今から、俳優の藤岡弘.さんが皆さんにご挨拶をなさいます」とアナウンスが入って。

出口 ダハハ。

大槻 「え? 青森にいらしているの?」と思って、ふと振り返ったら、満面の笑みを浮かべた藤岡さんがいらっしゃって。「ふわはっはっは。いやぁ、お邪魔しますね、ふわはっはっは」(声真似で)と。僕も長いですけど、“藤岡待ち”でライブが押したのは初めてでしたよ(笑)。

 お客さんもポカンとしているんですよ、突然藤岡さんが出てきたものだから。また、「夏の魔物」に来るようなお客さんは、やっぱちょっと変わっているじゃないですか(笑)。だから藤岡さんも途中で「これはちょっと違うな」と気づいたのか、「とにかく! 若いやつらは夢を持て! 夢を持てぇ!!」(声真似で)って、強引にまとめてらっしゃったけど(笑)。

出口 最高ですね、それ! 「夏の魔物」のお客さんはアンテナが高い人が多いですけど、そういった人たちのキャパですら、藤岡弘.さんともなると超えていくんですね(笑)。

大槻 いやぁ、あれは何だったんだろうな……

出口 でも、ヒーローをやられていた方が、ドラマなんかで思わぬ役を演じられていたりすると、そういうときはうれしくなる反面、「ああ!」ってなるときがありますよね。『仮面ライダーZX』(82〜84年)で主人公を演じていた菅田俊さんが、最近求人サイトのCMに出演されていたりしましたけど。

大槻 特撮の主人公を演じた方のその後、というのは色々本が出てますけど、読むと面白いんだよね。また、やっぱり色々小耳に挟むじゃない? ○○をやった○○さんが●●で小さなお店を開いたとか、潰れちゃったとか。

出口 ああ、あります、あります。

大槻 で、そのお店に●●役の誰々さんが酔っ払ってよく来るみたいな話を色々聞くじゃない。あれ……いいですよね。

出口 大槻さんは、そういうお店に行かれるんですか?

大槻 僕はないですね。プロレスラーがやっているお店とかもあまり行ったことないです。

出口 僕は何度か『五星戦隊ダイレンジャー』(93〜94年)でテンマレンジャー/天重星・将児役を演じられていた羽村(英)さんがやられているバーには、何度か遊びに行かせてもらっています。でも、行くとレジェンドたちがお酒を飲んでいるので、すごく恐縮しちゃうんですけど。

大槻 普通にお話ししてくれるの?

出口 ええ、すごく気さくな方で。でも、周囲がかつてのヒーローばかりで、なかなかくつろげない(笑)。

大槻 そういう時、逆に何をいったら粋な質問で、何を聞いたら愚問なのか、すごく悩むよね……。僕も飲み屋さんで庵野秀明さんとご一緒になったことがあって。庵野さんと特撮的なお話をする流れになったことがあるんだけど、「庵野秀明に、特撮の何のことを聞いたらいいだろう」となって。悩んだ挙句「怪獣は一番何が好きですか?」って(笑)。

出口 だははは!

大槻 その回答が何だったのか、忘れちゃったんだけど、そんな変わったものじゃなく、ごく普通の怪獣だったんだよ、たしか。で、「いいですよね、あれ」とか応じたんだけど(笑)。


■「金がない日本映画も頑張れ! と思うわけですよ」(大槻)

出口 僕にとっての特撮の原風景というと……僕は82年生まれなんですけど。

大槻 ということは『ウルトラマン80』(80〜81年)はもう終わっていたんだ。

出口 終わっていました、再放送です。

大槻 『ウルトラマン80』も今見るといいんだろうけど、当時の僕は、子どもが特撮から卒業していくような時期だったから。何かグッとこないな、ただ石田えりさんのオッパイだけは凄かったなという印象が強い(笑)。石田えりさん以外は全然覚えていないぐらい。ライダーはBLACK(『仮面ライダーBLACK』/87〜88年)?

出口 そうですそうです。ただ、我々の世代は『BLACK』、『BLACK RX』を子どものころ見ていましたけど、その次にライダーの新作がくるまで、12〜13年も間がありましたから。

大槻 え、そんなに空いていたんだ!

出口 次が『仮面ライダークウガ』(00年)。その間、映画の『仮面ライダーZO』(93年)、OVAの『真・仮面ライダー 序章』(92年)ゼットオーとか真仮面ライダーとか、OVAはあったんですけど、TVシリーズが始まるのは00年まで待たないといけなかったんですよ。しかもちょうどウルトラマンも96年の『ウルトラマンティガ』までなかったわけですから。

大槻 特撮の冬の時代だ。子どもの頃から特撮を見ていた人が、大人になるまでの期間、ぽっかり空いちゃう人も多かったんだ。

出口 ええ、ですから最初に大槻さんがおはなしされたような、たまたまやっていたから、食い入るように見る、という体験は我々にもあるんですよ。何せやっていなかったですから。

大槻 あああ〜

出口 だからオーストラリア制作のOVA『ウルトラマンG』なんかも、子ども心に「俺たちのウルトラマンにやっと出会えた!」といったところで、結局TVで放送しないし、情報も入ってこないので、結局レンタルビデオ店に行って借りてこないといけないし。制作からしばらく経ってから、ようやく放送されましたけど(発売:90~91年、放送:95年)。

大槻 なるほどね……今さ、日本発の特撮、たとえば『トランスフォーマー』みたいなことに、『ウルトラマン』もなれるはずだと思うんだよ。この間『鋼鉄ジーグ』(『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』)もあったでしょ、イタリアで永井豪先生が鬼のような人気で、アニメに憧れたやつが映画まで作って、作中で「俺が『鋼鉄ジーグ』だ」というセリフがあったりするわけで。

出口 手製のマスクみたいなのを被って(笑)。

大槻 まだ、見ていないんだけど、面白いのは『鋼鉄ジーグ』(アニメ版:75〜76年放送)は日本で大人気というわけではなかったじゃない。「え、そんなのが受けたの?」という作品が受けたりする。だから、『アクマイザー3』(75〜76年)がある日突然、ハリウッドでリメイクされたりすることも、全くないわけでないんだよね。

出口 ありえますね。それこそリメイクされて、万国共通でグッとくる物語性がある……と考えると、僕は『怪傑ズバット』(77年)がいいかなと思ったりしますね。

大槻 あ、『ズバット』ね! ブラピとかがやるのかな、それともジョニー・デップかな。色々考えられるね。

出口 決め決めの、超キザな仕草で「お前は世界2位だ」と言い放つわけですよ。

大槻 タランティーノっぽい感じで、B級感も残しつつ。あ、いいね、こういうのははいくらでも考えつけられますね、そうしたら共演はニコラス・ケイジとか。いいね、これは見たい(笑)。

出口 海外で魅力が通じそうな、ちょっとマイナーな作品やヒーローはたくさんいると思うんですよ。

大槻 最近のハリウッドの特撮、ヒーローものとか見ていると、「これは日本の特撮とかアニメの影響だな」と思うものがあるでしょ? 映像の中にも、そのまんまなカットがあったりするよね、『パシフィック・リム』とか。

出口 ありますね〜。ただ『パシフィック・リム』はデルトモ監督が日本のアニメや特撮が大好きなんだ! と公言していますから。「あ、この人は80年代半ばぐらいに死んじゃったオタクが生まれ変わったんじゃないかな?」と思うぐらいで(笑)。

大槻 おお、それはいい話。それがまた日活撮影所へ生まれ変わったとしても、予算がないからね! そこ重要だよ(笑)。

出口 そういうこと、あまり信じたり考えたりするほうじゃないですけど、そうとしか思えないよな、という瞬間がたまにあって。音楽でもそうじゃないですか。

 何で俺、日本人なのに海外のマイナーなバンドが好きなんだろう、自分の気持ちにピタッとはまるんだろうと不思議に思えるときがあって。幾分か、あっちの人の魂みたいなものが、自分の心の中にあるんだろうな、って考えたりするんですよ。

大槻 面白い考え方だね。夢半ばでなくなったアーティストの魂を受け継いでいるみたいな?

出口 そうです、何%かはわからないですけど、ヒュッと入ってきているんじゃないかな、みたいな。だから海外の特撮好きもそうなんじゃないかなと(笑)。そういう日本の特撮やアニメが好きという濃度が高い人が、面白いものを作っているんだろうなと。

大槻 それでいうと、新しいキングコング(『キングコング:髑髏島の巨神』)はもう見た?

出口 見ました見ました!

大槻 すごいよね、あれは『特撮アベンジャーズ』をやろうとしているわけでしょ? しかも日本の怪獣まで引き込んで。

出口 キングギドラもいましたからね!

大槻 ギャレゴジ(『GODZILLA ゴジラ』14年)も、同じ会社なんだよね?

出口 そうですね、同じ世界で括ろうとしているみたいで。

大槻 すごいよなと思うのが、ちょっと昔はしょせん子ども向けとか、亜流と思われていたものが、アニメもそうだけど、どんどん主流になってきている。映像技術が追いついてきた、ってことでもあると思うんだけど。

 ただね、非常にキングコングも面白かったし、怪獣アベンジャーズもぜひ思いっきりやってほしいんだけど、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は、作中で70〜80年代のいい音楽がどんどんどん流れてきて。

出口 ベストヒットソング集ですよね。

大槻 きっと音楽だけでもすごい金を使っているんだと思うんですよ。それは重要だと思うけど、オール怪獣総進撃をさ、何百億円もかけられたとしたら、出来はともかく、わっとなるでしょ? 音楽もそうで、映画の出来はともかく、かつての名曲が何曲もかかってくるとそれだけでおじさんはそれだけで感動しちゃう。すると、「金があれば、何でもできるのか!」となってしまうという。

出口 だははは!

大槻 金がない日本映画も頑張れ! と思うわけですよ。

出口 そこなんですよね! 特撮に限らずだと思うんですけど、円谷(英二)監督の特撮がなんですごいのかと考えると、円谷監督は戦後、公職追放にあったりで、資材も資金もないけど、それでももう一度映像を作りたいというところから、ミニチュアを使って映画を撮りだしたわけじゃないですか。そういった創意工夫みたいなものから出来たのが特撮だと思うと、莫大な予算を組んで、ただCGで見せるというのは、特撮の心がないよなーと。

大槻 そうそう、CGでできちゃうから、特撮に対する驚きがなくなってしまって。元々特撮とアニメだったら完全に特撮派だったの、アニメだったら何でも描けるじゃん! と、本当はいろいろと大変なんだけど、そう思ってたの。でもCGになってからは、「CGだったら何でもきるじゃん!」と思うようになってしまって。すごいシーンを見ても、なんとも思わなくなっちゃった。それが悲しい。

出口 それはありますよね、そういう話になってくると、CG派か着ぐるみ原理主義か、みたいな話になってきて紛糾しがちですけど(笑)。自分個人としては、面白けりゃどっちでも、それは手段に過ぎないから、と思っています。CGも使い方次第で、結局使いどころが分かっている人、魂が近いクリエーターだと全然気にならないんですよね、『シン・ゴジラ』とか。

大槻 ああ、面白かったねぇ。

出口 あれなんかは、CGだよね? とか言われても、そんなの関係ないじゃん!というぐらい突き抜けて面白かったですよね。そういうことなんだろうなと思いますけど。


■「やりましょうよ、世界進出(笑)」(出口)

大槻 怪人、超人をまとめた図鑑みたいなものがあるじゃない。あれに、俺、出ているのよ。

出口 大槻さんは超人だったんですか?(笑)

大槻 永井豪先生のマンガ原作で、Vシネマになった『空想科学任侠伝 極道忍者ドス竜』というのがあるんだけど、それの極道忍者ドス竜、現代に生きる忍者の末裔を忍者役を、バンドブームの煽りで俺がやったの。そしたらある日「超人怪人大全」みたいな本を読んでいたら、ドス竜も載っていて(笑)。

出口 ああ、こいつ知ってるぞ! 俺だ!! と(笑)。

大槻 カルト的に海外でもちょっと知られているらしくて。というのも『鋼鉄ジーグ』もそうだけど、永井豪先生の作品は海外でずっと人気があるから、マンガを読んで訳して、アメリカのクリエーターに流しているやつらがいて。

出口 ああ、調査チームみたいな。

大槻 うん。『ターミネーター』(84年)は、『黒の獅子』というマンガが元ネタなんじゃないかと、先生はおっしゃっていて。そういう作品が他にも何作かあるみたいなんだよ、『ニューヨーク1977』(81年)なんかは『バイオレンスジャック』っぽいところがあるし。

出口 ああ、そうか。

大槻 でね、色んなマンガの先生が似たようなことは仰っているんだけど。でもそれが本当なら、ある日ドス竜を読んだり見た外国人が……

出口 「COOL!」とか言いながら大槻さんのもとへ来る日が(笑)。

大槻 「You are ドスリュー!」って。で、「次の作品にはマスター役として出てください」とか言われて、「おう、考えておくよ」なんて答えたりするんだよ、きっと。

 でも、以前書いた小説で『縫製人間ヌイグルマー』というのがあって、それを元に井口昇監督が『ヌイグルマーZ』という映画を、全然お話を変えて撮ってくれたんだけど、あれをね、いつかハリウッドで撮ってくれないかなという野望はある。すごい反米的な内容だから、トランプ政権のうちはダメだろうな、と思うんだけど(笑)。

出口 でも米国以外の国でもチャンスがあるわけですから。

大槻 そうね。あと『ステーシーズ―少女再殺全談』という、少女だけがゾンビになるという小説を書いたことがあるんだけど。加藤夏希ちゃん主演で映画になって(01年)、モーニング娘。出演でミュージカル(『舞台版 ステーシーズ 少女再殺歌劇』と改題)にもなったんだけど、このミュージカル版が評判がよくて。絶対、フランスとかのちょいロリコンな監督が撮ったりしたら、絶対面白くなるなと思って。

出口 いやぁ、いいですね。やりましょうよ、世界進出(笑)。

 さて、取り止めのないお話が続きましたけど、最後は世界進出という大きな話題も出て。まだまだ語りつくせない話題もいっぱいあります。これはロフトグループかなんかでやりましょう! というのはどうですか?

大槻 いいですよ。いいんですけど、そういうの本気の方が来るからな〜。

一同笑

出口 それはもう、ちょっとね。すいません! というしかないですね(笑)。

大槻 特撮ガチ勢がくるとかなわないからな〜。

出口 各作品の何年何月何日とか、そういったデータがしっかりしてないと、特撮ガチ勢には怒られますからね。

大槻 なんと言うかな、昭和の特撮マニアの人たちって本当にすごいじゃない。出番は一瞬だけという役者さんも追跡取材して話を聞きに行ったりする。でも役者さんのほうは案外「出ていましたっけ?」という感じだったりする。そりゃそうだ、覚えてないよね。

出口 大体そうですよね。でもこの作品に出てた人は、次はこれにも出ていて、何に出ていて、みたいなのを本当によく調べていますよね! そういう人たちが色んなジャンルを支えてきたんだろうなとは思います。

大槻 『ビートルズ来日学 1966年、4人とであった日本人の証言』(著:宮永正崇)という、ビートルズについての周辺インタビューする本が最近出たんだけどなんだけど、ビートルズと同じ飛行機に乗っていたとか、お茶をついだ人とかにインタビューするという――ギャグになりそうなもんだけど、それを意図的にやっているの(笑)。

 ジョージ・ハリスンがその時かけていたメガネを作った人とか、そういう人たちにとことん話しを聞いていて。バカだね(笑)と思ったんだけど、積み重ねればやっぱ次第に見えてくるものがあるの。だから特撮もそうなのかな、と。

出口 それはそうなんだと思います。音楽しかり、プロレスなんかもすごくそうですよね、物語はリングの上だけで作られているものじゃなく、控え室とか移動中のバスの中であったり、今だったり選手のSNSでの発言であったり、色々なもので形づくられていく。重箱の隅を突つくようなことを脈々としてきたわけで。

大槻 するとドス竜もいつか深く掘り下げられたりするのかなぁ……。

一同笑

出口 まだそこまで行き着いている人は、まだ少ないかもしれませんけど(笑)。いやいや、この続きはぜひイベントの場で。

大槻 いやいや、俺は浅いですよ。大丈夫かな。


■オーケン企画 公式サイト
http://www.okenkikaku.jp/

◎7月16日(日)
「SLOW TIME MEETING 2017」ゲスト出演決定!(http://slowtime-cafe.com/)

◎8月5日(土)
新木場コースト「hide presents MIX LEMONeD JELLY 2017」 筋肉少女帯出演決定!(http://www.hide-city.com/)

■モノブライト 公式サイト
http://www.monobright.jp/

9月21日(木)より東名阪ツアー「モノブライト Duosonic Tour 2017〜 あなただけに聞こえるXX 〜」が決定!

◎9月21日(木)  @横浜 B.B STREET   
Open/19:00 Start/19:30
◎9月23日(土)  @名古屋 HUCK FINN  
Open/18:00 Start/18:30
◎9月24日(日)  @大阪Pangea     
Open/18:00 Start/18:30
◎10月01日(日)@新代田FEVER     
Open/17:30 Start/18:00

<チケット>
前売 ¥3,500(DRINK代別) ※全公演共通
オフィシャルサイト先行受付期間:〜7/3(月)23:00まで
オフィシャルサイト先行URL:https://l-tike.com/st1/monobrighttickethp(PC・モバイル共通)
★お申し込み時にローソンWEB会員(無料)の登録が必要となります

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