「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第二章 発進篇 小野大輔インタビュー。これから発進するヤマトに「今からでも乗れますよ」

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第二章 発進篇 小野大輔インタビュー。これから発進するヤマトに「今からでも乗れますよ」

古代進を演じる小野大輔さん

'70年代から何度も形を変えながら描かれ続けてきた名作「宇宙戦艦ヤマト」。その新作となる『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第二章「発進篇」が、6月24日(土)から上映されます。

第七章まで描かれる本作において、第二章は、地球からようやくヤマトが発進することで盛り上がりを見せる章。圧倒的な迫力で描かれる発進シーンにまつわる古代たちの葛藤と覚悟とは。そこから発せられる本作のメッセージとは――。前作「宇宙戦艦ヤマト2199」から主人公の古代進を演じている小野大輔さんが語ってくれました。

――第二章では、古代が覚悟を決めてヤマトに乗るシーンが描かれます。恐怖を抱えながらも、最新鋭戦艦のアンドロメダに向かいますが、その覚悟に対する共感はありましたか?

小野:第二章で古代は、地球政府が一枚岩ではなく、自分の知らないところで大きな力が動いていることに少しずつ気づいていくんですよね。それは本当に怖いことだと思うんですけど、葛藤しながらヤマトに乗る決断をしたのが、人間らしいなと思いました。僕も15年役者をやってきて、今はフリーランスとして活動していて、決断しないといけないことが多いんですよ。だから、揺れ動く古代の気持ちに共感しました。

――古代から勇気をもらうこともありましたか。

小野:悩んでいいんだなと思いました。古代のイメージはヒーローなので、即決即断と思われがちですが、勇気があって、責任があるからこそ臆病。命知らずなのは無責任とも言えるので、やっぱり古代はリーダーなんだと思います。以前なら即決していたかもしれないけど、「2202」の古代は人間くさくていいなと思います。

――ヤマトが発進した後からヤマトクルーが徐々に合流していくところも、見せ場となりそうです。

小野:それもひとつの見せ場だし、発進のシーンでグッときたのは、別れだったんですよね。「2199」で一緒に旅をして地球を守ったクルーが、今度は身を呈してヤマトの発進を見守る。“乗らない? そんなことある!?”と(笑)。あの精神にグッときてしまいましたね。乗れなかったメンバーもいれば、戻ってくるメンバーもいて、相乗効果でグッとくるんです。

――「2202」では“試される愛”という大きなテーマも掲げられているということで、身を呈してヤマトに乗らない“自己犠牲”という愛の示し方もあるのではと感じます。

小野:みんな大切な人のことを思って行動を起こしているんですよね。島が古代を止めようとするのもそうで、友人が人生をかけてした決断を止めるなんて、なかなかできないですよ。あれは、友情を超えた愛に近いものだと思いますね。旧作の「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」で自己犠牲の話になると身につまされるんだけど…「2202」においては、ちゃんと納得して共感できるストーリー展開があるんだと思います。じつは、この先どうなるのか、福井さん(シリーズ構成の福井晴敏さん)に聞いても教えてくれないんですよ(笑)。知っておかないといけない役の人には教えるけど、僕は、そこでもがいてほしいと。だから、アフレコでもすごく戦々恐々としています。何が起きるかわからない(笑)。

――作中のヤマトと同じように、アフレコでも小野さんがリーダーとして第七章までキャストを引っ張っていくわけで、どんなお気持ちでアフレコにのぞんでいらっしゃいますか。

小野:「2199」で一緒に旅したメンバーが本当にヤマトクルーに見えます。「2202」で再会するとき、古代は「久しぶりだな」と島(CV:鈴村健一さん)をガシッと抱擁するんですが、僕も同じ気持ちでしたね。今回は、地球に残るメンバーの役者さんたちが、「乗りたかった!」って清々しい表情で僕に伝えてきてくれて(笑)。悔しい気持ちと、やりきったから後は頼むっていう気持ちがあるんだと思います。それを見て、僕も「ありがとう、ごめんな、行ってくるよ」という気持ちになって。みんなの想いを無駄にはできないし、そんな気持ちにさせられるのがこの現場の良さだと思います。

――ヤマトのもとで強い結束が生まれているんですね。ヤマトと言えば、旧作から変わらずファンを夢中にさせているのが砲撃のシーンで、今回も古代の掛け声にグッときました。

小野:やっぱり艦隊戦はヤマトの醍醐味でもあって、旧作から「2199」を経て培ってきた美学がそこに集約されていると僕は思っています。オペレーターが伝達した情報をもとに戦況を見て、戦略を決め、攻撃命令を出す。その一連の戦闘シークエンスはすごく緊張感があって、その締めが「てーっ!」なんですよね。極限の緊張感の中なので、整えて発するのではダメなんですよ、きっと。いちばん緊張するセリフでもあるし、クルー全体にその熱を伝えるつもりで発しています。

――小野さんは「2199」で本シリーズに関わる前、「宇宙戦艦ヤマト」にどんなイメージをもっていましたか?

小野:つい最近、ラジオの企画で実家に帰ったときに、ヤマトの映画のフィルムを見つけたんですよ。おじいちゃんが買っていたみたいで。たしかに、昔から僕の部屋の本棚の片隅に置いてあったんですよね。それを見たときに、ああ、これは遺伝子レベルでヤマトに関わっていたんだなと気づいて、言葉にできない感銘を受けました。その当時から、子供だけでなく大人も巻き込んだムーブメントだったと聞いてましたけど、今の人たちの想いで作るヤマトもあって、古代として関わることになったから、このフィルムを再発見できたと思っています。

――旧作からのキャラクターが新しい映像で蘇る「2202」は、旧作ファンと新たなファンが出会う作品とも言えます。

小野:第二章でヤマトが発進するシーンからは、理屈抜きの前向きなパワーを感じます。旧作ファンだけでなく「2202」から観る方々も、否応なしに盛り上がると思うんですよ。それはヤマト自体がもっている大きなエネルギーです。だからまだ観ていない方に、今からでも間に合うよと言いたいです。ともにこの艦に乗り旅立ちましょう!

【取材・文=吉田有希】

この記事の続きを読む