水島精二は「けもフレ」を語りたい<第3回>

水島精二は「けもフレ」を語りたい<第3回>

「けものフレンズ」より

先日、アニメーション監督の水島精二さんがつぶやいたひと言、それは「けものフレンズ12話完走\(^o^)/ なるほど面白かったわー。脚本と監督のお仕事に拍手!3Dアニメについて前々から思っていた事が実際に起きたなと、ちょっと嬉しく思ったり。その辺、どっかで語りたい気分。ともかく、スタッフの皆さん、素敵な作品ありがとう!さて、僕も頑張って新作つくろ」という言葉だった。

その言葉を聞き、ライターの前Qこと前田久さんが反応、今回の対談が実現しました! 3DCGアニメーションの監督を経験した水島精二さんには「けもフレ」はどううつったのか? 全3回でお届けします。

第3回「水島精二が挑戦したい3DCGアニメとは?」

――「けものフレンズ」は無欲の勝利だったとしても、これでひとつ、3DCGアニメの企画における正解が示されたことになりますよね。後続企画は出てくると思います? ほかのCGアニメスタジオがヤオヨロズさんに追随するとか……。

水島:追随はできないと思うよ(笑)。それがいっぱいになったらまた競争になっちゃうだろうし、ヤオヨロズは普通のアニメスタジオと出自が違いますから。「3DCGでアニメをつくるのはお金と時間がかかります」という、TVアニメや映画のCGを主に手がけてきたCGスタジオとは、最初から違うところを向いているんです。昔、CSで放映されていた、少し変わった3DCGアニメってあったでしょ? 「ポピーザぱフォーマー」とか。

――ああ! ありましたね。「ガラクタ通りのステイン」とか。ちょっとシュールな味わいの作品でした。

水島:一時期、好きでチェックしていたことがあったんですけど、「けものフレンズ」にはその辺りの作品のにおいもちょっとしたんですよね。ともあれ、普通に「アニメーションの中で使われる3DCG」から、3DCGをつくっていたスタジオだけが独立してアニメをつくるようになってきた……というサンジゲンのような流れと、ヤオヨロズのようなスタジオの流れというのは、本当に別物だと考えるのがいいんじゃないかなと思います。

――大きなCGスタジオの中に、小さな別班がつくられて、「けものフレンズ」みたいな企画を手がけるという可能性は?

水島:それもないと思いますね。そうですねえ……これからのCGスタジオの展望をひとつ話すと、ヤオヨロズみたいなことはできないし、かといってサンジゲンやグラフィニカ、ポリゴン・ピクチュアズみたいなハイクオリティなこともできない、そういう中途半端な3DCGスタジオがますます困るようになっていく気がしますね。厳しい言い方かもしれませんが。

――うーむ……。

水島:もし追随する会社があるとしたら、今までTVアニメに参加してこなかった小さいところ、バラエティ番組でちょっと使われるようなCGを請けていたような会社かもしれないですね。そこのスタッフにオタクな人がいて、「ヤオヨロズがやれるならうちもやってみよう!」となるかも。シナリオの問題はあるけど、そこもかえってアニメだけを書いてきたシナリオライターより、バラエティ番組の構成作家とかと組むことでうまくやるのかもしれません。「アイカツ!」の加藤陽一さんもそうですけど、構成作家出身のシナリオライターって、結構いますからね。個人的には、「CUBE」って映画あったじゃない? ああいう企画は3DCG向きだと思っていて、やってみたいんですけどね。

――懐かしいですね! 謎の立方体に閉じ込められた人々を描く映画で、低予算で話題になった。

水島:3DCGアニメのコストを考えるうえで重要なのは、登場人物とロケーションを絞り込むことなんです。あの映画のような設定なら、ロケーションを限定できるし、そのことにきちんと意味ももたせられる。もちろん、そのまま「CUBE」にそっくりな設定をやろうとは思わないですけど(笑)。空間を限定して、キャラクターを限定して、ドラマで引っ張る。「けものフレンズ」ほどヒットするかわからないけど、もしチャンスがもらえたらやってみたいですね。

【構成・執筆/前田久(前Q)】

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