青木瑠璃子、秋のデートは海辺で凧あげ!?

青木瑠璃子、秋のデートは海辺で凧あげ!?

今回あげた凧。

※みなさんこんにちは、青木瑠璃子です。今回はノベル形式でお届けします。どうぞ主人公になりきってお楽しみください。

「さっそくだけど、デートしよっ☆」

そんなメールで青木さんに呼び出されて僕が向かったのは、葛西臨海公園だ。デートと言っても他愛もない、どうやら彼女は凧あげがしたいらしい。そのためには、凧と、凧をあげられる広い空間と、凧あげ名人……つまり僕が必要なんだとか。そう、僕は凧あげ名人。でも、なんてことはない平凡な凧あげ名人だ。ちょっとだけイケメンで、油田をいくつか所有していて、少し凧あげが上手いだけ。どこにでもいる一般男性である。

葛西臨海公園はたくさんの人で賑わっていた。家族連れはもちろん、カップルや、カメラを抱えたオシャレな人もちらほら。みんな休日をそれぞれのスタイルで満喫するのだろう。そんな中、僕は凧を抱えて立っていた。今からこの凧を、ここにいるたくさんの人々の目の前で、華麗に風に舞わせる。考えただけでテンションが上がってくるのは想像に難くないだろう。うずうずしながら待っていると、ようやく青木さんがやってきた。

「お待たせ>< 待った?」

今来たところ、とポーカーフェイスで返す。ちなみに、ここに来たのは3時間前。凧をあげる前の高揚感に身をまかせ、少し早く来てしまったのだ。おかげで公園の下見もしっかり済ませてある。今日は比較的人も少なく、凧をあげることも許可されている浜辺に向かおう、と彼女を促した。

実際に現場についてしまうと早いもので、僕たちは凧を手際よく組み立て空へと泳がせている。今日はよく晴れている。今年の秋は天気の悪い日が多く、雨が降る日も少なくなかった。しかし、今日はどうだろう。秋を感じさせるうろこ雲の下、柔らかな日差しがキラキラと波に反射して光っている。爽やかな風は僕たちの凧を優しく包み、空へと押し上げていた。青木さんはすっかり凧に夢中で、眩しそうに目を細めながら、手の届かないところに行ってしまった凧を眺めている。

――嗚呼、今日は来てよかった。僕は凧あげ名人なので、ただ凧を持っていただけで凧は空へフワリと舞い上がった。これが名人の実力というところ。青木さんも感嘆の息を漏らしていた。そこから先は、もはや言葉は不要。僕たちは日が暮れるまで、凧の空中散歩を楽しんだ……。

※この作品はフィクションです。

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