お約束のフレーズでは気合いが入りすぎて恥ずかしかった(笑)。「攻殻機動隊ARISE」坂本真綾インタビュー

お約束のフレーズでは気合いが入りすぎて恥ずかしかった(笑)。「攻殻機動隊ARISE」坂本真綾インタビュー

主人公・草薙素子を演じた坂本真綾さん

“公安9課”の結成前夜を描く「攻殻機動隊ARISE」シリーズのすべてを収録したBD-BOXが、12月22日(金)にリリースされます。そこで「攻殻機動隊」のエピソード0ともいえる本作の主人公・草薙素子を演じた坂本真綾さんに話をうかがいました。じつは、1995年に公開された「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」で素子の子供時代を演じていた坂本さんは、その頃から作品の大ファン。ARISE版で素子を演じることへのプレッシャーも大きかったそうです。

ーー実際に素子を演じられたのは3年以上前になるそうですね。

坂本:もうそんなに経つんですね。でもやっぱり、思い返すとそれくらい前だったような気はします。この作品は私の代表作の1つになりましたし、この前はハリウッド版も公開されて、「攻殻機動隊」っていう言葉をずっと耳にしていたので、ずっと共にあった気はしていますね。

ーー国内外で熱狂的なファンを持つ本作ですが、その評判を直接耳にすることはありますか?

坂本:私くらいの年齢って「攻殻機動隊」世代なんですね。普段からアニメに詳しい人じゃなくても「攻殻機動隊」だけは観てた、っていう人も多くて。だから、昔の友だちと素子の話をした時、「友達として誇りに思う」っていう言葉と同時に、「意外と良かった」って言われました(笑)。やっぱりみんなの中にそれぞれの草薙素子がいるので、過去のエピソードとはいえ、他の人が演じることに不安も違和感もあったと思うし、もっとヒドく言われるかなと思ってたんですけど(笑)。私だけでなく、この作品が好きだったキャストはいっぱいいて、リスペクトする作品で自分の表現をすることにジレンマを感じながら収録していたことを覚えてます。でもそうやって真剣に向き合ってきたからこそ、多くの人に受け入れていただけたのかもしれません。

ーージレンマを感じながらの役作りには、やはり苦労もありましたか?

坂本:私が観ていたテレビシリーズの素子は、強くて隙がなくて本当にパーフェクト。でも、ARISEの素子はまだ未熟なところがあるんですね。時々感情をあらわにしたり、失敗してしまったり。ファン目線だと、最初から完璧だったわけじゃないことがわかって嬉しかったし、演じる側としては、少し楽になりました。自分が一生懸命演じることが、素子の未熟さとリンクするのかなと思って。だから、わりとスッと入っていけた気がします。

ーー名言が多い素子ですが、特に力が入ったセリフは?

坂本:熱くなる場面はいっぱいありましたけど…「そう囁くのよ、わたしのゴーストが」っていうお約束のフレーズを自分の口で言えることは感慨深かったですね。初めてテストで言った時、たぶんすごくかっこつけちゃったと思うんですけど、他の場面ではあんまりダメ出しされないのに、演出家さんが「もっとサラッと言ってほしい」とおっしゃって。気合いが入りすぎているところを見られちゃったのが恥ずかしかったです(笑)。

ーーでは、お気に入りのシーンはありますか?

坂本:もともと違うところから集まってきた9課の面々が、新劇場版の終盤にズラッと一堂に会する場面は、のちのエピソードを知っているからこそ印象に残るシーン。新劇場版にはそういう、ファンの方が喜ぶいろんな仕掛けがとくにつまっていると思います。

ーー「ARISE」から「新劇場版」へ進むにつれて、9課のキャストのみなさんも徐々になじんでいく感じはあったんでしょうか。

坂本:そうですね。プレッシャーを共有していることもあって、はじめから結束力はあったんですけど、エピソードを重ねるたびに深まっていった感じはありますね。アフレコでは、電脳を通して会話をするシーンで、どれくらい声を出したらいいのかとか、やりとりの中で表現を見つけたり、「攻殻機動隊」ならではの工夫を一緒に考えることもいっぱいあって。「新劇場版」の最後に桜が満開になったシーン、あるじゃないですか。そのアフレコの時、ちょうど桜が満開だったんですよ。収録が終わって、お互いこの役を演じるのも最後だねって言い合って…その時に桜がちょうど満開だったっていうのは、忘れられない思い出ですね。

ーー1人の女性として、素子のような生き方をどう思いますか?

坂本:女性の憧れる女性だと思いますね。男性から見ると、強すぎるし、ミステリアスすぎるかもしれないけど。もっと人を信頼していいのにとか、もっと甘えてもいいのにって思う部分もありますけど、自分の人生や行動の責任をすべて自分で取るというのは、私がいちばん素敵だなと思うところです。素子の場合、その決断力の裏には大変な孤独があって、仕方ない部分もあるんでしょうけど…。そう思うと、私はまだまだ甘いのかな。でも、痛い時に痛いと言って、頼れる相手がいたほうがハッピーなこともありますね(笑)。

ーーこのBD-BOXを手に取った人へメッセージをお願いします!

坂本:有名なシリーズですので、どの作品から観ようかと迷った方は、エピソードとしてはいちばん古いARISEから観てもらえると、その先もスムーズに楽しむことができると思います!

※衣装協力店:IPSE (WebNewtype・取材・文=吉田有希)

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