中島ヨシキが「看板のピン」を披露!「声優落語天狗連 第六回」が開催

中島ヨシキが「看板のピン」を披露!「声優落語天狗連 第六回」が開催

(左から)サンキュータツオさん、古今亭文菊師匠、中島ヨシキさん、立川志ら乃師匠、吉田尚記さん

テレビアニメ「昭和元禄落語心中」をきっかけで落語に興味をもった人に生の落語を楽しんでほしい――そんな想いからスタートした「声優落語天狗連 supported by 昭和元禄落語心中」の第6回公演が、9月19日(月)に東京・浅草の浅草東洋館で行なわれました。当日はあいにくの雨模様でしたが、開場前から大勢のアニメファン&落語ファンが集まり、会場は熱気に包まれていました。

まず登場したのは本企画の発起人であるニッポン放送アナウンサーの吉田尚紀さんと、学者芸人・サンキュータツオさんの2人。「(コミックスの)『落語心中』、連載本当にお疲れさまでした! 最終刊巻末の参考文献一覧、見ましたか?」というサンキュータツオさんのディープな振りからはじまった落語トークは、落語が好きだ、アニメが好きだとカミングアウトできなかった90年代の思い出話から、寄席で見た名人たちの技と人間模様、そして落語を題材にした(趣味の)二次創作などなど尽きることはありませんでした。

そして話題は、「落語心中」でも描かれた“襲名”へ。「“襲名”って当たり前に使っているけれど、そもそもどう意味なの?」という吉田さんの問いに、サンキュータツオさんは「僕は品質の保証だと思っている」と持論を披露。時代が変わり、人が変わっても引き継がれた芸名が、一門の芸風と品質を表していると説明していました。成立から内容が一言一句変わっていない能は、鎌倉末期から室町時代までの社会情勢がそのままZIPファイル化されたような状態ですが、いわゆる“時代と寝てきた”落語は、その時々で内容がアップデートされてきたため、品質の保証に芸名を用いたのだそうです。

「落語は、時代ごとにアップデートされて常にその時代にマッチしたものが作られている。だからWindows3.1やWindow10の数字に当てはまる部分が芸名の何代目っていう意味なんですよ」という説明に、吉田さんは「これぞサンキュータツオの真骨頂!」と大絶賛。場内からも大きな感嘆の声があがりました。

そんな大盛り上がりの落語トークの次は、若手声優が落語に挑戦する企画「声優落語チャレンジ」。今回は中島ヨシキさんが「看板のピン」を披露しました。

“あんたがたどこさ”の出囃子で登場した中島さんはさすがに緊張した面持ち。それでも“枕”では、学生時代にアシスタントとして参加した吉田さんのラジオ番組で、全身タイツを着て秋葉原を練り歩かされた話や、今回の出演依頼は吉田さんから直接携帯電話にきたという裏話を披露し会場を盛り上げました。場が温まるに連れて、緊張も消えた中島さんは、「看板のピン」を熱演。場内は大きな笑いに包まれました。

チャレンジ終了後、吉田さんとサンキュータツオさん、そして中島さんに稽古を付けた立川志ら乃師匠がステージに登場。吉田さんとサンキュータツオさんは「今まで見た看板のピンで一番ウケている」「落語家になってほしい!」と大絶賛。志ら乃師匠も「売れるよ、間違いなく売れる」と最大級の賛辞を送っていました。

今回のチャレンジについて、志ら乃師匠が「何よりも時間が無かったのが一番きつかった」と振り返る場面も。しかし、中島さんが芝居の脚本や演出も務めていることを知ってからは、噺の構造を説明する教え方にしたところ、めきめき上達していったそうです。

実は、途中で場面をひとつ飛ばしてしまう失敗もあったそうですが、「盛り上げてしまったので戻ると下げが弱くなると思ってそのままいきました」と中島さんが自身の一席を振り返ると、「その判断を瞬時にしたのがすごい」と志ら乃師匠からは賞賛の言葉が。その言葉に中島さんは少しほっとした様子で「そんなに褒めないでください、本当に落語家目指しちゃいます(笑)」と返すと、客席から中島さんへ大きな拍手が送られました。

そして、イベントの最後を飾るのは、古今亭文菊師匠による「あくび指南」。「落語心中」アニメ第3話にも登場した古典落語です。

「師匠のあくび指南が一番」とサンキュータツオさんが語ったとおり、艶っぽい語りと絶妙な間が醸し出す笑いはまさに名人芸。沸きに沸いた一席に、文菊師匠は口演が終わったあと「ちょっと天狗になっちゃうよね」と、嬉しそうに語りました。

落語ファンにはたまらないイベントは、あっという間に終了の時間。次回第7回が11月に開催されることが発表されると、中島さんは「違う話もやりたいです!」と宣言。場内はひときわ大きな拍手がわき起こり、イベントは終了となりました。【インタビュー・文=小川陽平】

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