ウマ娘が結んだ親子の競馬ロマン トウカイテイオー対メジロマックイーンのライバル馬券

ウマ娘が結んだ親子の競馬ロマン トウカイテイオー対メジロマックイーンのライバル馬券

1992年天皇賞(春)の単勝馬券(おしみさん提供)

 TVアニメやライブなど、メディアを超えて人気のゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」。ウマ娘たちは実在の馬とそのエピソードをモデルにしているため、実際の競馬に興味を持つファンも続出しています。

 父とお酒を飲んでいる時、ウマ娘の話をしたところ、父からトウカイテイオーとメジロマックイーンが対決した1992年天皇賞(春)の馬券をプレゼントされた、という幸運な「ウマ娘」ファンが現れました。

 TVアニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」第5話「無敗と連覇」でも描かれた、天皇賞(春)におけるトウカイテイオーとメジロマックイーンのライバル対決。それを物語る1992年天皇賞(春)の馬券を父からプレゼントされたのは、おしみさんです。

 おしみさんの「推し」は、カレンチャンとスマートファルコン。「どちらもグッズを買い集めるぐらいには好きです」と語ります。

 たまたま親子でお酒を飲んでいる時、自分が今ウマ娘にハマっていると話したところ、父が財布を取り出し、ずっと中に入れていた馬券をプレゼント。それはちょうど今から30年前の1992年、TVアニメで描かれた天皇賞(春)での、トウカイテイオーとメジロマックイーンの単勝馬券だったのです。

 いきなりとんでもない馬券を目にし、おしみさんは「アニメを見ていた時にとても感動していたシーンなので、びっくりして言葉が出ないほどでした。テイオーはウマも(テイオー役の)Machicoさんも好きなので……」と、その衝撃を語ってくれました。

■ 1992年の天皇賞(春)を振り返る

 時間を1992年に春に戻し、当時の状況を振り返りましょう。七冠馬シンボリルドルフの子として、父と同じく皐月賞・日本ダービーを無敗で制したトウカイテイオー。しかしダービーで飛節(人間でいう足首やカカト部分)を骨折してしまい、三冠最終戦となる菊花賞への出走は叶いませんでした。

 骨折がいえ、復帰戦となったのは大阪杯(当時GII)。管理する松元省一調教師は、デビューからダービーまで手綱を取っていた安田隆行騎手(当時)から、父シンボリルドルフのパートナーだった岡部幸雄騎手(当時)にスイッチしてレースに臨みました。

 大阪杯でトウカイテイオーは最後の直線、追えば追うほど伸びていく強烈な末脚を見せつけて完勝。この末脚を岡部騎手は「地の果てまでも伸びていく」と評しました。

 この言葉に反応したのが、前年の天皇賞(春)で史上初の親子3代天皇賞制覇を達成し、古馬(4歳以上)の王者となっていたメジロマックイーンのパートナー、武豊騎手。あちらが地の果てなら、こっちは天まで……というような発言で、ファンの間ではライバル対決を期待する声が高まりました。

 阪神大賞典を勝って史上初の春連覇(春秋連覇は1988年にタマモクロスが達成)をうかがうメジロマックイーンと、大阪杯を勝っていまだ無敗のトウカイテイオー。天皇賞(春)では2頭による一騎打ちの見方が強まり、単勝1番人気はトウカイテイオーで1.5倍、2番人気にメジロマックイーンで2.2倍と、他馬を引き離すオッズとなりました。

 レースは最後の直線、失速してもがくトウカイテイオーに対し、好位から抜け出したメジロマックイーンはカミノクレッセ(阪神大賞典2着馬)に2馬身半差をつけて連覇を達成。トウカイテイオーは5着に終わり、レース後に前脚の骨折が判明しました。

■ 父が語る馬券の思い出

 このようなドラマを物語る、トウカイテイオー(500円)とメジロマックイーン(1000円)の単勝馬券。おしみさんのお父様に買い目をうかがうと「テイオーが勝ちまくっていて面白くなかったのと、メジロ牧場が好きだったので」メジロマックイーンの方を厚めに買っていたのだとか。

 おしみさんのお父様は、イナリワン(JRA出走:1989年~1990年)からテイエムオペラオー(JRA出走:1998年~2001年)の頃まで競馬をたしなんでいたんだそう。マヤノトップガンと田原成貴騎手(当時)が「推し」なのだといいます。

 馬券については「そもそも同じ財布を30年使い続けており、そこに入れておいたから」現在まで残っていたとのこと。それにしても、1000円分の的中馬券を払い戻しせずに持ち続けたことから、やはりこのレースに対する思い入れも深かったことがうかがえます。

 おしみさんは、お父様が競馬をしていたことは知らなかったのだとか。「以前に自分が4thライブ横浜公演の配信を見ていた時、登場メンバーの名前に父親が反応し、その時にマヤノトップガンが好きという話は聞いていました」というくらいで、まさかウマ娘のドラマに関係する馬券を持っているとは思わなかったようです。

 貴重な馬券をプレゼントされ「父親からは高く売れるのなら売れと言われたのですが、自分が欲しかったので断りました(笑)」と語るおしみさん。「コピーとスキャンはしましたので、ローダーに入れて保管するつもりです」とのことです。

 今回の出来事、ウマ娘を通じて親子で競馬の話ができたことについて、おしみさんのお父様は「『競馬はロマンがある』。自分の趣味(競馬)と息子の趣味(ウマ娘)がこうしてリンクしたウマ娘はすごい。でも、そういう競馬世代とウマ娘世代の親子は多いかもしれない」と話してくれました。

 お父様の言葉にあるように、ウマ娘がきっかけで競馬に興味を持った方も多く、競馬ファンの裾野も広がっている様子。現実の競馬とリンクしているからこそ、ウマ娘は世代を超えたコミュニケーションを可能にしているのかもしれません。

<記事化協力>
おしみさん(@oshimi06)

(咲村珠樹)

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